啓発普及部の鈴木です。
8月17日に「駐在歴30年!NGO海外駐在員が語るパプアニューギニアの日常や不思議な体験!」と題して、駐在代表の荏原美知勝さんに登場していただいてオンラインイベントを行いました。
ご参加くださったみなさん、ありがとうございました!
私は、パプアニューギニアの話になると前のめりになることから、チームメンバーから司会を命じられ、当日は司会を担当しました。
パプアニューギニアを題材にしてオンラインイベントを開催しようと決め、内容をチームメンバーでブレインストーミングした段階からとても楽しく、あれもこれも知りたい、見てみたい、聞いてみたいと色々なアイデアが出てきました。泣く泣くいくつかに絞り、全体内容を組み立てていきましたが、企画や動画の選定、シナリオ作りも楽しく進めていきました。あまり気乗りしない他の仕事を放り出して、この仕事に取り掛かりたいという誘惑を断ち切るのが大変なくらいでした(^^;
Peatixというイベント集客サイトを通じて、62人の参加申込みをいただいていました。
パプアニューギニアの文化や暮らしに興味がある方が思いのほかたくさんいることに驚くのと同時に、私自身、パプアニューギニアの話を聞いたり、写真を見たりするたびに好奇心がくすぐられるので、同じ興味を持つ仲間がいることに嬉しくなりました。
当日、司会をしながら、隣にいる荏原さんの話をふむふむと聞き、話をする内容も写真も動画もすべて知っているのですが、何だかとても楽しく、聞いた話なのに「へぇーそうなんだぁ」と感心したり、「ここ、もうちょっと知りたい」「マーケットの中をもっと歩いてみたい」と思ったりしてました。
シナリオがあったので脱線せずに時間内に終われましたが、なければ、好奇心の趣くままにどこまでも掘り下げていってしまいそうでした。特にブラックマジックの話とマーケットの話は掘り下げていったらもっと面白い話が飛び出しそうです。荏原さんのご家族や生活の様子がわかる動画や写真も興味深かったですね。
参加してくださった方の感想をいくつか紹介させていただきます。
▶ 「Q&A方式で話が進んでいき、自分では気づかなかった疑問や興味が広がっていった感覚で面白かったです。また、動画で見られたことが写真よりも現地の空気感が伝わってきて、楽しさが倍増しました。料理を作る様子は、日本とは全く違いますね。あと、お子さんが木をひょいひょい登っていくのはテレビでしか見たことなかったので、身近なところで見られたのが面白かったです」
▶「荏原さんのパプアニューギニアでの日常生活の様子を、動画をもとに教えていただけてとてもわかりやすかったです。ブッシュドクターのお話も興味深かったです」
▶ 「PNG(パプアニューギニア)のライブな声が良く伝わった ドキュメントレポート風に」
▶ 「現地での何気ない生活からオイスカセンターでの研修の様子まで、幅広く知ることができ、楽しかったです」
▶ 「またPNGの続編を希望します」
運営面などで改善点はあるものの、楽しんでくださった方が大半で安心しました。
続編の希望をいただきましたので、ぜひ企画しなければ!!
当日、参加者のみなさんからたくさんの質問をいただきました。イベント内では時間の関係ですべての質問にお答えできませんでしたので、ここに荏原さんからの回答を掲載します。
Q: ここ30年、地球温暖化の影響を受けてパプアニューギニアの気候や環境が変化していると荏原さんが感じていることはありますか?
A: 雨季乾季が逆転してしまったと思うくらいめちゃめちゃです。海面上昇の影響でココナッツが海の中に倒れている様子も見る事ができます。
Q: パプアニューギニアでの、日本や日本人のイメージを教えてください。
A: とても発展した国。自動車大国。第2次世界大戦で日本が勝ってPNGを統治していれば、PNGは今のように貧しくなく、もっと発達していたはず、と信じている人たちも沢山います。
Q: マラリアはまだあると思いますが、どんな薬が有効ですか? それはPNGに行く前から日本にいるうちに飲み始めなければならないものでしょうか?
A: マラリアには何度(20回くらい?)も掛かりましたので、適切なアドバイスを差し上げる事が出来ると思います。現在現地で一番使われているマラリアの薬は”Malawan”と言います。錠剤で薬局で販売していますが、建前上、処方箋が無いと売ってくれません。
でも、「日本からの観光客で来週日本に帰りますが、日本でマラリアを発症した時の為に飲みたいので売って下さい。日本で売られているマラリアの薬は非常に高いので、お願いします!」とニコッとして話せば、普通は売ってくれます。私の現地の友人に看護師がいるので、抗生物質も彼女経由で手に入ります。
マラリアの薬は”Malawan”は、マラリアが発症してから飲むものです。でも最初はマラリアの症状が分からず風邪だと思って様子を見ていたら、酷くなって4~5回入院しました。入院すると痛みが数日間残るキニーネを注射されます。後遺症があって耳が塞がれたようになります。ですから私はポートモレスビーで日本への帰国便に乗ったら機上でMalawanを飲みます。私はこの薬による副作用は全く無いのでそうしています。飛行機に乗ってしまえばハマダラカに刺されることはありませんので。(ご参考まで)
その他、いただいた質問への回答はコチラです。↓(PDF)
「世界でいちばん石器時代に近い国パプアニューギニア(山口由美著)」によると、パプアニューギニア国内でも時期の違いはあるものの、最後に石器時代が終わったのは1960年代だといいます。
63年前までは石器を使っていたのか・・・・
ガスや電気なんてもちろんありませんし、鋳物もないような自然に溶け込んだ生活が営まれていた中で、この60年ほどで急激に近代化の道を歩んでいるのです。ブラックマジックやシェルマネーが生活に溶け込んでいるというのも頷けます。人々が携帯電話を使うようになるなど、近代化の大波の中にありながらも、彼らの文化や伝統、自然は守りついでいって欲しいなと思います。
パプアニューギニアの人々が、伝統や自然を守りながら、豊かに生活していけるよう、オイスカが担うべき役割はとても大きいと思います。荏原さんの活動をバックアップしながら、豊かに住み続けられる未来を目指していきたいと思います。
当日のイベントの様子はYouTubeでアーカイブ視聴ができます。ぜひご覧ください。