愛知県の中学校からの協力
愛知県豊田市立藤岡中学校から募金を頂きました。
豊田市HP
http://www.city.toyota.aichi.jp/pressrelease/1248664_7011.html
「生徒会で生徒や先生方から募金です。少ないですが海岸林再生に
役立てて下さい。心から応援しています」
生徒さんの字で郵便払込票にメッセージがありました。
これまでの募金活動で集めた募金を、校長先生と生徒会長、 福祉委員長さんが、
豊田市勘八町の山の上にあるオイスカ中部日本研修センターまで届けてくださったと、
1月12日付けの中日新聞にも掲載されておりました。
「少ないですが」と書いてありましたが、
この募金では、より大勢の方に「なぜ海岸林再生が必要なのか」ご理解いただき、
できるだけ大勢の方から、無理なく少しずつご協力いただくことに力を入れており、
今回のような協力方法で、しかも若い世代に協力頂くことはとても嬉しいのです。
11月にお目にかかった校長先生の表情を思い出します。
ありがとうございます。
またお会いしましょう!
年末、懇意の記者さんと10か月ぶりにお会いしました。
プレスリリース前から取材を受けていましたが、私にはまさに「記者」と感じていました。
「失敗したら、糾弾するぞ」なんて言って、励ままれたことも。
県外に異動されて、原発に近い方面で勤務されています。「頭の半分は原発ですよ」と言っていた。
この方は、僕らの播種・苗の様子を見ぬまま、風のように単身赴任で異動されたため、
写真をゆっくり見てもらいました。
途中でポツッと言われたのが、「オイスカは、万が一、東南海地震や何かの災害があっても、
例え自分達では活動が出来なくても、例え海岸林でなくても、
どんな分野でも応用できる仕組みをつくったよね」と。
この人はそう見てくれていたのか。
確かにNPOや公益法人とは、行政サービスの谷間や、
多くのセクターとの繋ぎ、コーディネート、潤滑油、接着剤という
存在意義があると思います。機動力、企画力が持ち味だと思います。
しかし、帰路もずっとリフレインしましたが、まだ自分の力で咀嚼しきれません。
万が一、今の我々の経験を他でも活用することを望まれた場合、
理解しやすいよう準備しておくのも、責務なのかもしれないと思いました。
でも、どう表現していいか今はわからないし、そのゆとりもないのが正直なところです。
大きな宿題を与えられた気がします。
日経ビジネスオンラインに掲載されました。
合同会社西友の海岸林再生などに関する取り組みが、
日経ビジネスオンラインに「使徒明確で広まる寄附文化」として掲載されました。
http://business.nikkeibp.co.jp/article/opinion/20121227/241651/
全国の西友のレジに行きますと、オイスカの再生プロジェクトなど、
「4つのカード」などが下がっており、お客様は希望する先を選んで寄附することが出来ます。
掲載内容に触れられていた「どう使われるか分からない(分かりにくい)」という従来の課題に対し、
我々も、色々な方のアドバイスも受けながら、多くの方の力も借りながら、
果敢に取り組んでいこうと思います。
振り返りブログ24 新型ボーイング787機視察団受け入れ舞台裏
国際協力の仕事は人の行き来でもあり、数々の国の現場に行き、
海外から来る人の受け入れも行った。
自分が行くのはもちろん面白いのだが、
来訪する方と目的を共有した受け入れ業務は、エキサイティングだ。
充実や満足の表情を見ることはプロジェクト主催側の醍醐味と感じる。
ここにも今後10年、きっと大勢の人が来るだろう。
2011年10月30日は、全日空㈱とJTB法人東京㈱のご協力で
被災海岸林視察に新型ボーイング787機から170人が降りてきた。
http://www.oisca.org/kaiganrin/blog/?m=20111030
我々中核は少人数。追われ追われて仕事をしている。
およその所要時間は把握していたが、大型バス4台が順繰りに
4か所の視察箇所を回るシュミレーションを正確に測ったのは、前日。
しかし、思いの外、どんぴしゃり! にやり。
くたびれ、安心もして、早く寝てしまった。
当日朝、しわ寄せは学生インターンの秋山君に。
彼のおかげで、短時間で見事な時刻表が出来た。
待ち構えるバスの運転手さんにそれを渡した。
最終打ち合わせは5分で終わった。
それは JTB法人東京さんの手際よさもあっての事。
準備万端!と思えたのは、170人には申し訳ないほど間際。
「お待ちしておりました!」のオイスカの笑顔の出迎えの裏側は
ご存じのとおりこういうもの。(以後、改善に務めねば)
振り返りブログ23 激論のあとに
2011年9月29日~10月1日、我々調査団は10名。
二手三手に分かれ幾つかの調査を行った。
人数が人数のため、節約してち内陸4km、津波高1mの地区の
閉店休業中のコンビニの上に空き家があることを知り、
市議の紹介もあって拠点にした。
その時期、まだ電気が通ってなく、発電機を使って明かりを灯した。
食事は、拠点の隣で早や開業し、今でもよく通う「ねぎっこ」。
太麺のラーメンが私にはおいしい。
トイレもそこをお借りした。
30日の調査後、突然「集会所に来てほしい」と地元の人たちが
言っていると言われた。まるで見当がつかなかったが、
9月6日の激しい議論の後だったので、「吊るし上げか?」と一瞬思った。
でも「全員で来て」と言われたし、それはないか。
豪快に煙が上がっていた。地元の人が30人はいる。
オイスカ本部に7月11日に泊まった人の顔がたくさん。
「とんちゃん」(地元の人が大好きなホルモン焼き)だ。
こんなおもてなしを頂くなど、一つも知らなかったので、
本当に驚くしかなかった。
9月22日にはプロジェクトを公表するプレスリリースも出していた。
この様な表現方法で地元から認めてもらえたことは、
我々らしく思えて嬉しかった。
振り返りブログ22 育苗専業農家を初訪問
2011年9月29日、名取の農家代表3名と我々関係者10名、森林組合、種苗組合組合長と専務理事、宮城県庁の総勢17名で宮城県蔵王町の育苗専業農家を視察した。
私にとっては、茨城県に遊びに行ったときに苗畑の横を通ったぐいで、視察などしたこともなく、畑で女性が除草作業をしているのを見たことがある程度。
書物以外の知識はまるでなかった。
車から降りた直後から、組合長の説明がはじまり、我々は質問をすごい勢いでぶつけていった。時間の感覚はまるでなかった。
「専業」という存在はきわめて稀である。
震災前に宮城県でクロマツを育てていたのは6人。一人は失敗して全滅させたと種苗組合の組合長から聞いていた。
「日々、まじめに取り組まなければダメなんだ」といつもおっしゃっていた。
私が林業会社に務めた2年間で、木を植えたのはわずか半日。
しかも、小学生の指導。はっきり言って、伐る仕事しかしたことがない。
(神奈川だから少々極端ですが)
経済林の苗木を育てる仕事とは、それだけ山には需要がないのが常である。
国産材の需要がもっと社会から理解されれば、状況は変わると思う。
また、野菜と違い、注文から出荷まで2~3年という非常に長いスパンがある。
当然、納品して初めて代金は支払われる。
出荷のころには需給の情勢が変わって、大幅出荷減という事もあり、
泣く泣く燃やした揚句、警察に通報されたという実話もあるという。
世間ではそういう現実は残念なことに知られていない。
今回のように当面の安定大量需要が見込まれることなど、
少なくともこの20年、30年なかったのではないか。
市民の手で苗木を作りたいという反面、これで長年生計を立ててきた人もいる。
2011年4月にはそのような現実をある程度把握したうえで行政や種苗組合と
折衝を重ねてきたが、「ともに手を取り合って海岸林の再生に力を尽くしましょう」と
この日も組合長が言った通り、種苗組合として、「オイスカや名取市の農家は
既存農家を圧迫する考え方がない」と理解していただいたことにより実現した。
私のカメラのファインダーでは見えない場面で、オイスカ以外の多くの方の
ご尽力もあったことは容易に想像がつく。
櫻井さんの奥さんは、「ここに来るまで、とっても不安だった」と打ち明けて下さった。
みんなで将来のイメージを共有した。空はすごぶる快晴だった。
決して忘れることのない有意義な視察となった。
しかし、正式な種苗組合員になり、県から種苗組合を通じて、種子の払い下げを
受けるには、まだまだ、先の道のりがある。
今年目指すこと④ ~協定締結に向けて~
宮城県南部では、国有林に関する「『みどりのきずな』再生プロジェクト」
も示され、平成25年度は復興交付金による倒伏木の撤去、盛土工事が
完了した場所から、公共工事(経常治山予算)による植栽も、
少しづつ民間との協定・植栽も形になるものと思われます。
各県における民有林(県・市有林等)もこれに倣い、
民間との協力を具体化させる方向と予想しています。
オイスカと名取市海岸林再生の会は、2012年7月9日に
名取市長と宮城県知事に対して、名取市の海岸林再生に関する
「提案書」を提出しております。
その趣旨としては、国と自治体の復興計画に協力するという私たちの
原則に立ち、民間活力の活用と市民参加を得た形での森づくりを
記述いたしました。
私たちは今年上半期中に、更に具体的な内容を盛り込んだ
第2次提案書を提出したいと考えております。
特に、植栽だけでなく育林に関する技術的側面と、長期的視野に立って、
市民参加・啓発普及活動などに力点を置いた内容にしたいです。
提案書提出に際しては、我々の行動の信頼性と、支援者の輪の
更なる広がりが裏付けとして不可欠です。
名取市海岸林植栽などの「公示」は、工事の進捗等に左右されますが、
おそらく今年下半期と予想しております。
今年は国、県・市と協定締結し、平成26年度と想定している
大規模作業を万全な体制で迎えるための、大事な準備の1年になると思っています。
今年目指すこと③ ~より大勢の方にご理解いただくために~
オイスカは国内外のどのプロジェクトでも、
「主役は地元」と考えて50年間活動を行ってまいりました。
海岸林再生プロジェクトでも、成林するまでに、相応の努力と
数十年単位の年月が必要と考えており、早い段階から
若い世代を含めた地元の参画を得たいと思います。
オイスカを中心とする支援者で、主役となる地元を後押ししたいと考えております。
また、「なぜ海岸林の再生が必要なのか」という、そもそも論を
よくご理解いただいている支援者の集団を目指したいと思います。
それが地元にも少なからず影響を与え、長い年月に耐える
森づくりの成否にも関わることを、数々のプロジェクトで経験してまいりました。
すでに、海岸林の必要性を知っていただく活動については、
多くの支援者の手によって自主的に実施して頂いております。
特に企業団体は、業種業態が様々で、それぞれに強みがあり、
本業を行う中でできる広報啓発活動を行っていただいていており、
その輪をさらに広げてゆくことに力を注ぎたいと思います。
今年も、名取市内、宮城県内はもとより、全国各地支援者からの
活動報告会などの要請、各種視察団・報道取材受け入れなどは
社会全般への報告義務遂行の意味を込めて、引き続き積極的に対応いたします。
今年3月までに、既に全国10ヵ所の活動報告会、3か所の写真展、
4つの視察団受け入れを計画しております。
6月には「発芽視察会」として、できるだけ多くの方に
発芽した「めんこい」苗と、移植された1年生苗で全面が緑で埋まった
育苗場を視察頂きたいと思います。
平成26年度の大規模作業に向けて、今年もたくさんの成すべきこと
がありますが、「協働」というキーワードを念頭に、
皆さまとともに着実に進めてゆきたいと思います。
今年目指すこと② ~ボランティアリーダー育成~
平成26年度以降、大規模な植栽などの作業実施が見込まれ、 地元や全国の支援者が大勢来訪することが予想されます。 それに先立ち、ボランティアリーダーの育成を開始し、 大規模作業に向けた人的受入体制を徐々に整えることは、 今年の大きな目標の一つと考えています。 今年は東京本部と名取の育苗場で定期的に受入日を決めて、 作業補助と体験活動に加わって頂き、現場で動ける人を増やしたい と思っています。 *募集詳細はHP「インフォメーション」にて予め告知します。 毎月第1土曜日:東京本部(事務作業補助) 4月以降第3金曜日・土曜日:宮城県名取市の第1育苗場等(現場作業補助) 作業のみでなく、活動を一層ご理解いただくための座学なども行います。
今年目指すこと① ~育苗の計画~
年頭のブログとして、現状の平成25年度事業計画案を連載させていただきます。
【平成25年度育苗計画】
平成26年度に植栽が本格開始されると想定して育苗を実施しております。
播種:マツノザイセンチュウ抵抗性クロマツ、普通クロマツ
約100,000粒
広葉樹(クリ・ケヤキ・コナラ・ヤマザクラ・マサキ等)
最低5,000粒
移植:昨年播種のマツノザイセンチュウ抵抗性クロマツ、普通クロマツ
目標80,000本(現在92,000本が生育中)
4月中旬 播種・移植
5月~10月 除草・薬剤散布等
6・9・10月 広葉樹種子採取
通年 県・種苗組合等の各種講習会受講
クロマツに関しては、オイスカは「名取市海岸林再生の会」に生産委託し、
再生の会代表3名の種苗組合加入を含めて全面支援しています。
種子は県から種苗組合に払い下げられ、その上で再生の会に配分されます。
針葉樹の種苗生産に関しては、林業種苗法に基づいて実施される必要があり、
それを踏まえ、県全体の復興計画・需給体制に協力する形で育苗を行います。
再生の会は、被災地農家の男女30名によって構成されており、
皆さまの支援を背景に、オイスカを通じた委託事業として生産実務に当ります。
昨年は県による2回の検査では、1年目の実務にも関わらず、農業の経験と知識
をフルに活かした結果、「プロと同等」との評価をいただきました。
4月中旬には、昨年約100,000粒播種した1年生苗を移植(床替え)し、
今年から広葉樹育苗も開始するため、第1育苗場(名取市下増田北原東・約6反)、
第2育苗場(同市高舘吉田・約1反)は全面使用になり、
2年目ではありますが、早や、最大供給体制に入ります。
また、クロマツの育苗方法として、露地播きの他、短期間の育苗を目指した
「コンテナ」による育苗も15,000本を予定しております。
6月15日(土)には、発芽視察会を計画します。
当日は、除草作業等も補助いただく予定です。
募集情報は3月末ごろよりHP等にて公開いたします。
一般の方に視察・体験していただく機会を、定期的に設ける予定です。