インドネシアから大垣です。
出会いもあれば、別れもある、一期一会という言葉が心に沁みます。この度、20年間以上インドネシアに駐在され、多方面で多大な実績を残されてきた中垣駐在代表、アダ駐在員が日本に帰国されました。
何より20年以上!という期間が驚きです!オイスカの駐在は他の団体と比較しても長く、パプアニューギニアの荏原さんは28年!、フィリピン・バゴ研修センターの渡辺先生は50年!!!という、“共に生きる”を信念に、首都ではなく農村の現場に住みながら、長い年月をかけて信頼関係を築き、活動を展開されています。農村出身の若者達がそのような駐在員の下で薫陶を受けながら農業・農村開発を学び、研修終了後には“師弟の絆”で地域発のプロジェクトを展開しているのがオイスカの強みであり、魅力だと思います。
インドネシアでは大型プロジェクトも多く、現地の方々と深い信頼関係が無ければ、これほどの成果を遺すのが困難であることは、私でも想像がつきます。例えば、東京海上日動様のご支援を受けたマングローブ植林プロジェクトでは、これまでに3600ha(東京ドーム680個分)の“海の森”が蘇り、1993年に開始した環境教育プログラム「子供の森」計画でも、これまでに国内473校(2021年時点)が参加し、現在は国内各地80の小中高等学校で持続的に環境を守り、育てようという心が育まれ続けています。
そして外務省NGO連携無償支援(以下、N蓮)。過去には主婦の能力強化を通じた生計向上プロジェクトや、現在進行中スンダ族の伝統コミュニティ、カセプハンにおける「伝統的生活様式を守って生活する共同体の生活基盤の整備と生活環境の改善」プロジェクトなど、オイスカ研修センターで育った卒業生達が中垣ご夫妻達との見事なコラボレーションで素晴らしい成果を挙げています。オイスカインドネシアのチームワークには本当に感無量です。
私は1月の初めにスカブミ研修センターに後任として赴任し、中垣ご夫妻の下で引き継ぎ業務に取り組んできました。私はまだ全容は見えていませんが、駐在員はプロジェクトの実施管理だけでなく、研修センターの運営や渉外も担うため、業務量は本当に多いと感じています。
それでも朝から夜まで毎日、ご夫妻一緒に仕事に励んでいる先輩方の姿を間近で見れたのは駆け出し?の私にとっては大変良い刺激でした。アカウンタビリティを保つという責任ももちろんですが、何より中垣ご夫妻からはインドネシアに対する愛がいつも身体中から溢れ出ているのを感じました。夫妻パワーで多くの苦難を乗り越えられ、一番の強さは“愛”であることを教えていただいた気がします(ご本人達はそんなつもりはなかったかもしれませんが……笑)
どこへ行ってもオイスカの顔として愛される中垣ご夫妻。日本帰国に向けセンターをご出発された後、スタッフ一同寂しさを感じています。それでも中垣ご夫妻のご尽力によるご功績は、スピリット形を変えてセンターで脈々と受け継がれていくことでしょう。
最後に、残された仕事と6匹の犬。特に犬には既に双方向から2回嚙まれましたが、中垣駐在代表のように京都弁で「ほんまいらんことしかせえへんな。わかっとんのかお前らほんまに。欲しい言うたからあげたのに全然食うてないやん。ええかげんにせえよほんまに。もうわし知らんで」と怒れば多少は大人しくなることがわかりましたので、私はめげません。
上記は冗談として、プロ意識を持ってオイスカ駐在員の姿勢を見せて下さったお二人には心から感謝しています。短い間ではありましたが、学んだことを活かし、頑張りたいと思います。Terima kasih(Terima:受け取る、kasih:愛、インドネシアで有難うの意)!