2023年12月13日

【フィリピン・ネグロス 養蚕 普及プロジェクト】全国繊維産業サミットに参加しました

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  •  本部・海外事業部の萬代です。先日、フィリピン・ネグロスのバゴ研修センターの渡辺重美所長と、スタッフのジンジさんから、 養蚕 普及プロジェクトの近況レポートが届きましたので紹介します。

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     11月13~16日、ケソン市でフィリピン繊維産業開発庁(PhilFIDA)主催の全国繊維産業サミットが開催されました。これは、フィリピンの麻や綿、絹などの繊維作物産業の生産性や競争力を高めるために、国の関係機関や民間団体、専門家、生産農家などの参画や、支援を得ることを目指して実施されたものです。

    フィリピン繊維産業開発庁のHPに掲載の全国繊維産業サミットの記事はこちら)

    コロナ禍以降、4年ぶりの開催となった今回は、5つの優先繊維作物のコットン、アバカ、パイナップル、サラゴ、シルクの生産に関わる8つの団体が参加し、生産状況や生産農家の様子、製品などについてプレゼンテーションを行いました。オイスカも、バゴ研修センターでシルクプログラム調整員を務める渡辺テルマさんが登壇し、シルク分野のコロナ後の回復や今後の期待などについて発表しました。発表後に、「フィリピンのシルクはオイスカが支援する農家からの生産がほとんどのため、オイスカを通じて、桑畑の面積を増やすなどの支援を検討する」と、繊維産業開発庁の担当者からコメントをいただきました。

    発表を行った渡辺テルマさん(右)

    サミットで同時開催された繊維製品の展示会にも出展しました。

    サミットの期間中、農業省の職員をはじめ、毎日150人ほどがブースを訪れ、中には、ロビン・パディラ上院議員やラウレル農業省長官も立ち寄り、ネグロスシルクのPRにつなげることができました。さらに多くの製品を今後の展示会に出展するよう、フィリピン繊維産業開発庁のゲバラ事務局長から要請をいただきました。今は、ストールがメインとなっていて製品の種類が少ないため、新製品の開発と、デザイン面の充実に力を入れていかなければと強く感じました。

    展示会のブースには連日150人もの方が訪れてくださいました
    フィリピン繊維産業開発庁の事務局長 ゲバラさん(右)とスタッフのジンジ(左)

    今後も、シルク産業を通じて、山間地の農家の生計向上につなげられるよう、各機関と連携しながら、養蚕普及とともにシルクの質・生産性の向上や、製品開発などに取り組んでいきます。

    定番&オススメの製品 シルクのストールは種類もたくさんあります!

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    オイスカが西ネグロス州政府から協力要請を受けて、1989年に養蚕の技術指導と普及に着手してから34年になります。

    私は28年間、養蚕事業に携わっていますが、事業を始めた当初、日本人技術者の誘拐事件があり、事業が一時ストップしたり、その後再開できたものの蚕の病気が発生し、養蚕をやめてしまう農家が続出するなど、その後も事業の継続が危うい状況に幾度となく遭遇しました。それでも、その都度、日本からの支援を継続し、プロジェクト責任者と現地スタッフの地道な努力もあり、今日の事業継続に繋がっているといえます。これまでの多くの失敗や経験を積み重ね、今では「フィリピンのシルクといえばオイスカ」と政府の役人にも認識していただいていることに感慨深いものがあります。

    新製品の開発や質の向上など、まだまだやるべきことはたくさんあります。田舎に暮らす人々が養蚕農家として暮らしていけるよう、また、職が無くて出稼ぎのために都会に出ていかざるを得ない状況を減らせるようよう、養蚕事業で農村の人たちを支援していきたいと思っています。

    1月20日まで「2023オイスカ冬募金」を実施しています。住民の生活と地球環境を守るオイスカの活動をぜひ応援してください。(画像クリックで冬募金ぺージに遷移します)

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