こんにちは!バゴ研修センターの中川です。
先日、インターン生が前後編にわたる素敵なブログ(前編/後編)で、バゴ研修センターの養蚕事業と、そこから生まれた製品について発信されていましたが、今回はその製品ができるまでの過程を、実際に私が研修センターで体験した様子(今回は桑畑の管理~繭の収穫までに焦点を置いています)を通して、ご紹介したいと思います。
養蚕事業は、蚕の重要な栄養源となる桑の栽培と桑畑の管理から始まります。バゴ研修センターには広大な桑畑があり、7月からスタッフみんなで剪定に励みました。太陽の下での作業は大変でしたが、こまめに休憩をとりながら作業を進めました!
次に、蚕への給桑(蚕への餌やり)です。蚕は桑しか食べず、桑による栄養補給と眠(眠っている状態)を繰り返して大きくなります。成長度合いを「齢(れい)」と表し、全部で1~5齢です(蚕は大きくなるごとに脱皮をします。初めの脱皮後に2齢、次の脱皮で3齢となり、全部で4回脱皮をします)。給桑は良い繭をつくるための重要なポイント。蚕の成長過程などによって給桑の方法は変わりますが、特に小さい時(1~2齢)は、桑の葉を小さく切って給桑する方法もあります。
蚕の成長度合いに伴って部屋が移ります。定期的に桑に石灰をかけます※。石灰の方法は、スタッフや蚕の成長具合によっても異なります。石灰の作業の後は、手が真っ白になりました!
(※石灰をかけることで、消毒を行うとともに、桑を萎れさせて、眠の状態からはやく目覚めた蚕が桑を食べて先に成長しないようにするねらいがあります。また、桑の葉の乾燥を促進するなどの効果があります。そうすることで、蚕の成長を均一にコントロールします。)
蚕が大きく成長すればするほど、桑を食べる量が増えるので、給桑の頻度と量が増え、ますます忙しくなります!!時には土日祝日、また早朝、深夜などの時間を関係なく給桑しなければなりません。桑は、葉だけでなく枝ごとに分けて、まんべんなく行き渡るように置いていきます。一見桑を与えるだけの簡単に見える作業ですが、私は扇風機がないこの部屋での慣れない作業に沢山汗をかきました。
繭ができたら、蔟(まぶし)と呼ばれる、蚕が繭を作りやすいようウェーブ状になっているネットから、ひとつひとつ繭を取り外します。この後、繭をきれいにして製糸の工程を経て生糸となり、そして機織り等で加工していくことでショールなどの製品を完成させていきます。
このように、養蚕事業には多くの工程があり、バゴ研修センターでは、日々スタッフが取り組んでいます。
今回は、桑畑の管理から繭の収穫までに焦点を置いてご紹介しましたが、もし機会がありましたらこの後の工程もぜひご紹介したいと思います♩ 製品ができるまでには多くの工程が必要となりますが、桑の栽培から、蚕の飼育、繭の収穫、そして製糸の工程を経て生糸の生産、機織りをして商品の製作という一連の流れを一つの場所で行っているのは、世界の中でここ!オイスカ・バゴ研修センターだけ!! もし、いつか私たちの商品を手に取って頂ける機会がありましたら、これらのバックグラウンドを少しでもイメージして頂けたら幸いです。
~実際に体験した感想~
今回、コロナウイルス感染症の影響を受けて、予定していたツアーの中止が決まったり、外出制限によりなかなか外に出れなかったりと、歯がゆい思いをすることが多くありました。
その分、なにかセンターの中でできることはないかと思い、普段事務所にいることが多いのですが、記録を兼ねて実際に養蚕事業の活動に参加する時間を少し増やしました。スタッフの皆さんに教わりながらやってみると、思っていたよりも難しく大変でしたが、その分新しい発見も多かったです。実際には、ここに書ききれない多くの工程があり、私にはまだ理解できていない難しさが沢山あるのだと思います。蚕という、とっても小さく繊細で命のあるものを育てることは、本当に細心の注意を払う必要があることを実感しました。
この投稿が少しでもバゴ研修センターでの活動また養蚕事業の理解に繋がったら嬉しいです。