タイ駐在代表の春日です。
4月8日から始まった北タイの森づくりのためのクラウドファンディングでは、たくさんの方にご支援いただき、またオンラインイベント(アーカイブ視聴はこちら)にも多くの方にご参加いただき、深く感謝申し上げます。
さて、皆さんにご覧いただきましたオンラインイベント翌日の4月9日のこと……
「ホイエン村(マイチャルーン村の隣村)の裏で山火事発生!」という連絡を受け、大急ぎで駆け付けました。
ホイエン村はオイスカ現地スタッフのスティン君の村で、花王さんのプロジェクトやN連プロジェクトを実施してきた村です。今回の火事現場はプロジェクトサイトとは別のところとはいえ、被害が心配です。
山道に入るとほどなくして一面、山肌が焼け焦げています。
道路が防火帯となって火を止めています。
更に進むと、やがて道端に燃える火が見えてきました。
しかし本当の現場はこの奥です。
車で更に進むと、もくもくと立ち上る黒い煙。すでに煙っている空を更に白く、黒く覆っていきます。
20メートルほど下の方に、消火活動にあたる村の方が見えます。
ここは幸いにも果樹園用に水がありましたので、その水を利用してホースから勢いよく水を噴射させています。
火はちょうど果樹園の手前で消し止められていました。
これがもし果樹園などと違い、水がない植林地のような場合だと、水を噴射する噴射機を利用したり、棒の先が大きなへら状になっている消化道具で火をたたいて消したり、とても根気のいる消火作業になります。
この山火事のはっきりとした原因はまだわかっていませんが、ホイエン村の村人による焼き畑が原因ではないことは間違いありません。彼らはオイスカと共に森づくりに励んできてもう10年以上になります。森や環境の大切さ、火の怖さ、どう火をコントロールすべきなのか、すべてを熟知しています。
ここで念押ししたいのは、焼き畑は悪行ではありません。焼き畑は山岳民族が昔から続けてきた文化です。そして彼らの本来の文化は、必要な面積を必要なだけ使い、焼き、そして再生を図っていくバランスの取れた焼き畑を繰り返してきました。
どこでおかしなことになってしまったのでしょう。
森を命を育んでくれる場所としてではなく、搾取の対象として見始めたときからです。
森とともに生きてきた彼らの文化を壊してしまうような、行き過ぎた経済活動が入り込んだ時からです。それは時代の波であり、止められるものではありませんでした。
しかし今、ホイエン村をはじめオイスカと共に森づくりを進めてきた村々では、本来の姿に立ち返りながら前に進んでいくことが最も安全であり、豊かであり、そして幸せな形であることを村の人々は知っています。元に戻るのではなく、本来の姿をベースにそこから自然のバランスを崩さないようなプラスαを付け加えていくのです。
それでも今回のように予期せぬ火が襲い掛かります。
私たちが森づくりを継続しているのは、燃えにくい水の豊かな自然の森を増やしていくこと、そして不幸にして山火事になっても、こうして村の方々がすぐに駆け付けて消火活動ができるように訓練されること、何よりも森を守ろうとする心を育てていくこと、そうしたことを目的としています。
こうした活動を少しでも広げるためにも、マイチャルーン村の森でもまた、森を愛する地域の方々によって守られ育てられる森づくり、コミュニティづくりをしていきたいと思っています。
森づくりクラウドファンディングへのご協力を何卒よろしくお願いします!
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