2023年4月13日

ウズベキスタン だより アラル海に上陸!

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  • 皆さんこんにちは! ウズベキスタン プロジェクト調整員の青山です。

    4月6日、とうとうアラル海に足を踏み入れました。

    今回アラル海を訪れたのは、今後の大規模植林に向けて試験的にサクサウールの苗木を植え、成長の度合いを確認することが目的です。

    ここで改めて、緑化プロジェクトで大活躍する植物の紹介です。

    「ウズベキスタン沙漠化防止プロジェクト」では、アラル海にサクサウール(樹木)を植え、ニクジュヨウ(薬草)を育てることで、沙漠化の防止と住民の所得向上を目指します。

    〇サクサウールとは?

    学術名:Haloxylon aphylium lljin(Hals=塩、xylon=木材、a=ない、phylium=葉)

    つまり「塩に強い葉の無い灌木」!

    アカザ科に属する灌木(樹木よりも背丈の小さい木本植物)で、成長すると10mほどになります。サクサウールが育つのに適した環境は、年降水量100㎜(日本は1718㎜)、-40~50度で育つことができます。(*石田紀郎 「干上がったアラル海のリハビリテーションー植林」) 

    沙漠の塩害にもってこいの木ですね。

    この木は燃料用として有能なことから過度な伐採をされてしまったことも、沙漠化が広まった理由の1つなんです。

    表面は白っぽくて、肌触りは小さい凹凸があるのでざらっとしています。写真からも分かる通り、低い位置で枝分かれがあり枝数もとても多いです。ワシャッと生えている、そんなイメージでしょうか?笑

    樹皮は白く、ザラザラとしています。こんなに大きくなるんですね!

    〇ニクジュヨウとは?

    学術名:Cistanche(英語でシスタンチャと呼んでます)

    ハマウツボ科の植物で、先ほどのサクサウールなどに寄生するんです!滋養強壮効果があるとして、茎を乾燥させたものが漢方薬として使われています。日本で売られている養命酒やゼナなど、身近な商品にも使われていますよ~!

    ニクジュヨウが芽を出すのは来月。私もまだお目にかかれていないので、これから見られるのが楽しみです!

    見た目はゴジラの背中みたいですが、実物はいかに…

    さて、今回のアラル海視察では、サクサウールの苗木を植えて参りました。

    アラル海への道中には、ラクダや牛、馬がいて、映画の世界が広がっていました。

    そんなこんなでアラル海に到着。

    今回の植林には、カラカルパクスタン農業大学の学生が30人ほど手伝ってくれました。1800本、穴を掘り、苗木を植え、水トランクから水を運び1本ずつ水やりをして…

    学生さんが炎天下の中、ひたすら穴を掘り、苗を植え、水を与えてくれました。

    私もバケツで水を運びましたが、いや~重かったです。

    一番奥に植えた苗木なんかは、トラックから100m以上離れていました。

    炎天下の中、3時間もの間サクサウールを植えてくれた皆さんに感謝です。

    また、今回はそれと同時に、乾燥地でも植物が水を吸収できるよう、水を保持してくれる高吸水性ポリマーを使った植林も一部行いました。

    名前だけ聞くと難しそうなポリマーも、私たちの身の回りで沢山使われています!

    紙おむつやゲル芳香剤、使い捨てカイロ、などなど…結構身近にありました。

    ポリマーの有無や種類の違いでサクサウールの成長がどれだけ変わるのか、今後が楽しみです。

    白い粉上のポリマーですが、水にいれてしばらく待つと…
    このようにジェル状になります!これをサクサウールの根に撒きました。
    無事に植林終了!皆さんお疲れ様でした。

    植林の後には、アラル海のかつての様子を保存している美術館を訪れました。

    もともとアラル海周辺は、漁業が盛んな地域でした。

    当時は海の港のように沢山の舟が出入りし魚が沢山獲れていたこと、それで生計を成り立たせていた村があったことが分かりました。

    日本の震災や公害問題もそうですが、過去に起きた悲惨な問題は、月日が経つにつれて忘れ去られていってしまうことも少なからずあるのではないかと思っています。

    教科書で読むだけでは記憶に残りにくいというのも事実かなと…

    そういう意味では、アラル海の近くに当時の写真や絵画がみられる美術館があることで、当時の様子を想像しながら現場を見られるというのは、とても大事なことだと改めて感じました。

    ここには魚などの生き物が沢山いた、そしてそれを獲って暮らしている人たちがいた。

    この事実は、ずっと胸に留めておきたいです。

    60年前の漁船。この奥には、アラル海が僅かに残っているそうです。(見えませんでしたが)
    砂の中に貝殻だー!
    植林後の学生さんによる手作りプロフは最高でした。マザレ!(カラカルパク語で「美味しい」です)

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