海岸林担当の鈴木です。
4月11日の朝、何この景色?と思うような写真が名取事務所の菅野さんから送られてきました。
この日は再生の会のみなさんが苗の出荷作業をする日でした。
苗をコンテナごとビニールハウス内に運び、そこで抜き取り、出荷できるものを選別しダンボール箱詰め作業となります。
「茶色に変色してしまっている苗があって、出荷できるかどうか悩みながらの作業だから時間がかかって~」と菅野さん

再生の会のみなさん、急な寒さで風邪をひかないように気を付けてくださいね。
それはさておき、
4月5日に植栽した寒さに慣れていない東京育ちの苗たちは大丈夫だろうか・・・???
どうか元気で大きくなりますように
海岸林担当の鈴木です。
吉田さんが海に行きたいという子ども達の願いを叶えてくれ、今年も3か所の海で遊ぶことができました。
「海」その1 七ヶ浜の湊浜
左を見ると自然の地層が重なる10mを越える岩場、右を見ると人口構造物の新仙台火力発電所と何とも不思議な景観の場所でした。
10mの岩場が気の遠くなるような年月を経て侵食され、今の景観を残しているのでしょう。岩場の上には自生したのか植えたのかわからないクロマツがしがみついているようです。ガマンできずに墜落してしまうものもありました。
自然の摂理ですね
隣接した湊浜海浜緑地には宮城県庁がクロマツの植栽をしたとのこと。すでに2mほどに成長していて順調に再生されているように見えました。
海岸沿いを移動すると、とても豊かな海沿いの町が現れました。震災からの復興が進み、10年近く育苗したクロマツが支柱に支えられて3m間隔ほどで植えられている公園が整備されていました。豊かに見えるのは、家側から見える防潮堤の高さは3mほどで圧迫感がなく、家々から海を眺めることができるからだろうか?
「意味のないことを一生懸命やることが大事なんだ!」とよしちゃんに教えられていた息子は、300mもあろうかと思う船着き場を突然猛ダッシュ。子どもはこうでなくっちゃ!

「海」その2 松島霞ヶ浦
去年の潮干狩りの楽しい記憶が鮮明に残っていて、今年も挑戦!
干潮の時間はちょうどぴったり!
到着すると数人がすでに潮干狩り中。仲間に加わって砂を掘る。
去年は少し掘れば採れたのが、今年は・・・
「見つからな~い」と不満げ

出発時間が迫り、あと1個採ったら出発という声がかかった直後、大きな貝を見つけ満足げ。
近くで潮干狩りをしていたお姉さんに差し上げ、喜んでもらって満足
「海」その3 名取の海
去年、ここに来た痕跡を残したけれど、残っているか探しておいで
というよしちゃんの声に反応して、防潮堤の階段を駆け上がる。
あった!まさか残っているとは思わなかったけれど、あった!
なんだかちょっと嬉しい。
砂浜に落ちていたマジックで名前を書いた木片が残っていた!
海に向かって駆け出し、2人それぞれ海に遊んでもらっていました。
娘は何やら木片を集め、息子は波と戯れ、それぞれ心が開放されて楽しそうです。
遠州灘の近くで生まれ育った私は、海にそれほどのあこがれはないものの、都会暮らしの子ども達には楽しい遊び相手なのでしょうね
実は、浜辺でびっくりするものを発見しました。
そのブログは息子から~ お楽しみに(*^^*)
海岸林担当の鈴木です。
マツを見ると穂の観察をしてしまう私。
ちょうど今どき、穂(頂芽)が伸び始める頃です。
すでに伸び始めている穂がありました。
ここのところのあたたかい日和で伸び始めたのでしょう。
穂を見るとクロマツかアカマツかがすぐにわかります。
クロマツは白く、アカマツは茶色の穂が出ています。
今回の観察で不思議に思ったことがあったのですが、なぜなのか解決できずにいます。
穂の形状にも2種類あるということ。
木によって違うのかと思ったらそうでもなく、同じ木に2種類の穂がついています。
もしゃもしゃの部分には雄花のつぼみが隠れているのか?
でもすべての穂の根元には雄花がつくのではないのか?
なぜなのかわからずもやっとしているので、清藤先生にお会いしたらきいてみようと思います。
植栽第一号のクロマツは根元径が10cmほどになっているように見えました。松葉が邪魔をして実際に測るのは不可能です(^^;)
去年の春先はぐんぐん健やかに成長していたはずですが、どうも様子がおかしいのです。
去年伸びた部分がへんてこなことになっていました。もしゃもしゃと表現すればいいのか・・・? 今年はきちんと伸びることができるのかな?
ちょっと心配です。
ひとり暮らししている感じの松
海岸林担当の鈴木です。
ブログ書いて~ という吉田さんに促され、中学2年の娘がブログを書きました。
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4月4日と5日で、仙台に行ってきた。
5日にクロマツの植樹をした。東京で育てた苗19本を植えた。
ただ苗を植えるのではなく、クロマツが将来元気に育つことができるように、いろいろ苗に施した上でやっと植樹するというのが興味深かった。
例えば、乾燥している土地で、根に水をたっぷり含ませるために、水にポリマーを加えたものに苗をつける。
このとき、吉田さんが水に対してポリマーの量を多くしすぎて、水が完全に固まってしまった。
そのため、大きなバケツに大量の水を入れ、水を追加することになった。
苗は19本しかないが、結局500本分くらいの保水液ができてしまった。
この保水液は、スライムの出来損ないみたいな感触だった。残った481本分の保水液は捨てることになってしまいちょっともったいなかった。
そしてそのバケツを洗うとき、水道の蛇口につないだホースの口がとれて、水が大量にかかった。吉田さんといるとこういうことが起こる。(本人談)
以前溝切りをしたところに連れて行ってもらったが、どの松も中学1年みたいな雰囲気が出ていてまだまだ手はかかるけどもうあんまり干渉しないで的なオーラが出ていた。(これからもっと手間がかかるのだろうけど)
そして成人女性の2倍くらいの高さがある松も見たが、これはもう一人暮らししている感じの松でこちらが近づいていくのがためらわれた。(なぜかと言うと葉がチクチクしていて痛いから)
ひととおり海岸林のいろいろな場所をみていて思ったことは、もし吉田さんたちの世代が引退したら、誰が引き継ぐのかなということだ。今は松のプロがいるが、苗が完全に手がかからなくなるまで長い時間がかかるので、頑張って種から成長させたのに、途中で終わってしまったら(絶対にそんなことはないだろうけど例えばの話)すごくいやだなあなんてぼけっとしながら何となく思ったりもした。
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おもしろい文章が書けたねと娘に言うと、にやっとして
椎名誠 風に文章を書いてみた~とのこと。
力の入っていない椎名誠の本がお気に入りのようです。
【観察日記】植樹の時 その②
こんにちは
海岸林担当の鈴木です。
植栽場所に到着。
場所は広葉樹植栽エリアの中。
コナラなどの広葉樹が枯れてしまった場所へクロマツを補植しました。
まずは吉田が見本。
表面の草を鍬の刃の側面で横にどかし、4回鍬を入れる
コンテナ苗と土の際が地面の高さになるように穴を掘る
肥料をひとつかみ穴の中に撒きいれる
苗木袋から苗木を出して穴に入れて、土を埋め戻す
体重をかけて土を固める
最後に表面の草や木材チップをかけて完成
何事も率先してやる性格ではない子どもたち、
大槻さんがさっさっと取り掛かり、事もなげに1本終了。
背中を押して、鍬を握ったものの、鍬の持ち方がわからない・・・
どっちの手が前?柄は身体のどっち側?足はどうするの?
やったことがないとわからないものなのですね
たっぷり時間をかけて19本を植えました。
19本の中に大事にしていた苗が1本ありました。
現場から持ち帰った松ぼっくりから出てきた種から育てた苗です。
2世苗です。
ひ弱だったので成長を心配しましたが、植栽時の苗高は24cmとほぼ平均値。
目印となる「39」という標識の隣に植えたので、成長観察できそうです。
枯れないで元気に育ちますように・・・
「この場所は枯れたら目立つなぁ。枯れないように気を付けないとなぁ」と誰に言うでもなく吉田が言いました。
“苗半作(苗の出来栄えがその後の成長に大きく関わる)”のだと広報物やホームぺージなどにたびたび使ってきた言葉、この言葉が自分にのしかかってこようとは!?
どうか無事に元気に育ちますように!
とはいえ、
植えた後の管理をボランティアのみなさんにお願いすることになってしまうのは申し訳ないなぁという思いがあります。
あらためて、この35万本のクロマツがたくさんの人の力で成長していることを感じます。
↓↓↓ 一緒に植栽した小学5年の息子の感想です(原文そのままで失礼します)↓↓↓
~松について~
松を植える場所の近くにあるざっ草などをくわでひっこぬくのに力がいり、少しつかれた。
また、くわをボスッとやるのはボスっと土にくわが入るからきもちよかった。
松を植えるのはいろいろなやることがあり、たいへんだった。
深く植えすぎても、浅く植えすぎても松はかれてしまうので、ちょうどよい高さで植えることを心がけた。
松の高さ、太さを正かくに計るのはすこしむずかしかったが、なれるとラクにでき、楽しかった。
海岸林のところには、キツネ、ネズミ、タヌキ、キジ、ヒバリなどの動物がいて、その内のネズミは松をかじってしまうので、注意が必要だと思った。
年長のときと、小学校1年生のときに世話をした松が大きくなっていてうれしかった。
【観察日記】植樹の時 その①
こんにちは
海岸林担当の鈴木です。
吉田の車で名取に運ばれた苗たち。
2日ほど車の中で過ごしたところ、なんとアブラムシが少なくなってました。
どこに逃げ出したのかな? 車の中??(*_*;
吉田が名取事務所の佐々木統括に背丈と根元幹の太さを報告したところ、「なかなかいい苗じゃないか」とお墨付きをいただきました。(ほっ!(*^-^*))
ひょろひょろっと背が高い苗ではなく、ずんぐりむっくりの苗が良い苗の条件です。
19本の苗高の平均は24cm、根元径7mm。
4月5日この日は名取の最高気温21度と暖かく、風も弱く、植栽日和。
ボランティアの大槻さん、イラストレーターのico.さん、わが家の子ども2人が参加して、6人でのミニミニ植樹祭。
まずは名取事務所で下準備。
車を降りるや否や大槻さんはあっちこっちへと動き、必要なものを準備してくださり、あっという間にポリマー液をつくる準備が整いました。私はといえば、車から降りて子どもたちと少しお話していただけ(^^;) こういう方がお手伝いくださるから現場が円滑にまわっていくのだと実感。
バケツに少しだけポリマー水を作る予定が、保水材を入れすぎてケーキ屋さんなどで付けてくれる保冷剤の中身のようになってしまい、水を大量に追加したので大量のポリマー水ができあがってしまいました。
コンテナから苗を引き抜くために下に出ている根を切りました。
慣れないため力の入れ加減がわからず、なかなか切れない(^^;)
コンテナから苗を引き抜こうとしても、あれ?抜けない(-_-;)
35万本も苗木の出荷をしている再生の会の方々は事もなげに作業をしていらっしゃいますが、実は結構大変なんだ。何事もやってみないと分からない

ポリマー液に機械的に苗木を20秒つけました。
これまだ浸かってないよ~ と大槻さん
ほら まだブクブクと空気が出てくるでしょう
機械的に20秒浸ければいいというものではありませんでした。
空気がでるということはまだ完全に中まで浸透していない証拠。
保水力を高めるためにポリマー液に浸けているわけだから、空気が出ている間はまだ・・・目的を理解しなければなりませんでした。
苗木袋に入れ、準備は整いました。
使った道具を片付けて、植栽地に向けて出発!
【観察日記】再・旅立ちの時
こんにちは
海岸林担当の鈴木です。
旅立ちしそびれて居残っていたクロマツたちが、いよいよ出発です!
今回はきちんと見送りしました。
たくさん写真も撮りました。
19本すべての背丈も測りました。
アブラムシが付いているのも確認しました・・・・・ん??
19本ある中で頂芽がいちばんツヤツヤしていて、今年はぐーんと伸びるだろうと期待させるマツだけにアブラムシが付いているのです。アブラムシにとっても美味しそうに見えるのかな??
アブラムシが原因で黒く変色するすす病になってしまうようですが、吉田いわく「海岸は風が強くてアブラムシもいなくなるから大丈夫だよ~」とのん気なことを言っています・・・本当に大丈夫かな? 苗は19本しかないので、1本いっぽんに目が行き届くのですが、35万本のお世話をしている吉田にとっては大きな問題でもないのかもしれません。
マツノミドリハバチマツノミドリハバチマツノミドリハバチの幼虫が大量発生し、葉っぱが食べられるという被害を乗り越え、元気に大きくなってくれてありがとう(*^^*)
ダンボールにコンテナごと苗を入れ、出荷さながらです。
吉田の運転の車に乗せて、名取へ向けて出発しました。
東京とは違う名取の寒さと風に耐えられるかな・・・心配はつきません。
海岸林担当の鈴木です。
4月4~5日、2人の子どもを連れて久しぶりに名取に行ってきました。
子どもたちは宮城に行くことをとても楽しみにしています。
この春休みは、塾の春期講習やら野球の練習やら部活やらでうまくスケジュールを合わせることができなかったのですが、この2日間だけぽっかりと予定が空きました。
年末年始にも帰省していない浜松の実家に久しぶりに顔を出すか、宮城に行くかと迷ったものの、子どもたちのリクエストにより宮城行きに決めました。
子ども達にとって宮城はちょうど1年ぶり
娘は、松島で食べたホヤと牛タンの美味しさが忘れられず、
息子は、新鮮なお刺身がのったお寿司をまた食べたく、楽天の試合も楽しみに、そして去年海に苦労して投げ入れたオケがどうなっているか気になり
それぞれに楽しみにしていることがありました。
子ども達の楽しみはさておき、
私が2人を宮城に連れて行きたいと思うワケは、
クロマツの成長を自分の目で確認して欲しいこと、
自然を肌で感じることができ、心を開放することができること、
何より、日常生活では接することのない大人と接することができることです。
去年は再生の会の方と一緒に作業をさせていただきました。
プロジェクトでお世話になっている松島森林総合の佐々木さんのお宅に伺い、原木からシイタケを収穫させていただきました。
そして、今年はボランティアの大槻さんとイラストレーターのico.さんと一緒に作業をすることができました。
2人は社交的ではなく自分から話しかけるようなことはないので、大槻さんもico.さんも気を遣って話しかけてくれました。。ico.さんは、私も小さい頃は人見知りだったから~と愛嬌のない2人をあたたかい目で見守ってくれていました。
親としては本当にありがたいことです。
色々な方とふれあうことができる宮城、
でもこうして親しくさせていただけるのは、日頃からコミュニケーションを持っている吉田のおかげだなぁと思います。
社交的ではない2人の子は吉田のことを親しみを込めて「よしちゃん」と呼んでいます。
もしかしたら2人にとって、奇想天外で何が飛び出すかわからないよしちゃんと一緒に過ごせることがいちばんの楽しみなのかもしれません。
何回かにわたり、宮城ブログを連載しますのでおつきあいください。
【番組名】NHKワールドジャパン プラグイン・ニッポン
『Sharing the Restoration of Coastal Forests with the World』
国際協力NGOとして、プロジェクトでは「ECO-DRR(生態系を活用した防災・減災)」を念頭に
JICAによる政府職員研修、オイスカ海外現場職員、報道関係など、60ヵ国以上の方を
受け入れてまいりました。番組では、当プロジェクトが目指していることと、
海外現場との関わりが紹介される予定です。
番組紹介ページがNHKサイトにアップされましたのでお知らせします。https://www3.nhk.or.jp/nhkworld/en/radio/plugin/201904040600/
(現在は告知のみで番組はお聴きいただけません。
4月4日以降、同じページで音声が配信されます)
【放送日時・聴取方法】
2019年4月4日(木)
14:15~14:30(R2・ラジオ第二放送<英語放送・AM>
・初回放送から1週間、ネットで音声配信
https://www3.nhk.or.jp/nhkworld/en/radio/plugin/201904040600/
・ページ内にある「Language」から言語を選択すると、
ほかの16言語でもお聴きいただけます。(日本語はありません)
宮城県第1回防災林検討会に出席
3月22日、宮城県庁での第1回防災林検討会に出席しました。
出席者は東松島~山元町までの4市3町担当課と、宮城県緑化推進委員会、
仙台市森林アドバイザー会、宮城県森林インストラクター会、
わたりグリーンベルトプロジェクト、オイスカ。
仮)みやぎ海岸防災林・森林づくり管理方針骨子案について県から説明。
実質2年あまり後の「(県全体)協議会」設立に向け、この委員で準備が
進んでいくことになります。続いて、各自治体・団体が各地区の状況を
簡単に報告・情報交換。市民からの理解促進や、管理に関する悩みが
共有されました。私自身にとっても、情報が得られました。
国による管理技術ガイドラインの検討も延長協議されております。
宮城県では、この検討会、将来は協議会によって、県内の連携を図ることになります。
名取市では、すでに実質3回開催した「5者会議」が現場最前列を担います。
必要なシステムが整ってきました。
宮城県の海岸防災林再生は、2018年からの10ヵ年ビジョンでも
「防災・減災」に資する重要施策と、明確に位置付けられたことが
他県と大きく異なります。
ちなみに、県内の海岸林再生750haのうち、今年度で75%植栽完了。
来年度は残り20%、2020年度で残り5%を実施予定とのことです。