みなさん、こんにちは!海外事業部の山本です。
9月14日(木)~16日(土)まで、宮城県名取市で進む「海岸林再生プロジェクト」の現場へ出張に行ってきました。
今回は2回目の訪問でしたが、新たに知ることばかりで、訪れる度に違ったことが見えてくるなぁと感じた訪問となりました。
1日目は、2日目に行うモニタリングの下見を行いました。
このとき、森林組合の方々にお会いしました。この日は草刈りを行っているところで、草刈り機を使って作業する様子をみせていただきました。草刈り機は体の右側に装着し、刃の左前部分を使って刈るのだそうです。基本的には地面に近い部分を刈りますが、飛び出ているマツの枝などはヒョイっと機械を持ち上げて切っていました。
モニタリングの下見をした後、前回訪れた際に石灰をまいた場所で、土壌のpHを酸度計で測定しました。土壌の酸性が強いことから、弱めるために石灰をまいたところです。数値は比較的高いままであり、石灰の効果がまだ出ていないのか、ほかに要因があるのか…。まだまだ調べたり様子を見たりする必要がありそうでした。
海岸林の中を歩いていると、道のわきに溝ができているところがありました。水はけが悪く、水がたまっていたため、排水できるよう「溝切り」を行ったそうです。溝切によってマツはぐんと生長するようになったといいます。土壌のpHや水はけなど、マツの生長のためにはさまざまな観点から観察し、工夫を行ってきたんだなと改めて感じました。
2日目は、スタッフとベテランボランティアの方でモニタリングを行いました。モニタリングは定期的に同じ木の生長を調べるために行っており、木の高さと太さを計測して記録します。海岸林に関わって日の浅い私には、マツの木の生長を実感するということはまだありませんが、記録によると前回の調査から数十センチ伸びているマツもあり、しっかりと生長していることがわかりました。
3日目は、ボランティアの方々とクズ切りを行いました。マツに絡みついて生長を阻害するクズですが、今回はその根の威力を思い知りました。まるで込み入った電話線のように縦横無尽に根が地面に広がっていました。地表に見えていない部分もあるのでカマで引っかきながら伸びた根をたどり、大元を探します。みなさん、マツの枝の下に分け入り、「根絶」に取り組んでいました。
今回の訪問では、森林組合の方、ベテランボランティアの方、はじめてボランティアに参加された方などとお会いし、海岸林に多様な方々に支えられていることがわかりました。様々な人が関わり、様々な試行錯誤を重ねて、海岸林を育てることができるのだということを感じました。
「前はツルマメがマツの敵だったがもう卒業した。いまはクズが敵だ。」と吉田さんも言っていた通り、ひとつクリアしても、また次の壁がやってきます。まだまだ奮闘が続くことを改めて感じました。少しでもその力になっていきたいと思います!