本部・海外事業部の藤井です。
今回はオイスカの研修を修了したOBについてです。
今回の20周年記念行事では、多くの研修生OB達が準備から運営まで
大車輪の活躍をしている姿が見られました。
大半はオイスカ研修センターに勤務しているスタッフ達ですが、
外部からもこの日のためにお手伝いに来ているOBもいました。
オイスカ活動と言えば特に人材育成に力を入れており、
これまでのミャンマーの場合も、農村リーダーとなれる人材を育成し、
彼らと共に農村開発に取り組んできた20年間であったと言えます。
ここで、ミャンマーでの研修について紹介すると、
1997年の研修センター開所以来、2015年度までで354名の研修生が修了しました。
354名の卒業後の進路は以下の通りです。
・ミャンマー政府職員:42名
・オイスカ研修センター職員:34名
・日本のオイスカ研修センターで研修中:4名
・NGO他団体の職員:20名
・一般企業の従業員:22名
・海外で勤務:24名
・第3次産業の従事:8名
・畜産業に従事:66名
・農業に従事:134名
また、上記の内、75名が選抜され訪日研修を受けました。
またミャンマーでの活動パートナーであるミャンマー政府の
農業局等の職員24名もオイスカの訪日研修を受けました。
研修センターの職員は、ここ数年は大体30名~40名ぐらいで推移していますが、
やはり多いのは自分の故郷に戻り第一次産業に従事している卒業生で、
全体の約6割に上ります。彼らはオイスカで学んだ様々な技術や
精神を故郷で伝えてくれています。
今回は、普段これまで紹介してこなかった研修生OBの声を紹介します。
それはオイスカがミャンマーで活動をする際のパートナーで、農業灌漑畜産省の農業計画局次長のチョー・スエ・リン氏です。現在、彼は農業計画局のNo2として、ミャンマー政府の農業政策全般を担当する重要な官僚になっていますが、彼は1996年にオイスカがミャンマーからの第一号として日本に送り出した研修生でした。
当時はオイスカ研修センターが開所する前(1997年7月開所)でしたので、まずミャンマー政府からの派遣研修生として彼が選ばれました。
彼は西日本研修センターでの約10ヵ月間の研修を終えてから職場に復職し、それから約20年が経過。そして、今回の20周年記念式典内の挨拶で、樋口駐ミャンマー日本国全権大使から、現在の日本政府の対ミャンマー農業政策の窓口として信頼のおける一人と名前が紹介される存在になっていました。
私は今回の訪問で彼に始めて会ったのですが、その際、
「西日本センターでお世話になった先生方は皆さんお元気ですか」
「オイスカの研修にはとても感謝している」
「自分の体の中にはオイスカで勉強した精神が残っていたから これまで頑張れた」
と、次々と彼の口からオイスカへの感謝の言葉が出てきました。
そして、現在日本政府からも一目置かれる存在の彼から
自分は“オイスカ育ちだ”と誇らしげに話す彼の言葉を聞いた時は感動ですらありました。
また、彼の様に卒業以来オイスカから離れていても、
オイスカで学んだ事を糧に頑張ってきた人が政府内にもいる事を知り、
他のOB達もきっと、それぞれの場で同じ思いで活動してくれているという思いを強くしました。