2019年9月9日

国際協力の日のつどい 登壇スタッフ紹介①

  • ECO-DRR
  • 本部スタッフ
  • 本部・海外事業部の長です。

    10月1日に開催予定の「国際協力の日のつどい」で
    砂漠緑化の取り組みについて紹介する
    中国・内モンゴルのオイスカ阿拉善砂漠生態研究研修センター
    の所長を務める冨樫智をご紹介します!

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    冨樫さん(ここからは敬称付きで失礼します)は、
    2001年から中国・内モンゴル自治区において、
    砂漠緑化にかかわってきました。

    この地にあるオイスカ阿拉善砂漠生態研究研修センターの
    所長としてこれまでに約207万本、1400ha の緑化を行ってきました。
    内モンゴルは黄砂の発生源となっており、緑化によって
    砂漠化を止めるとともに、日本への黄砂被害を減らしたいとの
    思いもあってこれまで、活動をしてきました。

    彼は農学博士(専門は林学・土壌学)で
    千葉大の研究員・非常勤講師もしています。
    また中国国内の大学で客員講師などもしており、
    砂漠緑化の研究・実践においては第一人者の1人でもあります。
    しかし、とても気さくで、飄々としていて、
    まったく偉そうには見えません(失礼)。 

    私生活では小学生になる2人の男のお父さん。
    ちなみに奥さんとお子さん2人は日本で暮らしているため、
    ちょくちょく日本にも帰ってきます。

    そんな冨樫さんが、砂漠緑化で心がけているのが住民への裨益・巻き込みです。
    砂漠緑化の主要樹種である俊俊(ソウソウ)と呼ばれる木の
    植林に際して行っている工夫がその代表的な事例です。
    俊俊の根に寄生するニクジュヨウという漢方薬の原料となる植物を
    人工寄生する方法を開発し、成果を上げています。
    自然界でのニクジュヨウの寄生率は10%程度だそうですが、
    彼が開発した人工的な方法で寄生させると、90%まで向上。
    これだけ高い寄生率だと、ニクジュヨウの収穫により、
    住民は大きな収入を得ることが十分に可能になります。
    かくして現在では、多くの住民(内モンゴル自治区内のモンゴル民族)が、
    俊俊の植林とニクジュヨウの人工寄生を行うようになったそうです。
    寄生し、大きく育ったニクジュヨウ(の原料となる植物)
    寄生し、大きく育ったニクジュヨウ(の原料となる植物)
     
    また、2015年からは、中央アジアのウズベキスタンでも
    砂漠緑化に取り組んでいます。緯度がほぼ同じで、
    植生もほぼ同じであるため、内モンゴルでのノウハウが生かせるそうです。 
    彼の研究・開発はニクジュヨウの人工寄生だけではありません。
    先日帰国した際、あるものを使ったらソウソウの活着率が
    大幅に向上したという報告をしてきました。

    さて、その「あるもの」とは何でしょうか? 
    答えは、10月1日の「国際協力の日のつどい」で聞けると思います。
    是非冨樫さんの興味深いお話を聞きにいらしてください!

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