先日の移植作業中、苗にとっての敵を発見しました。
苗の根元にいる虫が見えますか??
「根切り虫」だそうです。
コガネムシの幼虫だと地元の皆さんから説明を受けました。
かわいそうですが育苗のために駆除しました。
ごめんね、コガネムシ。
昨年、「ヨトウムシ」のことがブログでも紹介されました。
これからも育苗の障害となる、いろんな敵が出てきます。
夏の暑い時期は、雑草とも闘っていかなければなりません。
本格的な育苗のスタートは、いろいろな闘いの始まりでもあります。
昨日に引き続き、広報室の林です。
19、20日に種子まきと移植作業を行ったことはご報告の通りですが、
今日はその翌日、小さなクロマツたちに降りかかった災難のご報告です。
・・・・・・なんと雪が降ったのです!

越冬した苗たちですから、もちろん雪は移植前にも体験済み。
でも、当時は密植状態でした。今回は1本ずつがそれぞれ独立して
積雪に耐えなければなりません。雪の重みで傾いている苗もありました。
寒さと雪の重みが、まだ小さいクロマツの苗にどれほどのストレスを与えているのか
わかりません。苗たちが、けなげに耐えているように見えたのは、
4月下旬のこの雪が寒がりの私にとっての試練だったというだけで、
実は彼らにとっては「恵みの雨」なのかもしれませんが・・・・・・。
本部・広報室の林です。
先週末は育苗場で床替移植作業を体験してきました。
7万本もの移植作業、一ヵ月ぐらいかかるだろうと担当の吉田から聞いていましたが、
約一週間ですべて終了してしまいました。19、20日とたくさんのボランティアさんが
現場にお手伝いに来てくださったことも大きいのですが、移植の効率化が可能になったのは
この「苗植え機」の活躍があったからこそ!
田植え機のように機械でどんどん植えていくのです。
トラクターの後ろに椅子が3つ並んでいて、写真のように座ります。
この写真では右に運転席があり、進行方向は右。座る人たちは後ろ向きに座っています。そして、苗を一本ずつ機械にセットしていくのです。人の手によってセットされたらあとは機械がポン、ポン、ポンっと植えていってくれます。
私もこの椅子に座り、体験させてもらいましたが、苗をセットするのもなかなかコツがいります。浅植え、深植えにならないよう、ちょうどいい位置に苗をセットしなければなりません。また、トラクターの進む速度に合わせ苗をセットしなければなりません。間に合わず、欠株を出してしまったり、反対に慌てると2本セットしてしまったり・・・。
でも大丈夫。トラクターの後ろに手直し隊が歩いてついてきてくれ、機械で植え損ねたところに植えてくれたり、2本植えてしまったところや深さが悪いところを手直しをしてくれたり。
機械の力はすごいのですが、やはり人の力もなければなりません。
「人の力」は、この手直し隊だけではありません。今回はボランティアの皆さんに手植えでも移植作業を体験していただきました。穴を掘り、1本ずつ植えていきます。機械のように早くはありませんが、手直しの必要がないよう丁寧に植えられていきます。(時々列が曲がったりして「性格が出るね~」と笑われたり・・・)
機械のスピード、人の目で確認しながらの手直しや丁寧な手植え。どちらも大切です。そしてこれからはこの「人の力」がもっともっと必要になってきます。将来、海からの潮風から人々の生活を守ってくれる大事なクロマツを、地域の皆さんが愛情をこめて育てているこの苗木を大切に扱ってくださる方々の力を借りて、これからも育苗を行っていきます!
7万本の床替移植終了!!
4月19日、20日と現場は合計約100人のボランティアの参加を得て、
春の大仕事を一つ終えることができました。
昨年3月末に種子をまき、育ててきた苗を広いスペースに移す作業「床替(とこがえ)移植」です。
先日ご報告した根切り、掘り取りを終え、サイズごとに仕分けされた苗を植えていきます。
これまで小さな苗たちは狭いところにぎゅうぎゅう詰め状態で育ってきました。風が吹いても雪が降っても肩を寄せ合って耐えてきました。その苗たちはこれまでの10倍近い広々としたスペースで思いっきり根を伸ばし、枝も伸ばしていくわけですが、小さな苗が1本ずつ立っている姿はなんだかまだ頼りなさを感じました。
どんなふうに植えるかは、また改めて明日じっくりレポートいたします。
実は19日は播種を予定していたのですが、強風のため延期。現場の仕事は常に天候を見ながら臨機応変に対応していくことが求められます。幸い、翌20日の朝は比較的風が穏やかだったので普通クロマツ0.5㎏を播くことができました。抵抗性クロマツは5月の連休明け以降の播種となる予定です。
昨年から育てているクロマツの育苗に加え、今年はまた新しい苗の世話も始まります。
今回移植したことで、スペースが10倍になった分、草取りも水やりも今までの10倍大変になります。多くの方にお手伝いをお願いすることになると思います。どうぞ、クロマツの成長のため、今後も皆さんのお力を貸してください。
よろしくお願いします。
先週、ある財界の方々に現場を視察いただきました。
そのうちのお一人には、2月末の私たちの活動報告会の後、食事をご一緒し、
仏教の教えで、「思念が業(ごう)をつくる」という言葉を教わりました。
「思考は現実化する」という考え方と同じで、人生は強く思ったことが現象とし
て必ず現れる
という意味だということでした。
2か月ぶりに、今度は現場でお会いし、再び食事に招かれました。
その際に、私から「2011年4月に物資輸送ヘリコプターに乗せてもらい、
空から被害規模の大きさを自分の目で見たこことが、全てに繋がっている」
と申し上げたところ、今度も、貴重なアドバイスをいただきました。
3つの目を持つ必要がある。
一つ目は鳥の目。
二つ目は虫の目。
三つ目は魚の目。
鳥のように鳥瞰し、ダイナミックな思考を持つこと。
虫のようによく観察すること。
そして最後に、魚の目で潮目を見取ること。
この3つが大事なのだと。
ちなみに目と言えば、昔の上司には、一歩引いてモノを見る目を
厳しく躾けられた気がするのですが……
まだまだ。
あの日、鳥の目で見た風景・・・
国際協力ボランティアの木村です。
昨日に続き、今日も先日のプロジェクト訪問の報告です。
私は静岡県の出身で、東北に行くことは生まれて初めてでした。
さらに、東日本大震災発生時にはパプアニューギニアにいたため、地震のことについては、あまりその悲惨さを感じないで楽観的なところがありました。
しかし、実際の現場で驚いたことがいっぱいありました。
復興が急ピッチで進んでおり、家が新しくなっていて、育苗場の最寄り駅、美田園駅周辺は仙台のベッドタウンになりそうです。
その反面、津波で流されてしまった家の跡、更地を見ていると復興が進んでいるとはいえ、痛々しいところも伝わってきました。何も無い所にトラックやシャベルカーが集まり、作業する光景には愕然としてしまいました。
国際協力ボランティアの木村です。
先日、宮城県名取市で行われている海岸林再生プロジェクトの作業に行ってきました。昨年播種をして育ててきた苗、約9万2千本分の床替移植のための仕分け作業です。クロマツの成長はそれぞれ違うため、床替移植する前に大、中、小に仕分けを行います。苗を仕分け、肥料や水を与える量を変えて、全体的に同じぐらいのサイズに成長させるための重要な作業です。
仕分け後は床替移植の準備のために穴を堀り、根元が乾燥しないように土をかぶせました。一日の作業で約1万9600本の仕分けを終え、1万4200本の苗の根元に土をかぶせました。
4月でもまだ寒い中での作業は身にしみましたが、一部でありますが自分が行った作業が大きな効果を生むことを想像すると一生懸命作業できました。そして一緒に作業した海岸林再生の会の皆様からいろいろ教えていただき、勉強することができました。
当然、今年度は事業量増大
海岸林再生プロジェクトは、今年度、飛躍的に事業量が増大します!
育苗は2年目となり、前年度と異なる仕事内容が加わりますので
現場ではみんなで、しばしば自主研修をしています。
【現場実務の前年度との比較】
| 現場実務 | 24年度 | 25年度 |
|---|---|---|
| 育苗作業時間 | 1,273時間 | 5~6倍に(植栽準備は含まず) |
| 育苗作業者 | 海岸林再生の会メンバー(23名) | 新たな顔ぶれも加える |
| 育苗場全体面積 | 0.61ha | 0.77haに拡張(事務所0.1ha含まない) |
| 育苗場使用面積 | 0.1ha | 0.77haを4月より全面使用 |
| クロマツ育苗本数 | 90,000本 | 165,000本 (昨年播種の1年生苗90,000本+今年播種の75,000粒分) |
| 広葉樹育苗本数 | 0本 | 2,500本(1年後の出荷目標数) ヤマザクラ・クリ・ケヤキ・コナラ |
今年度後半から、これまでの育苗に加え、植栽関連労務が入ってきます。
育苗に関しては「宮城県農林種苗農業協同組合」と実務を進め、
植栽に関しては森林組合等との協働という展開になり、
それらを同時進行で進めるのが平成26年度以降の事業です。
資金獲得、広報啓発などの実務は、今後も減ることはないでしょう。
4月12日河北新報社の朝刊トップに「支援団体、現地態勢見直し」という記事が 出ました。 http://www.kahoku.co.jp/spe/spe_sys1071/20130412_01.htm
3月14日の同誌にも「復興支援NPO正念場」との記事もありました。
「正念場」という言葉は、河北新報社でも、首長のコメントでも特に最近よく出 てくる言葉です。
「(実務の)マンパワー不足」という言葉も目につきます。
一局面の実践部隊の一員として、まさに同感です。
最前線の現状は、行政・民間いずれの持ち場でも同様で、
どこの部隊でも、何とか堪えてきた2年なのでしょう。
「全てがない中での2年だった」という防潮堤建設現場監督の一言を思い出します。
「正念場」。まさに我がことです。
プロジェクト担当の吉田です。 4月8日に名取では 「最大瞬間風速33.4m」と、県内で最も強い風が観測されました。 名取事務所には、いつも以上に砂が入り「雑巾がけばかりしていた」と佐々木統括。 3月は雨が0.5mmしか降らず、4月に入り大雨が続き、農家全体は作業が遅れ気味と。 昨年は4月4日に大風が吹きました。 暴風が日本全国各地を襲う日の4月7日、読売新聞朝刊に「風速」と「瞬間風速」の違いが 掲載されていました。 それによれば、 風速:1秒間に空気が何m動いたか。 瞬間風速:3秒間の平均値。その最大値が最大瞬間風速。 また、気象庁は 風速15~20m:「強い」 風速20~30m:「非常に強い」 風速30m以上:「猛烈な」 と表現。 20m以上:何かにつかまっていないと立っていられない。木の幹が折れる。道路標識が傾く。 35m以上:電柱が倒れる。 40m以上:住宅が倒壊することがある。 *林業では、風速10m以上では伐採などの作業をしないことになっています。一応。 工事現場の吹き流しが真横にピンと張るのが風速10mです。 年に1・2度、気象庁仙台管区気象台仙台空港測候所にお邪魔してお話を伺っております。 今回は、震災前後で霧発生日数に変化があったか、確認しましたが、特筆すべき変化はないようです。 ちなみに平成24年度の気温に関しては 3月:平均気温4.1度 4月:平均気温9.2度 5月:平均気温15.3度 この数日の滞在では4度~13度という気温だったと思います。 風が加わるとちょっと寒いですね。(少し動けば何ともありません) 林業会社勤務時代は、平地の気温が15度だったらHeatec(=タイツ、すててこ)履いてました。 すなわち、山では15度を下回りますから。 昨年の名取では、4月中はHeatecだったことを覚えています。 「今年は寒い」「風が冷たい」という声を、地元の人からよく聞きました。 ですが、「播種は間もなく」という感じです。 名取市役所でも、ソメイヨシノが開花しましたから。
(参考) 仙台管区気象台HP http://www.jma-net.go.jp/sendai/index.html
4月8日の「猛烈低気圧」被害
来年は本格的な植栽が始まると予想していることもあり、
昨年感じた以上に、3月~4月の寒風害の猛威が気になっています。
4月6日は全国各地で暴風雨による被害が出ましたが、
宮城では8日に様々な被害が出ました。奥羽山脈を越え、更に風速を増し、
冷たくなって吹き付けます。なかでも名取の仙台航空測候所では、
最大瞬間風速33.4mと県内で最も強い風が観測されました。
これが地元で呼ばれる「蔵王降ろし」です。
オイスカ第2育苗場に新設したばかりのビニールハウスも、骨組みは無事なものの
ビニールがはがされ、保険対象外と判断され、数万円の被害となる見込みです。
県内の主な被害は
・屋根から転落で重傷1名、バイク・自転車転倒などによる軽傷28名
・住宅全壊1棟(白石市)、半壊2棟(岩沼市)、一部損壊など102棟(19市町)
・漁港で作業船が沈没(亘里町)
・4tトラック数台横転
・複数の高校で臨時休校
もちろん、交通機関は大きな乱れ。
この他、最近時々聞くのは、緊急雇用で、農地などで細かいガレキ拾い
(日給8,000円)をする被災地の方が、砂で目を怪我したという話。
林業関係者からは、植栽し枯れた木を顕微鏡で見たら、傷だらけだったと。
砂が当たったのですね。
参考:日本気象協会HP
「春の嵐が今年も襲来、“猛烈低気圧”に注意!!」
http://www.jwa.or.jp/content/view/full/4924/















