すっかり春めいてきました。桜の開花が待ち遠しいです
啓発普及部の鈴木です。
「うわっ!でっかい」
空間いっぱいに広がる力強く、深く濃い茶色の自然の造形
陸前高田の奇跡の一本松の根っこ
11年前の3月11日、陸前高田市の高田松原をのみ込んだ大津波に耐えた
あの木の根っこ
3月11日から、東京の紀尾井清堂で「奇跡の一本松の根」展がはじまり、初日の11日に見学しました。
知らずに見た人にはただのでっかい根っこ。
でも、この根っこは希望の光としてどれだけ多くの人の心の支えとなってきたことだろう。
この松の前でどれだけ多くの人が手を合わせただろう。
そう思うと、神々しく、ただの根っことは思えなくなります。
根っこの先を見上げると28メートルの巨木が見えてくるよう。
28メートルを支える幹は想像以上に太く、根っこと幹の境のあたりは1メートルほどの太さがあるだろうか。
遠方からの写真や映像でのイメージしかなかった私は、勝手に、大人が抱えられるくらいの太さだろうと想像していた。その太さに驚きました。
『奇跡の一本松保存プロジェクト』で幹の中心部くりぬきを担われた製材所の方が、
「(奇跡の一本松は)銘木です。間違いなく銘木です。銘木だから1本だけ生き残ったのだと思います。」
と、NHK制作の映像で語っていたのが印象的でした。
海岸林再生プロジェクトは、今年1月、苗木を植えて育てる第一フェーズから、伐って育てる第二フェーズに入っています。
植栽から8年弱、個体差はありますが大きいもので5メートルほどに大きく成長したクロマツは、隣木との間が密になってきたため、間伐することで隣木との間隔を空け、成長を促さなければなりません。
名取のクロマツは、すべての木が銘木、そう言われるようになるまで、まだまだ何十年も、いやいや100年以上もかかることでしょう。その礎をつくることが、今、海岸林の再生に携わる私たちの役目だろうと思います。
一見するとただの根っこですが、
根っこを通して見えてくるものがたくさんあります。
「奇跡の一本松の根」展は、来年の2月9日まで東京都千代田区の紀尾井清堂で開催されています。観覧料は無料です。
根っこを展示している建物の雰囲気もとても素敵です。
ぜひ、足を運んでみてください。
子どもを連れて、この春休みにもう一度行ってみたいと思っています。