本部・啓発普及部のグラゼンです。(前回のブログ)
11月23日に実施する秋のトークイベント【「災害のデパート」フィリピン北部での37年間の挑戦とこれから】の準備のため、9月19・20日に大阪に行ってきました。
イベントの目玉は、オイスカ・アブラ農林業研修センター(フィリピン)のデルフィン・テソロ所長と、オイスカ関西研修センターの清水利春所長のトークセッションです。
清水所長は1991年までの17年間、フィリピンの開発団員として活動に取り組み、アブラ研修センターの設立に尽力されました。帰国してからも、現地でプロジェクトを進めるデルフィン所長をサポートするため、多い時は年に4回、さまざまな形でフィリピンに渡っています。
関西研修センター主催の植林ツアー「フィリピン植林フォーラム」もそのひとつです。地元住民と日本のボランティアが協力して、荒廃したアブラの山々に木を植え、森林を再生させます。第26回となる今年のフォーラムでは、総勢19名の日本人ボランティアが参加しました。
またデルフィン所長は、1987年にオイスカ西日本研修センターで研修を受け、帰国後は故郷のアブラ州において、当時駐在していた清水所長のもとでスタッフとしてオイスカ活動に従事。91年から、清水所長から引き継ぐかたちで、アブラ研修センター所長となりました。デルフィン所長にとって、清水所長は”恩師”とも言える存在だそうです。
私は、そんな清水所長とデルフィン所長の登壇する秋のトークイベントでモデレーターを務める予定となっており、当日の参考にするため、出張を機に清水所長にインタビューすることにしました。
グラゼン:これまでのフィリピンでの活動の中で、一番印象深かったことは何ですか
清水所長:植林活動後のプログラムで聞いた、現地のお年寄りのスピーチが印象に残っています。その方はスピーチの中で、「戦争のせいで、私たちは日本人に対してネガティブなイメージを持っていました。しかし植林活動に参加し、ボランティアの日本人と会ったことで、”彼らは友好関係を築くために来たのであって、征服するためではないのだ”と認識が変わりました」と話されました。これを聞いて、涙が出るような気持ちになりました。
グラゼン:デルフィン所長とは、フィリピン駐在時代から30年以上の付き合いになるそうですね
清水所長:デルフィンさんはオイスカ・アブラ農林業研修センターにとって、非常に大切な存在です。彼が主に活動するアブラは災害がとても多い地域です。被害が起きれば、彼は地域の人々に手を差し伸べる心と、生活をサポートする能力もあります。例えば、2022年にマグニチュード7.2の地震がアブラを襲った際、彼は米や野菜など、センターのわずかな資源を迅速な判断で被災者に配布しました。また、被災地域がすぐに復興できるよう、農業機械を貸し出し、種や堆肥などの農業資材を地元農家に提供しました。アブラにおける日常の活動もですが、そうした緊急時の柔軟な対応をしていくことは彼なしには成しえないでしょう。
インタビューはまだ続きますが、次回のブログでご紹介します。
オイスカが、アブラ州のコミュニティの発展のためにどんな活動をしているのか、皆さんに知っていただくために、引き続きブログやイベントでお伝えしていきたいと思います。
秋のトークイベントでは、会場、オンラインそれぞれ100名の方にご参加いただくことを目標としています。イベントの詳細、お申し込みは下記のリンクからご確認いただけます。
皆さまのご参加お待ちしています!