2023年9月19日

国会議員の先生方がN連事業を視察・体験(タイ ラノーン県)

  • タイ
  • 本部スタッフ
  • こんにちは。海外事業部の廣瀬です。 

    8月25日から9月2日まで、タイのラノーン県に出張してきました。

    今回の目的は、ラノーン県で2021年3月11日から3年間の計画で実施しているN連(日本NGO連携無償資金協力)事業の事業内容の確認と現地スタッフとの情報交換でした。

    ちょうど時期を同じくして、オイスカの活動を応援してくださっている国会議員連盟(オイスカ国際活動促進国会議員連盟)の方々がN連事業を視察されることになり、先生方にも同行させていただきました。 今回視察してくださったのはいずれも衆議院議員の井上信治先生、務台俊介先生、瀬戸隆一先生の3人です。 

    (オイスカ国会議員連盟についてはコチラ→設立50周年記念行事を開催

    3人の国会議員
    左から瀬戸隆一先生、井上信治先生、務台俊介先生

     N連「タイ・ラノーン県のマングローブ林再生を通じた社会的弱者層生計向上プロジェクト」は、住民主体のマングローブ林再生と地域産業の振興による住民の収入向上を目的に、ラノーン県のコンティ島、シンハイ島、ラオ島、ンガオ村の4ヵ所で実施しています。(事業の概要はぺージ下部の資料をご覧ください) 

    時間の関係でシンハイ島には行けませんでしたが、コンティ島、ラオ島、ンガオ村の事業地を視察していただき、視察の合間にラノーン県知事への表敬訪問もしていただきました。ラノーン県知事はじめ、県の主要ポストの方々が勢ぞろいして迎えてくださり、N連事業終了後にオイスカタイや天然環境資源省、ラノーン県にバトンを引き渡す前のラノーン県関係者への強い意識付けになったのではないかと思います。 オイスカ国会議員連盟の視察に同行するのは初めてでしたが、先生方は終始精力的に動かれ、住民との交流も積極的にされている姿が印象的でした。 

    マングローブ視察中
    N連事業の拠点の一つ、マングローブリサーチセンターにて
    コンティ島植林地にて
    コンティ島植林地にて、責任者のカヤイ氏から説明を受ける一行
    ラノーン県知事表敬訪問
    ラノーン県知事表敬訪問

    住民との交流で微笑ましいエピソードがありましたので、いくつか紹介します。 

    ▶その1

    先生方にマングローブの記念植樹をしていただいたときのこと。 

    タイ天然環境資源省の役人で、オイスカタイの役員でもあるカヤイさんがマングローブの植え方をひととおり説明しました。

    「いちばん大事なことは、元気に育ってくれよ! と苗木に気持ちを送ることです」

    と、カヤイさんが言ったとおりに先生方が念を送っていました。 3人の先生方の念力できっと元気に育ってくれることと思います。 

    植えたマングローブに念力を送る
    「元気に育て!」と念を送っているところを地元の人たちが微笑ましく見守っていました

    ▶その2 

    ンガオ村で特産品として販売しているマングローブ林に生えるミズヒイラギを使った石鹸づくりを体験した時のこと。 

    「まだまだ!もっともっと混ぜないといい石鹸にならないよ」 

    「もっともっと早く混ぜないと固まっちゃうよ」

    などと女性グループのメンバーに冗談交じりにはやし立てられ、それに応えるように必死になっている先生方の姿がありました。 

    石鹸は固まるのに時間がかかるため、いい石鹸になったかどうかはまた後日。 

    石鹸づくり体験
    ンガオ村にて、村人と石鹸づくりを体験

    ▶その3

     オイスカは子どもたちへの環境教育活動として、学校での植林を通じた活動をしています。ラノーンにも「子供の森」計画に参加している学校があり、学校での交流の一場面 

    先生「将来の夢はありますか?」 

    子ども「エンジニア!」 「サッカー選手!」「医者!」・・・

    先生「政治家に興味ある子はいませんか?」

    子ども「・・・・・・」 

    ラオ島での食事
    ラオ島での食事。テーブルを使わず、ゴザに食事を並べる現地のスタイルで食事を召し上がっていただきました

    今回は、N連事業のPR動画の作成を委託しているカメラマンも同行していたので、先生方に今回の視察の感想を語っていただく動画を撮影させていただきました。 

    動画撮影中
    インタビュー動画撮影の様子
    当日撮影した動画はこちら(3分)

     国会の会期終了後のこの時期、議員の皆さんは視察のために国内海外問わず各地を訪問されることが多いそうです。オイスカの海外視察は、のんびりしたものとは程遠く、現場が僻地にあることが多いため移動も楽ではありません。また活動も多岐にわたるため、限られた時間で見ていただくとなるとどうしてもハードスケジュールになってしまいます。

    オイスカタイ側からすると、滅多に来られることのない議員の先生方のご訪問なので、すべての活動を見てもらいたい、この機会を地元の人たちのモチベーションを上げる機会にもしたいという強い思いが詰まりすぎたこともあり、何度もラノーンを訪問したことがある私から見ても鬼のようなスケジュールでした。

    それでも、今回ご訪問いただいた先生方からは「大変だからこそ行きがいがあるし、楽しい」といった言葉を頂きありがたかったです。国際協力の現場を実際に見ていただくことで、実情を五感で感じていただけますし、言葉は通じなくとも住民と心で会話することができます。オイスカスタッフや現地の住民にとっても、わざわざ自分たちの国や村まで来てくれるということが何より嬉しいですし、これまでの自分たちの活動の意義を改めて感じる機会にもなったのではないかと思います。

     N連事業は2024年3月10日まで続きます。 10年後、20年後、4ヵ所の事業地のみなさんに3年間のN連事業があったからこそ今の幸せな生活があると言っていただけるよう、残りの半年間も住民のみなさんと共に成果を出せるよう努力していきたいと思います。 

    プロジェクトの紹介動画をご覧ください(7分)

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