(前回のブログ)
パプアニューギニア駐在代表の荏原です。
最後にリソースセンター設置のために現在取り組んでいることと、その課題についてお話します。
東ニューブリテン州内で5ヵ所のリソースセンターを根付かせるため、2022年度内にテスト的に1ヵ所を設置し、運営に取り掛かります。環境に配慮しつつ、青年たちに魅力的な儲かる農業を地域住民に講習するには、施肥の量や種類、方法、土壌のPH、窒素分などの細かい記録に基づく指導が必要になりますが、ラバウルエコテック研修センターのスタッフにも記録の重要性が十分理解されていません。
そのため、研修センターでは、栽培ごとのデータの記録と分析と評価をすることの重要性を指導し、記録を取る事が習慣となるよう指導していきたいと思います。また、温湿度計、PHや土壌成分、そして重さを計測する簡易的な測定器が不足していることも課題となっています。
・除草剤を使わないで農場での作業効率をあげるために使用している除草器は、余り使い勝手が良くありません。一定間隔ごとに種をまく手押し式の種まき器があれば播種の労力が簡素化されるのですが、パプアニューギニアでは手に入りません。例えば、壊れた自転車の車輪等を用いて研修センターでベターな播まき器や除草器等の農器具の製作に取り組みたいと考えています。
・人手不足と資金不足のため、十分な堆肥やボカシなどの有機資材を入れることができず、圃場の地力が低下し、収量が減っています。
・スタッフの定着率の低さも課題です。特に、コロナ禍となり研修センターでの農村青年への研修が実施できないため、来日研修生が帰国後に指導員スタッフとして活躍する場が無くなってしまい、退職するケースが増えています。
このように、さまざまな課題はありますが、これらを乗り越え、目指す未来に向けて、これからも努力して取り組んでいきます。
今後も、皆さまのあたたかい応援をどうぞよろしくお願いします。
「例えば、あなたの寄附で、できること」
【3,000円で】養豚研修の親豚となる子豚一匹を購入できます。
【30,000円で】高品質なカカオ豆の生産につながる「プラスチックドラム缶発酵槽1セット」を加工製作でき、農民の生計向上に役立ちます。
チョコレートの原料となるカカオ豆は、発酵後に加工されます。均一に発酵させるために木箱内に広げたカカオ豆をシャベルで切り返します。この時、人の重みで潰れてしまう豆があり、良質なものになりません。また、労力も大きく成人男性の作業となっています。プラスチックドラム缶発酵槽は、回転させることで子どもや女性でも簡単に混ぜることができ、豆がつぶれることないため、高品質のカカオ豆の生産につながります。
【50,000円で】石鹸用苛性ソーダ3kg、石鹸の型20ケ、バケツなど石鹸作りのための器具一式を3セット揃える事ができ、過疎地までの運送代を賄えます。マーケットがある町に出るために何時間、場所により数日もかかる過疎地では、石鹸を手に入れることも難しい状況です。
苛性ソーダがあれば自分たちでココナッツオイルを作り、手作り石鹸を作ることができます。