2023年7月13日

海岸林 出張報告② ボランティアの方々と一緒に作業をして感じたこと!

  • 海岸林再生プロジェクト
  • ECO-DRR
  • 本部スタッフ
  • こんにちは! 海外事業部の山本です。

    前回に引き続き、6月22日(木)~24日(土)まで、宮城県名取市へ出張し、「海岸林再生プロジェクト」の現場を訪れて感じたことをご報告します。

    今回は海岸林ボランティアの方々と一緒に活動をして感じたことについてです。

    私が名取に滞在していた3日間、初めて参加される団体のボランティアの方々から、何度も何度も海岸林の活動に参加してくださり、長く関わっていただいているベテランのボランティアの方々まで、さまざまな人たちにお会いしました。

    活動開始前の朝会。ボランティアの方々へスケジュールや作業分担など説明します。


    6月23日は、ほとんどが今回初めてという方々と一緒に、マツ林の周りに生えている雑草や古くなった柵を取り除く作業をしました。みなさんと一緒に作業をしていて感じたことは、より多くのことに気づくことができる、ということです。

    作業をしているとき、ボランティアのみなさんは「この木も切っていいんですか?」「どこまで作業進めていいでしょうか?」など、都度、確認をしてくださいました。私も初めてで、気がまわっていないことが多かったのですが、みなさんがそう質問してくださることで、「そういえば、これはどうすべきだろう」と思い、ベテランのスタッフに確認して、作業の進め方をより詳しく把握することができました。

    業を始めたときは、しな竹、藤などの多くの草木に囲まれていました(左)作業後は同じ場所と思えないくらいスッキリ!(右)


    また、休憩時間の際に、あるボランティアの方が、「あの大きなマツは震災前からあるものなんですか?」と質問をしてくださいました。作業をしていたところの周辺のマツは背が低いのに対し、少し離れたところには、背の高いマツが見えていたからです。

    これについてもわからなかった私は、ベテランスタッフに確認してみました。すると、やはり震災前からあり、流されずに残ったマツでした。なぜ、残ったのかというと、流されてしまったマツと比べ、高いところに生えていたため、根が深く張り、流されなかったのだということでした。そして、このことから、今育てているマツは、深く根が張るように、盛り土をして植えているのだということでした。

    手前は植林したマツ。奥の背の高いマツは流されずに残ったマツ。

    このように、ボランティアの方々がそれぞれの目線で気づいたことや疑問に思ったことを言ってくださったことで、自分では考えが至っていなかったことに気づき、より海岸林についてより深く知ることができました。

    6月24日は長く海岸林の活動に関わってくださっているボランティアの方々と作業をしました。みなさん、海岸林についてよく知っており、どんどんやることを見つけて作業を進めてくださいます。私は不慣れで「これであっているかな…?」と思うことばかりですが、みなさんが声をかけてくださり、教えてくださったので、とても安心して作業を進めることができました。また、ベテランのボランティアの方々がどのように作業をしているかをよくみて、お手本にしていました。

    ベテランボランティアのみなさん。石灰まきを始めるところです。

    6月24日は80人ほどのボランティアの方が参加していましたが、オイスカのスタッフは数名です。それでも作業ができるのは、こうした長年活動に関わってくださっているボランティアの方がいるからだということを改めて感じました。

    海岸林での作業に参加し、前回のブログにも書いたクズの刈り取りをはじめ、マツを育てるにはさまざまな手入れが必要であることがわかりました。広大な海岸林を再生するには、本当に多くの力がなければやりきれないことだと感じました。

    けれども、こうして多くのボランティアの方々が来てくださり、長年に渡って活動を支えてくださっています。今回、一番感じたことは、人の輪を広げ、人の輪を大事にしてこそ、この活動ができているのだなということです。

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