バングラデシュとミャンマーのプロジェクトへのアドバイザー業務を行っている小杉です。
6月14日から7月13日までの1ヵ月の予定でバングラデシュに滞在していました。
研修センターとマングローブ植林プロジェクトの業務調整が主な目的で、研修センターOB会の新役員やオイスカバングラデシュ総局、政府関係者などとの調整も行う予定としています。
今月からマングローブ植林の準備を始めます。自然のサイクルの中で、種採できる時期が限られており、マングローブ林内で種子を採るところから始まり、苗づくりを行います。バングラデシュはサイクロンに見舞われることが多く、避けて通れない自然災害と隣り合わせの生活に、少しでも災害のリスクを減らすべく、スタッフ共々、マングローブ植林事業は特に力を入れている事業でもあります。
今回は、イスラム教徒にとっては大切なお祭り、犠牲祭(イードゥ・ムバラック)についてお伝えします。
滞在中の6月29日は、ちょうどバングラデシュの多数を占めるイスラム教徒にとっては大切なお祭り、犠牲祭(イードゥ・ムバラック)が行われる日でもありました。また、サウジアラビア・メッカ巡礼への最終日でもあり、長くおつきあいがある私の友人もメッカへ訪問中でもあります。
その犠牲祭は、イスラム教徒としての5つの勤めの一つ、富める者は貧しき者に施しを行うこと、牛やヤギ・羊などを賭殺し分け与える信仰に基づいた大変大切な日でもあります。
そんなわけで、研修センターで飼育していた子どもが産めない牛を、スタッフ3人を含め、計5人で購入しました。今日は朝から、スタッフの家の庭先で、賭殺から解体し、3分の1を自分や家族のために、3分の1を親族に、最後の3分の1は近隣の貧しい人に施しました。近隣の人には予め予定数をそれぞれ計量して配布しましたが、ほかにも訪れる人もあり、少しずつではありますが肉を施しました。私も出資していましたので、家族や親族、友人、貧しい人への施しの務めを果たすことが出来ました。
また、人々は、犠牲祭の期間に帰省して家族や友人と会い、食事を共にし、招き招かれることを大変楽しみにしています。家族や親族間の結びつきもまだまだ強く残っており、家財道具を買い入れたり、衣装を新調したりと、日本の盆と正月が一緒になったような楽しみとなっています。
ここ数年はコロナの影響で、その機会をあまり持てずにいましたが、コロナの終息と共に、大いに祝う機運が盛り上がっています。一方で、経済が悪化していること、祭り前で需要が高まっていることで諸物価の高騰が激しく、生活の不安を抱えている人たちもいると思われますが、この時ばかりは静かに時を楽しんでいるようです。
人口過密国家のバングラデシュ、犠牲祭の期間は帰省ラッシュとなり、道路は長距離夜行バスや車で大渋滞、列車も屋根の上まで乗車するありさまで、みな、少々の不便を苦にすることなく、帰省を楽しんでいる様子です。しかし、今年の犠牲祭は連日の雨で、トラックや電車の上に乗車して帰省した人たちは、大変だっただろうと想像されますが、何事もなく帰省、また、それぞれが楽しむができたであろうことを望むばかりです。