マツは強いか、弱いか
マツは海岸や山の上の方、岩場など他の植物が生えないようなところにも根を下ろします。
よほど強い植物なのだろうと思っていたのですが、生態学的には弱い樹種だといわれているのだそうです。
他の樹木と一緒に生えていたら負けてしまう弱い木だからこそ、他の樹木が生えない、競争のないところを選んで根を下ろしているのだそう。
「海岸林再生プロジェクト」に関わるようになり、いろいろなところに生えているマツが気になるようになりました。
先ほどの話を聞いた後は、さらにマツが生えている環境も気になるようになりました。
先日、オイスカの中部日本研修センターがある愛知県豊田市を訪問した折、鞍ヶ池公園に足を運ぶと、園内の岩山からマツが元気にすくっと伸びていました。
ちょうど桜が美しい時期で、公園にはたくさんの人がいてみんな桜の花を愛でていました。そんな中、他と争わず、あえて厳しい環境を選んでひっそりとたたずんでいるマツはやはり弱いのではなく強い木なのではないかと感じました。
先月播いたクロマツの種も、強く元気に育ってもらいたいものです。
3月30日の播種を終えた後、土地の神様に捧げたお神酒をみんなでいただきました。
ストーブを囲んだささやかな宴の場を盛り上げようと、Kさんが自慢の美声を披露。
輪の中から手拍子と合いの手が自然に出てくると、その後にも地元の民謡が2曲続きました。
土地の人間ではない私にはわからないものでしたが、あとで「あれは祝い唄だよ」と聞かされました。
そして「この1年誰も歌わなかった祝い唄だ。震災後初めて歌ったんだ」と。
地元の人たちにとって今回の播種は、自分たちの生活再建に向けた大きな前進であり、
この日は、そのお祝いの日だったのだと思いました。
取材に来られていた地元のテレビ局の方も畑でいきいきと動いている地元の皆さんを取材しながら
「被災後、元気になれない人たちもまだたくさんいますが、活動の場がある人たちはやっぱり違いますね」
とうれしそうでした。新聞記者の若い女性は、「私も種播きさせてください」と一緒に作業をしていました。
被災した海岸林は約3,660ヘクタール。何十年もかかる海岸林再生に向けた、小さいけれど目に見える
確かな一歩が踏み出された記念すべき3.30となりました。
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いつもこのブログを書いてくれるインターンの秋山君は「名取市海岸林再生の会」の皆さんからとても人気があります。
おばさまたちからも「秋山さん、秋山さん」とかわいがってもらっています。
普段は寡黙で必要なこと以外ベラベラとしゃべらない男ですが、作業の合間には笑顔で皆さんとの会話がはずんでいる様子!
秋山君は大学を休学してインターン体験をしていますが、「海岸林再生プロジェクト」での体験が大学に通っている以上に学びの多いものであるといいなぁと思います。
先月のオイスカの月刊誌にも登場していますのでご覧ください。
→インターン生の素顔に迫る!
3月30日に播種を終えました。
「種子をまきました」
そうひとことで言ってしまえばそれまでのことなのですが、
クロマツの種子はホームセンターで買える訳ではありません。
種子を手に入れるためにもいろいろな下調べと準備、調整が必要でした。
3.11以降の担当者の奔走、地元の人たちの再生への思い、寒い中現場で準備をしてきた人たちの苦労・・・。
そういうものを知っているだけに特別な思いで迎えた3月30日。
播種の作業の前に土地の神様に、とみんなでお神酒を捧げて手を合わせました。
クロマツお助け隊長たちは、今年の3.11に行われた追悼イベントにも行かず、その日も畑にいました。
前を向いて、常に土と向き合ってきた隊長たちにこの土地の神様もきっと力を貸してくれるはずです!
芽が出るまで約3週間。祈る思いでその日を待ちます。
播種を無事終えました
本日、3月30日は本プロジェクトの記念すべき初播種が行われました。
松くい虫(マツノザイセンチュウ)の抵抗性クロマツと普通クロマツです。
われらがクロマツお助け隊長の呼びかけのもとに、地元の方々総勢20名が集まっての作業となりました。地元のテレビ局や新聞社のカメラが何台もあり、責任者からは「みなさん、あがらないように」との声かけもありました。
播種の作業を順番に写真でご紹介します。

石が多いということでまず石拾いから。

地ならしをした後、苗床の両脇に並び、1メートル四方に約12グラム(約1000粒)ずつ播いていきます。
参加した皆さんは、地元の農家の方々で、野菜作りはベテランですが育苗は初めてのこと。種苗組合から指導者(右から2人目)にお越しいたいてアドバイスをもらいます。

見えますか?土の上にパラパラと種子が播かれているのが。
一ヵ所にかたまらないように、まんべんなく播くのが案外難しかったです。そして、この体勢、腰が痛くなる!力は要りませんが、丁寧に根気よく作業していくことが大切。種苗組合の方から「育苗は女性にむいている仕事だ」と聞かされていましたが、なんとなくわかった気がします。

男性たちが播いているのは種子ではありません。お母さんたちが種子を播いた上に土をかぶせています。こちらは種子のようにパラパラと丁寧に・・・ではなく、豪快にばさ~ばさ~と種子が完全に見えなくなるようにしっかりとかぶせていきます。

次はたっぷりと水をまきます。翌日の天気予報は雨、ということで、みんなちょうどいいタイミングでの播種ができたことを喜んでいました。

水をまいたら、上から薦(コモ)をかぶせます。保湿、保温といった役目があります。強い風が吹きますから、土や種子が飛ばされないようにするという目的もあります。芽が出てくる直前までかけておくのだそう。

薦の上からさらに寒冷紗をかけます。これも薦同様、保温や風除けの役目を果たします。これで本日の播種作業終了!

皆さん、おつかれさまでした!
また少しずつ当日の様子を報告していきます。