2022年7月1日

私たちが本当のグラスルーツです~マングローブ植林プロジェクト現場の視察を通じて~③

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  • ②の続き

    インドネシア駐在員の大垣です。

    出張の次なる目的地であるジェパラでは、はじめにマングローブ植林サイトを視察しました。以前は海岸から2km先まで土壌があったそうですが、ここ20年の侵食の影響により、80家族が移住を余儀なくされ、村があった場所は海の一部と化していました。オイスカの事業で海岸沿いに植えられたマングローブは、海岸侵食を食い止め、周辺地域を守るための大切な役割を果たしています。

    ジェパラで驚いたことは、半島のような海岸に東と西からの海流に乗って流れ着く流木の量です。大きな流木はマングローブの個体にダメージを与え、新しく植林したマングローブの生育にとっては脅威となります。現場ではそのような状況下でも、植林グループや地域住民、青年グループ等がマングローブ林を守るためにボランティアで漂流ゴミの回収作業を行っています。オイスカはこれまで、植林活動だけでなく、保全活動やEco-DRRをテーマにしたワークショップ等を実施してきましたが、少しずつ住民たちの意識啓発にも寄与していることが感じ取れました。

    マングローブの森の恵みを受けて、潮干狩りをする村人

    植林サイトを訪問後は、「子供の森」計画(CFP)に参加している農業専門学校を視察し、校長先生とお話する機会がありました。お話の中で、CFPを通じて環境を守る心を育むことの大切さを熱弁して下さり、校長先生が自主的に取り組んでいるリサイクル活動についても知ることができました。

    実はジェパラは彫刻で有名な地域です。上述で流木の話に触れましたが、校長先生は流木を利用した彫刻品リサイクルに取り組んでいます。作品を見せていただきましたが、海岸ではゴミとして扱われる流木がインドネシアの象徴ガルーダに生まれ変わっていました。ゴミとしてみるか、リソースとしてみるか、捉え方ひとつで大きく変わります。オイスカのマングローブ植林プロジェクトは、全国7県で実施しています。それぞれの地域の特性・強みを活かした取り組みを行い、住民参加を促すことが、持続的な保全活動のためにも役立つのだと、駐在中の今後の活動におけるヒントを得ることができました。

    ガルーダに生まれ変わった流木

    その後、CFPの植林活動を見るために校庭を散策しました。青々とした木々が育ち、中にはオイスカ浜松国際高校(旧オイスカ高校)の生徒さんたちが2018年に同校を訪れた際に植えたマングローブが立派に育っていました。現在ではおそらく成人されていると思いますが、学校でも彼らの想い出のつまったマングローブが着々と成長を続けています。

    CFP参加校でのモニタリング。
    背景はオイスカ高校の生徒さん達が植えたマングローブ

    ④に続く

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