海外事業部の吉岡です。
昨日に続き、5月12日から16日にかけて実施した「タイ・ラノーン訪日研修」の様子をレポートします。
【5月13日(研修3日目)】
この日は、自然災害、気候変動によって変化する海洋・沿岸環境に対し、NGOと行政が「協働」し、市民参加を得て、どのような復興、環境保全活動を行なっているかを体験するため、全日、名取市海岸林再生プロジェクトの現場でボランティア活動を行いました。
午前中は、マツの苗120本の補植作業を実施。午後は、日本のボランティアの皆さん140名と一緒に大型の排水溝200mの溝掘り作業と植地内溝切り作業を行いました。
縦1mの溝掘り作業は大変辛い作業ですが、タイの皆さんは、さすが普段漁業で鍛えた体の持ち主の方が多く、その作業スピードの速さと正確さに日本のボランティアの皆さんは、ビックリしていました。
作業終了後に感想を聞いたところ、
・日本人のみなさんと一緒に作業が出来て大変楽しかった。
・同じ目標に向かって、いろんな人々が協力して楽しんで取り組むことの素晴らしさを学んだ。
・島に帰ってから、今回学んだチームワークを活用して考えてプロジェクトを進めていきます。
・仕事の役割分担の重要性や道具を大切に使うことの必要性を学んだ。
・日本人が数多い天災の被害から、どのように立ち直っているのかを知りたかったが、みんなが笑顔で取り組む姿を見て、今回その答えが分かった。
等、多くの気づきがあったようです。
【5月14日(研修4日目)】
この日は、協同組合の「協働」について学ぶため、毎週日曜日に開催される「ゆりあげ港朝市」へ。朝4:50に朝市へ行き、出店準備を見学。8:00にバーベキューエリアで干物を焼き、朝食。10:00から始まるゆりあげ港朝市名物イベント「競り」に全員で参加しました。初めての体験で初めは緊張していましたが、事前に目星をつけた品物を沢山競り落とすことができ、皆さん大満足の様子でした。
また、朝市の会場内には、朝早くから多くのお客様が来ていましたが、タイの皆さんは、会場内にゴミが落ちてなく大変綺麗で整理整頓が出来ていることやお客様が自らゴミを分別して捨てている姿を見て、大変驚いていました。
その後、トレイルセンターへ移動し、ゆりあげ港朝市協同組合の櫻井理事長から、協同組合の東日本大地震前後の取組みについてレクチャーをしていただきました。
櫻井理事長からの主なメッセージは、以下の通りです。
・東日本大震災前の自分たちは、この地域の自然や産業の良さを理解していなかった。是非、皆さんは、自分の地域の良さを見直して下さい。
・一番大事なことは、皆さんのいる所の良さ(魅力)を発信することです。もっと若い人を使って、SNS等で情報を発信して欲しい。
・マーケットリサーチをすべし。3つのものを真似すると、自分のオリジナルになる。
・まずは、行動を起こせ! しかし、失敗はするが、原因を追求して再度行動すべし。継続が大切。
・1時間以上かけて車で来て、食べて買い物をして楽しめる場所を地域に作って欲しい。必ず成功する。ただし、衛生管理は重要。日本の保健所の基準を真似て欲しい。
等々、プロジェクト成功に向けた多くのヒントを熱く語ってくださいました。東日本大震災で大変な思いをされ、ゼロからここまで再興された方の言葉は、一つ一つ本当に重みがありました。
その後、バスで亘理町B&G海洋センターへ移動し、レクチャーとカヌー体験を行いました。ここでも、カヌーエコツアーの今後に向けて多くの実践的なアドバイスをいただきました。
・数字(実績/結果)が全て。言い訳はしない、数字が全ての評価に値する。行動こそ全てである。
・我々の強みは、SNS。予算をかけずに世界中からお客様を呼べる。
・国、自治体と連携することが大切である。
・SDGsを勉強すべし。これと連携した取り組みをすることで世界とつながる。
・子供たち(小・中学校)との連携も重要である。自然教育にカヌーは一番良いと思っている。
・日本では、カヌー体験は60分コースが一番良い。また、安全管理は、15分で教えること。
さらに、太見代表からは「自らタイに行って、是非アドバイスをしたい」との嬉しいコメントも頂戴しました。
「タイ・ラノーン訪日研修」日記③へ続く……