先日「効率的なコンテナ苗生産のための技術検討会」に参加しました。
会場は茨城県日立市の森林総合研究所材木育種センターで、席に座りきらないほど多くの人が来ていました。
北海道から九州まで、育苗農家や企業担当者、都道府県職員、林野庁関係者など多方面から参加していました。
コンテナ苗とは?
コンテナは写真のような小さいポットがたくさんくっついてるものです。
コンテナ苗は露地播きの苗と比べて、成長が早いことや、植栽後も活着率が良く成長が早いので、植付本数を少なくすることができるなどのメリットがあると言われています。
しかし、生産には資材費がかかり、散水や薬剤の散布などきめ細やかな管理が必要で、技術的にも難しいとも言われています。
海岸林再生プロジェクトもコンテナ苗生産の準備を進めていますが、1年で植付できる大きさに成長することから、海岸への植栽時期をにらみながら植付本数や時期を検討中です。
検討会にはLIECO社というオーストリアの林業苗木会社の社長が特別講師として来日し、貴重な講演を聞くことができました。
他にも、コンテナ苗生産技術の確立に長年取り組んできた方々のお話を育苗初心者である私たちは耳をでっかくして聞いていました。
他の参加者からも「これは来て良かったな!」という声が聞こえてたとおり、良い勉強になりました。
宮崎県の海岸林(一ツ葉海岸)
ボランティアの木邑です。
家族で宮崎に行きました。
ホテルの窓から立派な黒松の海岸林が一望!!
ふと、このブログのことが頭をよぎりました。(^-^)
ちょうど沖縄に史上最大級の台風が来ていて、
宮崎もその暴風圏内に入り、晴れ間も見えながら、
突然大雨が降ったり、すごい風がふいたりな天気でした。
窓から見える海は大荒れ。
風が直撃するところは飛ばされそうなくらいでしたが、
黒松の林のそばは風もほとんどなく、防風林なんだなぁと実感しました。
前回滞在したときには林の中を散策したのですが、今回は林の中に入れませんでした。
林の中で実施するホテルのアクティビティも、
「松の枝が落ちてきたりするので中止しているんですよ」とのこと。
一ツ葉海岸と言って白砂青松百選のところでした。(帰ってから調べました…)
海岸に沿って12kmほど、幅は最大1kmで約830haの広さがあり、
200年ほど前に、地域住民が飛砂や塩害を防ぐために植林した海岸林だそうです。
林はよく手入れされていて明るく、リゾート地としての活用も多々。
前回には気づかなかった視点で海岸林を見ることができておもしろかったです。
また天気のよい日に、この林を歩きたいなぁと思いました。
宮城県内からのご寄附
「海岸林キックオフ植樹」in七ヶ浜町のその後
7月3日に秋山君がレポートした宮城県主催「海岸林キックオフ植樹」in七ヶ浜町のその後を8月18日に見てきました。
仙台火力発電所や新日本石油施設が見えます。
遠くから見ると海岸林は残っているように見えますが、実際には「疎林化」しています。
津波でやられてしまい、虫食いのようになっています。
一面被害を受けたような場所だけでなく、被害程度は高くないものの、
「疎を密にする」再生方法を求められる場所も数多くあります。
地山は草が茂ります。
こちらは全く下草が生えていません。
「地山をえぐられ凹が出来ため、山砂を入れて植栽をしたために今年だけは下草が生えない」
そうです。そのような何らかの理由でえぐられ、凹になった場所はよく見かけます。
この様な「壊滅的打撃」に至らない海岸林は全被害面積3,660haのうちの約70%あります。
*被害程度75%未満
ここは国の直轄地域でないため、県が再生事業を進める地域です。
宮城県南部は壊滅的打撃を受けたため国が直轄します。
国交省による防潮堤→林野庁による海岸林の基盤となる盛土工事、その後に植栽が開始されます。
キックオフイベントは別として、本格化するのは平成26年の春頃でしょうか。
日本海側の小さな海岸林にて
プロジェクト担当の吉田です。
京都出張の帰路、先日ご紹介した天橋立のマツ林を見た後も、小浜市を経て帰る間、
外海に面した場所で海岸林を見つけては小休止しました。
(そんなことをやっているから帰るのが遅くなる)
幅は狭いが、十分な高さがあり、防風林として相当地域の役に立っているように見えた。

飛砂防止重視か。林帯幅を確保できないため、下枝が十分張るように育成され、
低木としてトベラなどが植えられているのに加え、低い防砂ネットもあり。

樹高も低くまだ若い海岸林ですね。でも20年以上の樹齢では。
大きな砂丘を盛土にする典型的な海岸林。延々続く海岸林の背後には、集落もずっと続く。


「白砂青松100選」などの有名所でない小さな海岸林にも生活との密着感があると感じています。
盛土がある場所のマツの根
プロジェクト担当の吉田です。
夏休みに、森林組合の佐々木さんにご案内いただいて、牡鹿半島に行った時、
永年精一杯の機能を果たし生き残った海岸林と、立派な松の根を見ることができました。
「クロマツ根っこショールーム」さながらでした。
息子達は綺麗な海で嬉々とし、やはりオヤジ達はマツを見てしまいました。
ここは牡鹿半島ですがリアス式海岸ではなく、台風や高波の他、西に向いた海のため、
春の奥羽山脈からの強風が海を越える事による塩害を受けやすい立地かもしれません。
海岸林背後には壊滅した小さな集落があります。全長1kmぐらいの小規模な海岸林とは言え、樹齢は120年。大事に守られてきた事が伺い知れます。
海水面から最大3mの盛土の上にクロマツ林があり、倒れたマツは小川に沿って引いてきた波で盛土ごと海側に引き倒されたのだと思います。周囲には寛政年間等の墓石が散乱しています。
しかし、たった1~2mでも海岸林での盛土の効果を名取市北釜地区と同様に目の当たりにしました。
盛土を失っても、上部を伐採されても立っているマツの根もありました。



下の写真は、昨年東松島市野蒜で見た、盛土が無く、地下水位の高い場所で倒れた樹齢150年近いマツの根です。
マツらしい直根がありません。

ところで、いよいよ名取の治山工事、すなわち盛土工の入札を迎えました。
3m程度の盛土の造成が始まろうとしています。そして、津波で倒されてもなお飛砂を防いできたクロマツは撤去されます。
それでもまだ何かに利用され人の役に立つように思えます。
10円玉飛塩調査のその後
プロジェクト担当の吉田です。
ご存じのとおり、10円玉は銅で出来ており、一番錆びにくい。
去年の5月ごろ、地元の人が「10円玉が緑青に変わった」と言っていたので、
7月8日に設置し、しばらくぶりの8月20日に回収に行きました。
秋山君も以前事務所の前に置いていて、「黒くなった」と言っていたが。
海に向かって、海岸林前面、倒れていない海岸林帯の真後ろ、海岸から1.4km、
4kmのところ
潮風の影響が全くないオイスカ東京本部事務所。の5か所。
なんだか、あんまりはっきりしない結果でした。(笑)
なぜだろう?レモン汁につけた後、水に流さずに置いたから?
しかも、海岸林前面に置いたものは無くなっていた。
工事関係者に見つかってしまったか?
ゲートのてっぺんに置いたのに。
*海岸から4kmの第1育苗場班長の大友さん自宅には今回行けず。
プロジェクト担当の吉田です。
出張の機会を活かし、これまでも最寄りの海岸林を見てきました。
ところ変われば看板も変わる。
いくつかご紹介します。
これは敦賀・気比の松原。
4ヵ国語ですね。舞鶴・小浜等はロシア人も多いからですね。
ちなみに松林の中でバーベキューはしないでください。
燃やした場所から「ツチクラゲ」が発生し、周囲のマツは枯死します。
マツの大敵なのです。
福井県高浜町・和田浜海岸
拉致問題ですね。
静岡県湖西市・遠州灘海岸
春先の風と砂はすごいのです。
静岡県袋井市・同笠海岸
ブラジル人が多いからポルトガル語表記があります。
千葉県・九十九里浜
砂に埋もれる看板は皆さんの記憶にもあるかもしれませんね。
プロジェクト担当の吉田です。
昨年に続き、中2の息子と小6の娘と犬を連れて宮城沿岸部に行きました。 一泊目は佐々木さんの自宅に泊まり、ご家族の皆さんと大歓談。 二泊目はオイスカ名取事務所に宿泊。 牡鹿半島全域と石巻市などなど。今年も基本、「海三昧」。
畝と畝の間のみですが、草取りを3人でしました。 頑丈で四方に這うような根の雑草があっという間に出ます。 「一列終わるまで」と、1時間ぐらい3人で休みなく集中してやりました。 (やらないと怒られるから?案外面白いから?) 毎月校庭の草取りをする学校なので耐性がありました。
帰路車内で二人に聞くと、 父:事務所に泊まったのどうだった? 息子:絶望した。マジ真っ暗な方に向かうし。 娘:ホテル的と思ってた。 父:今回の旅行で何が一番大変だった? 息子:草取り。道が遠い。佐々木さんの家でナスが出たこと。 娘:(事務所の)蚊。海にいた噛む虫。 父:驚いたことは? 息子:(去年も見た)焼失した小学校がカーナビから消えていたこと。 娘:大川小学校を初めて見たこと。 あとー、ちょっと違うけどー、佐々木さん兄弟とパパがお酒を飲んでいるとき 怒鳴っているみたいで面白かった(笑) 父:次はどうしたい? 娘:また来たい。(女川と東松島の)海で遊びたい。 (女川の海で)また大きいワタリガニを捕まえて食べたい。 息子:また佐々木さんの家で泊まりたい。釣りしたい。
出張で事務所に泊まるとき、いつもこの夏を思い出すと思います。