2021年7月27日

【複雑な心境】ミャンマーは今大変ですが帰れるのは嬉しい。帰国してから先生として頑張ります。

  • ミャンマー
  • 本部スタッフ
  • ミャンマー支援・緊急募金の募金の詳細などはこちら

    オイスカのミャンマー支援のための緊急募金

    本部・海外事業部の藤井です。

    今回は直接ミャンマー募金に関係した情報ではありませんが、ミャンマー関連についてのお話です。

    少し前のことになりますが、日本で研修を終えたミャンマー人研修生の帰国に立ち会いましたので、その時の様子をご紹介します。

    オイスカは個人・法人含め多くの方々に会員として支えられ活動をしています。その会員企業の中には、オイスカの海外の現場と連携をした取り組みをされている企業もあります。香川県東かがわ市にある(株)クロダもそのような企業の一つです。今から約3年前の2018年、オイスカがミャンマーで研修センターを構える地域に手袋工場を建設されました。工場の開業式典の様子と、クロダ会長の思いは、以下からご覧いただけます。

    クロダミャンマーの工場の開業式典の様子

    貧しい国の人たちが、ずっと貧しいままでいる理由など、どこにもない。(わいがや倶楽部HP)

    クロダミャンマーについて(株式会社クロダHP)

    7月8日(木)、香川県のクロダ本社での研修を終えたテイさんとカイさんの2名の女性がミャンマーに帰国するため、成田空港まで見送りに行ってきました。今回の2名は、2020年2月に1年間の研修に参加するため来日しました。最初の日本語研修や生活習慣など基礎研修を近隣のオイスカ四国研修センターで2ヶ月間行った後、その後、クロダ本社で手袋の技術研修を受けてきました。当初の予定では今年2月に帰国予定だったのですが、コロナ禍に加え、ミャンマー国内の騒乱により帰国が約5ヶ月間延期となり、今回ようやくミャンマー国民の帰国のための救援便への搭乗者に選ばれ帰国となりました。

    2021年7月、ミャンマーの帰国するオイスカ研修生の2人
    成田空港は開幕直前の五輪一色でしたが、2人はあまり知らない様子でした
    2021年7月、ミャンマーに帰国するオイスカ研修生の2人
    成田空港の屋上デッキから。初めて飛行機を間近に見て写真撮影に忙しい2人
    2021年、ミャンマー帰国するオイスカ研修生
    最後の日本での食事で、エビが食べたいとのことで中華料理となりました
    オイスカがミャンマーで事業を実施している中央乾燥地域の村人の様子
    2人のうちテイさん、自分が7年前にミャンマーの事業地を訪問した際に実家で本人に会っており偶然の再会でした

    まず、2人に最初のオイスカ研修センターでの研修について聞いてみました。

    「最初のオイスカ四国研修センターでの2ヶ月間、“掃除をしっかりする” “時間を守る” “仕事の時はまじめに働く” “全部最後まで食事は食べる”など、オイスカの研修センターで学んだことは、全てとてもいい習慣だと思いました。最初に日本での生活習慣や日本人のことを知ることができ、その後のクロダでの研修でもとても役立ちました」

    「来日前に日本語はほとんど勉強せずに来たので、最初は日本語のコミュニケーションがとても困りました。でも、研修センターで日本語の座学や作業をしながら覚えていきました。みなさん、とても親切に教えてくれました」

    そして、今回の研修の目的でもあるクロダの本社での技術研修について聞いてみました。

    「自分たちは、ミャンマーのクロダでも働いていましたが、日本では手袋をつくる材料や技術も違うので最初はとても難しかったです。でも、クロダの日本人の先生達が縫い方や作業の仕方を丁寧に教えてくれたので、一生懸命に勉強しました。限られた時間なので全て完璧ではないですが、大体70%位のことは出来るようになりました」

    そして、今回の日本滞在中にミャンマー国内で起きた混乱のこと、帰国への思いなど聞いてみました。

    「2月1日以降、ミャンマーでの出来事を見るたびにいつも心配でとても悲しい気持ちでした。途中1ヶ月半ぐらい現地と連絡が全く取れないこともありました。現在は、家族と時々携帯電話のSNSなどで連絡を取れていますが、新型コロナウイルスの感染拡大も重なり、ミャンマーに早く戻りたいという気持ちにはなかなかなりませんでした。でも、私たちはミャンマーに戻って技術を指導する責任があるし、自分の家族もいるので、帰らなければいけないと気持ちを切り替えました」

    「帰国後、今回勉強したことを教えるための先生になります。日本で日本人の先生に教わったことを一生懸命現地の人たちに教えて、農村の人達が技術を覚え、出来るようになるまで頑張りたいです」

    最後に、ミャンマーへの帰国前の思いと帰国後の目標を聞いてみました。

    「ミャンマーは今大変な状況ですが、家族もいるのでミャンマーに帰れるのはうれしいです。でも、日本に住んで、この国の習慣や親切でいつも一生懸命に頑張っている日本人のことが大好きになりました。これから、ミャンマーに帰ってから、農村の人達に指導をする責任もあるのでがんばります」

    現在のミャンマーの状況は、新型コロナウイルスの感染拡大と、2月から続く国内の混乱がまだまだ落ち着いているわけではありません。ただ、2人からは、今回の研修で学んだことを帰国後に農村の女性に指導し、村の人達の生活も良くしたいとの強い思いを感じました。きっと、2人なら様々な困難にも負けずに目標に向かって頑張ってくれると思います。帰国後にヤンゴン市内で新型コロナウイルス感染症拡大の対策として10日間の隔離期間を義務付けられていた2人は、先日、無事にヤンゴンでの隔離を終えて、自分の村がある地域に戻ったとの連絡がありました。2人によると、これから村では7日間の自宅隔離期間があるとのことです。とても明るく真面目な様子が伝わってきたテイさん、カイさん、ミャンマー帰国後に先生としてガンバレ!

    最後に、今回帰国した2人や、現地のクロダミャンマーで働く農村の女性は、ほぼ全員がオイスカ研修センターの近隣の村の出身です。そして、長らくオイスカが事業を実施してきた村々でもあります。現在オイスカ支援・緊急募金として集まった寄付金を利用し、この地域を対象地の一つとして活動を実施していく予定です。彼女達の家族や地域の人々の生活を支え、未来への希望となるように、引き続き、オイスカはミャンマー支援・緊急募金に取り組んでいきますので、みなさまのあたたかいご支援とご協力、宜しくお願いいたします。

    7/15のミャンマー農村の現状報告会をまだご覧になっていない方は、ぜひこちら↓をご覧ください。

    アーカイブ