こんにちは。
先月、フィリピンのバゴ研修センターに赴任しました、中川です。
バゴ研修センターが位置する、ネグロス島は砂糖で有名な島です。今でも砂糖きび畑は多く、収穫された砂糖きびを荷台に乗せている大きなトラックがたくさん走っています。そんなネグロス島は、1980年代の砂糖の国際価格の暴落により一時「飢餓の島」と呼ばれました。1989 年に西ネグロス州政府より協力要請を受けたオイスカは、特に生活苦を強いられた山間地の農民を対象に養蚕の技術指導と普及に着手。砂糖きびプランテーションでの賃金労働者から農民自らが自力による農業者の育成を目指し、養蚕プロジェクトを20年以上行っています。
そして、新たに2019年1月10日から「ネグロスシルク事業を基盤とする養蚕普及全国展開支援事業」が外務省の日本NGO連携無償資金協力により開始されました。詳しくは
こちら
私がバゴ研修センターに赴任して10日ほど経ちますが、既に2回ほど養蚕農家の訪問に同行させて頂きました。
今日は、養蚕農家訪問の様子をお届けしたいと思います。
この日訪問したのは、バゴ市にある、ノエルさん(Mr. Noel Clarito)一家。ノエルさんは、オイスカ研修生のOBで、群馬県で養蚕を学んだ経験もあり、1.5haの大きな桑畑を維持・管理しながら蚕を育てています。桑は蚕のエサになります。「良い桑を育てることが養蚕にとって最も大切なこと!」、フィリピンに来て多くの人が口をそろえて教えてくれました。訪問した日は、ノエルさん、奥さんのアイリーン・ナリートさん、そしてオイスカの研修生1名が作業をされていました。
蚕は、白やゼブラ、グレーなど様々な色の種類の品種があるのですが、ノエルさんの蚕は、112K×S82という白い色の中でも強い品種で、1日に2回エサを与えれば良いという特徴を持っています。(ゼブラは1日に4~5回エサを与えなければなりません。)訪問した日の蚕は、5齢(蚕は脱皮を繰り返して大きくなり、1齢~5齢で表します)の5日目で、あと2日で繭をつくり始めるところでした。本当に大きく成長した蚕は、桑の葉をたくさん食べていました。
ノエルさんにとって、養蚕は主な収入源。真面目な性格のノエルさんと奥さんによって、とても大きなモデル養蚕農家になっています。まだまだネグロスでの生活は始まったばかりですが、学びの多い毎日です。