本部・啓発普及部の林です。
10月22日~27日に開催したウズベキスタンスタディツアーでの
体験を複数回にわたり、ご報告します。
(前回のブログ)
25日はツアーの一番の目的であるアラル海の沙漠での植林を体験しました。
しかし、この日は朝からうまくいかないことばかり。
時間をきっちり守る日本の皆さんは、8時出発の予定の前からホテルの前に集合していましたが、なかなかお迎えのバスが来ません。
昨日使っていた大型の観光バスは、沙漠には入れないということで沙漠には小型のバス2台に分かれて入る予定になっていたのですが、そのバスが来ないのです。
いつ来るのかわからない中、だんだん体もが冷えてくるので、今日は使わない予定の大型観光バスやホテルのロビーで待ってもらうことに。そういえば、昨年の活動時もバスが約1時間遅れて出発したのを思い出しました。
冨樫さんは、この日試験植栽に使う防水紙の準備をホテルの入り口で始めてしまいました……。
結局、1時間ほど遅れてバスが到着したものの、大型バスで沙漠まで行ってみようということになり、現地スタッフが先導する車の後ろを走り、沙漠の中をゆっくり進んで行きました……が、なぜか先導車を置いてそのまま走るバス。冨樫さんに確認するも、植林地はまだ先だといい、そのまま進みました。
しかし、先導してくれていた車が追いかけてきて、道を間違えていると運転手に伝えると、バスは方向転換をしようと横道に頭を突っ込み、その結果砂にはまり、バスは動けなくなってしまいました。
みんなでバスを押してみたり、少しでも重量を軽くしようとスーツケースを外に出したり、いろいろと試してみたものの、動かず、完全に立ち往生。ここは沙漠の中で携帯電話もつながらず助けを呼ぶこともできません。そこで、小型バスで参加者を植林地に移動させ、まずは活動を優先させようと判断し、先導車に乗ってスタッフが小型バスを呼びに行くことに。
しかし、彼が連れてきたのは小型バスではなく、大型ユンボを積んだトレーラー。途中で遭遇し、バス救出に力を貸してくれることになったとのこと。
トレーラーが積んでいたワイヤーを使い、バスを引っ張り出すことに成功。トレーラーの運転手さんたちは私たちのヒーローとなり、参加者全員が拍手で感謝の気持ちを伝えました。砂漠の真ん中でこんな風に助けられるなんて奇跡のように感じました。
植林地に移動し、ようやく植林スタート。カラカルパクスタン農業大学の林学科の学生さんたち1人に日本人参加者が2人の3人組での作業です。1人が穴をあけ、2人で苗木を植えていきます。
保水効果のあるポリマーを使用
学生さんが掘った穴に苗木を植える
訪日研修生OBのティムールさん(左)
この日植えたのはサクサウール6千本。苗木と言っても日本で植える青々とした葉のついた苗木とは全く違う、枯れ枝のような姿をしていますが、春になると緑の葉が出てきて、沙漠全体が緑になるそう。
かつて青々としたアラル海が、現在は干上がってしまい540万haの茶色い大地となっています。
湖底にあった粒子の細かい砂は、塩を含み、白い砂嵐となってウズベキスタンの人たちだけではなく、近隣諸国にまで広がっています。カラカルパクスタンの人たちは、呼吸器系の疾患などの問題にも悩まされています。