2023年10月17日

【とにかく社会をよくしたい学生集合!2000年生まれのオイスカ女子と考える国際協力】後編

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  • 国際協力に関心はあるけれど、そのための一歩を踏み出せない。そんな学生を対象に、ウズベキスタンプロジェクト調査員の青山と、学生インターンの中屋、梅本が企画・実施し、10月1日(日)12:45~「グローバルフェスタ2023」のサブステージAにてオンラインイベントを開催しました。その内容を改めて、レポートします。

    前編はこちら

    イベントの概要はこちら

    当日の様子はこちら(YouTube)


    目次

    ー前編ー

    Ⅰ.オープニング

    Ⅱ.「私たちの暮らしが遠く離れた国の人々を苦しめている、、?―インドネシアで目にした深刻な環境破壊の現実―」(中屋)

    1.自己紹介(中屋美里)

    2.なぜ国際協力に関心を持つようになったのか

    3.インドネシアってどんな国?

    4.インドネシアで何が起こっている?

    5.なぜこれほどに深刻な浸水被害が起きているのか

    6.オイスカの住民の方々の暮らしを守るマングローブ植林活動

    7.これまでの経験をどのように活かしていきたいか

    ー後編ー

    Ⅲ.私にとっての国際協力~「20世紀最大の環境破壊」を訪れて~(青山)

    1.自己紹介(青山優菜)

    2.私がウズベキスタンに至るまで

    3.アラル海砂漠化の背景

    4.オイスカとしての取り組み

    5.青山の体験記

    6.私にとっての国際協力

    7.さいごに

    Ⅳ.イベントを終えてみてのそれぞれの感想


    Ⅲ.私にとっての国際協力~「20世紀最大の環境破壊」を訪れて~(青山)

    20世紀最大の環境破壊といわれているウズベキスタンのアラル海を訪れた経験を踏まえて、私の考える国際協力について発表させていただきました!

    1.自己紹介(青山優菜)

    現在、オイスカのウズベキスタン プロジェクト調整員を担当しております、青山です。今年の3月、東京農工大学の農学部を卒業しました。この大学に入学したのは、ただただ自然が大好きでそれに携われる学部に入りたいと思ったからです。好きな食べ物は日本のお米です。今日はよろしくお願いします!

    2.私がウズベキスタンに至るまで

    “ひょんなこと”は、最後にご紹介します

    私が大学2年生の時、大学の授業で私たち先進国は途上国からの搾取によって成り立っていることを知りました。そこから、そんな暮らしから抜け出したいと思うようになりました。3年生で大学の留学制度を使ってタイに行き、オイスカと出会います。そして、オイスカ タイの植林活動に参加させていただき、現場に根差した活動の大切さを痛感し、現場に行きたいと強く思うようになりました。帰国後に、もっといろいろな国際協力の関わり方を知りたいとの思いから、昨年1年間オイスカでインターンをさせていただきました。そんな中で、国際協力への道をあきらめきれず、オイスカの方にもウズベキスタンで活動してみないかと声をかけていただき、大学院進学を辞退し今に至ります。

     とはいえ、「私がウズベキスタンで沙漠緑化に携わる意義はなんなのか」というもやもやが根底にありました。今もその気持ちを少なからず抱いていると思います。ですが、このような発表の機会をいただき、「現地の様子をより多くの人に知ってもらうこと」が私が活動する一つの意義であると思いました。なので、今日はアラル海の問題、そしてそれに対するオイスカの取り組みを皆さんに知ってもらえたらと思います。

    3.アラル海砂漠化の背景

    ウズベキスタンといえば!の写真を集めてみました

     まずはウズベキスタンの国について紹介します!

    ウズベキスタンは、成田空港から西へ7時間ほどいったところにあります。シルクロードの中心地であり、シルクやコットンなどの繊維産業が盛んです。また、古代遺跡も多く、世界遺産に登録されている地域は観光客で賑わっています。そして、一番の特徴は乾燥していることです。砂漠に囲まれており、私が今いる地域では、年間降水量が100㎜程度です。日本の夏1ヵ月間の降水量よりも少ない量しか1年間に降りません。

    湖の底だったとは信じられません
    北海道並だったアラル海、今では四国よりも小さいのです

    そんな国の北西に、アラル海があります。アラル海が干上がり始めた頃は、北海道よりも小さいくらいの面積(1977年で67,000㎢)でした。しかし、40年後の2017年には四国よりも小さい面積(13,900㎢)にまで縮小してしまいました。

     それでは、どうしてアラル海はここまで干上がってしまったのでしょうか。アラル海は、アムダリアとシルダリアという2つの川から水が流入して構成されています。しかし、60年ほど前から綿花や小麦などの大規模栽培が始まったことで、二つの河川から水を使うようになりました。それにより、アラル海に流入する水量が減り、干上がってしまったのです。

    アラル海の博物館で飾られていた70年前の様子です

     続いて、アラル海の沙漠化によってどのような問題が起こったのか見て行きましょう。上の写真は70年前の様子です。アラル海には魚が多く生息しており、漁業が盛んでした。しかし、今では魚はおらず漁業は消滅してしまいました。これにより、現地住民の収入が低下したことが、1つ目の問題です。2つ目は、健康被害です。こちらはアラル海で私が撮影した砂嵐です。白い砂が巻き上がっているのが特徴です。これは、砂漠化によってアラル海の表面に析出した塩が含まれているためです。これにより、気管支系の病気を引き起こしていることが2つ目の問題です。

    4.オイスカとしての取り組み

    このような問題に対し、オイスカはどのような取り組みをしているのでしょうか。1つはサクサウールの植林による塩害の抑制、もう1つは、薬草も栽培することで現地住民の収入を向上させることです。これらの取り組みを現地の大学、そして林業局と連携することで、アラル海周辺住民の暮らしを守るため、現在活動しています。

     ここで、このプロジェクトで大活躍の植物を2種類ご紹介します。1つ目はサクサウールです。中央アジアの沙漠地帯に自生しており、乾燥と塩にとても強い木です。2つ目はニクジュヨウです。サクサウールの根っこに寄生して育つ植物で、養命酒などの薬として利用されています。

    5.青山の体験記

     ここから、実際の現地での様子をお届けします!

    4月に植えたサクサウールのおかげで、これだけの砂が飛ばずに済みました!

    1つ目は、アラル海での試験的な植林です。現地の大学生と一緒に、サクサウールを6000本植えました。植林してから2ヵ月後に視察に行ったのですが、植えた木の周辺には砂が溜まっていたんです。植林活動の成果が早速みられて、とっても嬉しくなりました。

    現地の学生さんのサポートのおかげで、無事に芽が出てきました!

    2つ目は、サクサウールの苗畑造成と育苗です。こちらも現地の学生さんに手伝ってもらいながら行い、無事に芽を見ることができました。これを通して、乾燥地での農業の難しさや水のありがたさを痛感しました。

    3つ目は、ニクジュヨウの種採取です。ここで採取した種は、今年の秋から冬にかけてサクサウールと一緒にアラル海に植えに行きます。

    4つ目は、大学でのプロジェクト紹介です。実施した背景は、オイスカが会社であると勘違いされ、お金儲けのためにやっているのではないかと見られることが少なからずあったためです。私たちがどんな想いで来ているのかを紹介し、目指すゴールを明らかにする必要があると考え、この機会をいただきました。発表の後、現地の学生さんの夢を聞くこともでき、私自身も背中を押される気持ちになりました。

    プロジェクトに直接の関係はありませんが、私にとっては大切な経験です。

    5つ目は、プロジェクトと直接関係ありませんが、現地での生活を経験したことです。現地ではホームステイをさせてもらったり、学生さんたちと仲良くさせてもらっていました。その中で感じたことは、血縁関係をとても大切にする文化がとても強いことです。一方で、アラル海の沙漠化によって出稼ぎに行かなければならず、家族が離れ離れになってしまう現状があります。家族が一緒に暮らしていく為に、緑化活動は価値があると感じることができました。これが、私がウズベキスタンで沙漠緑化する意義の2つ目です。

    今回のイベントで見つかった、私にとって1番大事なことでした!

    意義の3つ目は、紛争をなくすかもしれないということです。これは、中屋さんと一緒に参加した映画観賞会がきっかけでした。サハラ沙漠を舞台にした映画の中で、気候変動による沙漠化が現地住民の暮らしを苦しめ、その結果武装集団に加入する人が増え紛争が拡大している悪循環が起きていることを知りました。だからこそ、沙漠緑化は紛争をなくすために大事なのではないかと考えました。

    6.私にとっての国際協力

    高校生の時に浮かんだあの写真を実現できるよう、これからも国際協力に携わり続けたいです

    私はこれからも国際協力に携わっていきたいと思っています。最後に、その原動力をお話しさせていただきます。私の国際協力の原動力は「自分のやりたいを叶えたい」です。私が国際協力に興味をもったきっかけは高校1年生の時でした。部活でのもめごとをきっかけに、将来は人の役に立ちたちと思うようになります。そんな時、家のトイレで突然とあるイメージが浮かびました。

    沙漠の中で、白衣のような服を着た私が、黒い肌の5歳くらいの男の子とツーショットを撮っている写真でした。海外に興味のなかった当時の私は、これはなんだろうとびっくりしました。その直後にテレビでJICAのCMがやっていたんです。それを見て、「あ、あのイメージはこれだ」と思い、国際協力に興味を持ち始めました。だから、私の国際協力の原動力は、あの時に浮かんだイメージを現実にしたい、という思いです。

    ここで紹介したいのが、露木しいなさんです。この方は、私たちと同じ世代で国内外で環境活動をしています。この方が「どうして環境活動をするのか?」という質問に対して、このように答えていました。「環境のためである前に、私がやりたいことだからです。」ここからも、私は自分のやりたいを叶えるという思いを忘れずに、これからも活動したいと思いました。

    7.さいごに

    仲間と一緒に、これからも頑張ります!

     このプロジェクトは、私一人の力ではなく、国内外の本当にたくさんの方々のサポートのおかげで行われています。これからも、仲間たちとプロジェクトの成功に向けて頑張っていくので、これからも応援よろしくお願いします!ご清聴、ありがとうございました!

    Ⅳ. イベントを終えてみてそれぞれからの感想

    ―中屋

    本日はお集まりいただき本当にありがとうございました。たくさんの方にご参加いただきとても嬉しかったです。私も、まずは知ることから、そして意識に変わってそれが行動に変わっていけば社会がよくなるんじゃないかと思っているので、こうして皆さんの前でインドネシアの現状をお話しできたこと、すごく嬉しく思います。私もこれから、この経験を生かして社会を良くしていけるよう行動していきたいと思っていますので、引き続きインスタグラムなど見ていただいて、応援していただけたら嬉しいです。本日は本当にありがとうございました。

    ―青山

    この発表をさせていただく中で、自分にとってのこの活動の意義っていうものを改めて整理することができて、またこれからの活動につなげていけるのではないかという意味で、私自身にとってもすごく貴重な時間になりました。そして、こんなにたくさんの方に来ていただけたことも嬉しいですし、いろいろな質問もいただけて勉強になる部分もたくさんありました。これから、今回の発表に恥じないような活動をしていけるよう、さっきどなたかのコメントにもあったんですけど「身の引き締まる思い」っていうのは、私も今ものすごく感じているので、これからも頑張っていきます。本当にありがとうございました。

    改めて、ご参加いただいた皆様、最後までご精読いただいた皆さま、ありがとうございました!

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