海岸林再生プロジェクト担当の吉田です。
10月4日Eco-DRR研修で、一行とともに「洞口家住宅」(国重要文化財)の居久根(いぐね)を
視察に行きました。名取事務所から車で5分程度ながら、ボランティアの皆さんと行動をともにする
経路からは大きく外れており、特定の目的の人だけは年に数回ご案内します。
ここの大奥さまは、私にすれば農村女性グループの重鎮。
海岸林の寄付者でもあり、植樹祭にも毎年来てくださっていました。
手を煩わせるので、人を案内するときはいつもノーアポ。
ですが、今回はドンピシャリ。
「クロマツ、よく育ってるわね~。ごくろうさま」
あの感じからして、最近見てくださった感じ。あの奥様に褒められるのは、かなり嬉しい!
海外の皆さんや中野理事長に、居久根がいかに多機能で、農家にとっていかに大事か、
説明を買って出てくださいました。いつも通りシャープな話っぷり。
奥様が強調したのは、土づくりに常に落ち葉などを使っていること、
四季折々の食べ物が得られること、
冬は北西風の蔵王おろしから守られ、縁側は陽だまりとなり、夏は冷風が室内に入ってくること。
この家も200年前に屋敷林の木で作ったと。家の周りには水路もあり、水害防止にの措置もある。
名取の農村で、居久根について聞くと、十中八九「管理が大変」と言われます。
落ち葉で雨どいが詰まるし、屋根が腐りやすくなる。林の中は藪化してしまうと。
住宅は頑丈で、気密性が高くなり、50年前の燃料革命後は無用の長物化と。
ですが、海外でも、居久根の知恵は役立つと思います。
【参考】
NHKハイビジョンスペシャル イグネ~仙台平野に浮かぶ緑の島~ (2002年放送・3分)
日本経済新聞HP動画 屋敷林のある家 ~富山県砺波平野~(2015年放送・3分)
*Eco-DRRとは「(森林など)生態系を活用した防災・減災」