海岸林担当の吉田です。
去年中盤から、海外に関わることになりました。
ECO-DRRとは「(森林など)生態系を活用した防災・減災」。
フィリピン・アブラ州出張で、このECO-DRRと近年の台風の威力について考えされられました。
また、1990年代と変わらず、希望する家庭の子どもたちにマンゴなどの苗を自宅で育ててもらい、
実ができたら、ドライマンゴ用に買い取って、代金を奨学金にしてもらう様子も見聞。
大人は大人で、幹線道路沿いに防風と被陰を兼ねて街路樹を植えたり、村の森を作ったりしていました。
一方で「子供の森」計画は発展はしていましたが、防風の方法論はあまり語られてない模様。
新人時分、外国人スタッフの「林業研修」で、有名な「三芳新田」(関越道「三芳PA」付近)に
同行させてもらったことがあります。屋敷と薪炭林と圃場が、見事に短冊状になっています。
似た風景は、いわゆる「武蔵野」、五日市街道沿いにも見られます。
私にとって屋敷林と言うと、なんと言っても宮城の「居久根」ですが、
13歳ながら筋力があるチビ犬の散歩を兼ねて、3時間ぐらい屋敷林巡り。
今日も、秩父山地から吹き降ろす北西の冷たい風から家を守っていました。
相変わらず圧倒される五日市街道のケヤキ。計測すると26mというものもありました。
切り倒されたばかりの杉の樹齢は80年以上。これらは建築材として将来に期待しただろう。
その下に多くの常緑低木や竹など。
畑でおじいさんに聞いたら「堆肥は屋敷林の落ち葉を十分利用している」(当然)
「屋敷林は手入れも必要だけど、家の痛みも遅くなる」
せっかく作った良い土が飛んで無くなり、道路も埋めて迷惑かけぬよう、
茶やツツジなどの低木を使った「畑の生垣」で止めていました。
「かなりイイでしょ」「昔からの知恵」とおじいさん得意気。
大きい造林も大事ですが、身近で、誰にでもできて、実益にも直結することも大事。
「子供の森」計画の支援校を起点に、屋敷林、村を守る「輪中」的防風林もアリ。
樹種選定や、植え方指導はもちろん、集落デザインを描くことが重要です。
防風対策は「複層林」に仕立てたい。