広報室倉本です。
12月12日(水)、タイの「子供の森」計画において助成を受けている積水ハウス株式会社の「積水ハウス エコ・ファースト パーク」3周年シンポジウムに参加して参りました。
積水ハウスさんは、平成20年に環境省より業界初の「エコ・ファースト企業」として認定を受けられており、生態系やCO2排出量削減などに配慮した「エコ・ファーストの約束」を設定するなど、さまざまな環境保全活動に取り組まれています。そうした活動の歴史や、2008年の洞爺湖サミットで展示された地球温暖化対策に特化した「ゼロエミッションハウス」など、同社の環境活動の象徴する施設を結集して2015年に開設されたのが「積水ハウス エコ・ファースト パーク」です。「一般の方はもちろん、次世代の子どもたちが環境について学ぶ場となるように」と設けられたこともあり、子どもたちにも楽しく分かりやすく同社の環境活動について学べるよう体験型の見学も行われているとのことでした。
当日、シンポジウムの前にパーク内の施設を見学させていただいたのですが、パーク内に併設されている資源循環施設はもちろん、環境実験住宅では最先端技術と環境保全が結びついた生活を垣間見ることができ、「住」の視点から環境問題を考える上でとても学びの多い新しい「学校」となっていることが感じ取れました。
残念ながら施設内は写真不可なので画像でお伝えすることができませんが、全部で5つある施設では「エコ・ファーストの約束」で取り上げられている3つの環境保全活動(温暖化対策、生物多様性、資源循環)を全て見学することができました。
資源循環施設(資源の泉)では、資源の無駄を無くすために建築廃棄物を100%リサイクルされているとのことで、パネルを前に、リサイクルの流れを説明していただいた後、廃棄物の分別・分解の作業を実際に目の前に見ることができました。例として畳の解体も拝見させていただきましたが、畳一枚でもさまざまな材料が使われており、それを資源として再利用するために人の手による作業が組み込まれていると学べると同時に、子どもたち向けに、10分の1サイズの畳を解体する体験ができるそうで、とても印象に残る学習になるのではないかと思いました。また、こちらでは廃材と卵の殻を使ったグラウンドのライン材を開発し、実際に環境(芝)に良いことと、粉の重量が重く作られていることから風で飛びにくく評価されていることも伺いました。
生物多様性の保全の取り組みとしては、「生きものの庭」として、里山をお手本に日本の在来種を植え、水辺をつくることで生きものの住処も提供しているとのことでした。また、土壌を生き物にとって良いものとするためにわざと落ち葉を残しておくなどの工夫もされており、説明してくださった担当の方の環境への理解と配慮を強く感じることが出来ました。
最後に地球温暖化対策として、3棟環境実験住宅が並び、家族の健康状態をモニタで確認できたり、買った商品の情報を一瞬で確認できたりと最新技術が取り込まれている一方、構造の工夫による寒暖調節や電力の自給、また家屋内の野菜栽培の機械まで、自然と調和し環境に配慮した造りとなっており、理想の住環境について考えさせられるような見学となりました。
企業の環境保全の取り組みを通じて、建築廃棄物の処理や活用、自然と調和したこれからの住環境を学ぶにあたって、「子供の森」計画親善大使の訪問が叶えば刺激になるのかな……?と思います。
また、この日それぞれの施設でご説明してくださった方々の上着には、オイスカ誌12月号でも取り上げたSDGsのバッジが付けられており、なぜだかとても嬉しく感じました。
活動の場は違っても共通の目標があることで、何か力強く感じられることもあるのですね。