こんにちは。四国から池田です。
みなさんは、“アースデイ”ってご存知でしょうか?
日本では1990年から毎年4月を中心に実施されている取り組みですが、民族や国籍・信条・政党・ 宗派をこえて、誰もがその人なりの方法で、地球の環境を守る意思表示をする国際連帯行動の日で、 世界中のさまざまな国や地域では4月22日、自分達の住む地球のことや一緒に住むあらゆる生物 のことを皆で考える日とされています。
オイスカでも、この日に行事を行う組織があるようですが、 私が住んでいる香川県では、民間有志メンバーの企画された行事が5月31日(日)に豊島(てしま) で開催され、初めて参加させていただきました。
【高松港から高速船で約40分。穏やかな瀬戸内海に浮かぶ、のどかな島ですが、実は・・・。】
豊島(てしま)といえば聞き覚えのある方も多いのでは? そう、日本最大規模の有害産業廃棄物不法投棄、いわゆる「豊島事件」が起きた島です。
1975年 から1990年までの16年間、90万トンを超える産業廃棄物が不法に投棄された上に 野焼きされたため島民にぜんそく等の深刻な健康被害をもたらし、また、 土壌や水の汚染が広がったため大切に 受け継がれてきた豊かな自然が破壊されてしまったのです。
「平成の鬼平」と呼ばれた故中坊公平弁護団長の指揮の下、島民が一致団結して公害調停を申請。 長く苦しい闘いの末、2000年に県との間で最終合意が成立して廃棄物処理が始まったのですが、 10年以上を経た今も、地中深くからドラム缶が見つかったり予測不能な事態が頻発したりして、 最終的にいつ撤去が完遂するのか未だに見通しは立っていないそうです。
そのような現状ですが、 島民の皆さんの願いはただ一点。 日本で最初に指定された国立公園の中心地である豊島を もとの 美しい「白砂青松」の姿に戻し、豊かな島を次の世代に渡すこと、それだけです。
当日は早朝に島へ渡り、島民の方々と海岸清掃活動を行った後、 豊島事件の経緯と廃棄物処理の 現状、そして再生に向けての取り組み等について 説明いただきました。
白砂青松を取り戻す……オイスカは東日本大震災復興支援活動 「海岸林再生プロジェクト」に取り 組んでいますが、こちら瀬戸内海に浮かぶ豊島でも、 ふるさと再生への取り組みが行われています。