地盤沈下の脅威

2014年3月24日( カテゴリー: 現場レポート )

西日本研修センターの農業研修生10名が現場訪問した際、
「鎮守の神様にお参りしたい」とのリクエストがあり、
名取市海岸林再生の会の鈴木英二会長とともに寄ってみました。

マンホールを指して、「これが地盤沈下の証拠だよ」と。
本当にこれがそうなら、恐らく70cm以上沈下したことになります。
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「名取市 地盤沈下」と検索したら、
国土交通省HP内の宮城南部の地図がヒットしました。
http://www.mlit.go.jp/common/000143300.pdf(国土交通省、宮城県)
こんなに広範囲に海抜0メートルになっているとは…

参考まで、名取市南側の岩沼市、HPには下記のような記述がありました。

仙台平野では、海抜0メートル以下の地域が、
震災前の5倍余りに広がり、高潮などによる災害の危険性が高まっています。
前には、岩沼市や名取市などで3平方キロメートルしかなかったが、
海抜0メートル以下の地域が、震災後には16平方キロメートルと5倍余りに広がっています。
中でも岩沼や亘理では、これまで、ほとんどなかった海抜0メートル以下の地域が、
沿岸部の広い範囲で確認されました。
大潮の満潮時の海面と同じ高さになった地域も
、面積は前の32平方キロメートルから56平方キロメートルに増え、
名取や岩沼では海岸からおよそ5キロメートルの地点まで広がっているところもありました。
さらに、昭和55年に過去最も高い潮位を観測し、
沿岸部の住宅が流された時の海面と同じ高さになった地域も、
前の83平方キロメートルから111平方キロメートルに広がっていることがわかりました。
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個性

2014年3月20日( カテゴリー: 本部発 )

マツにも個性があります。
成長もバラバラ。
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コンテナの穴のサイズを大きく飛び出して成長しているものもあれば
ちんまりとかわいらしくゆっくり育っているものもあれば
短く太い葉をいっぱいつけているものもあるし、
中にはサボテンの一種じゃないかと思ってしまうような色や形のものもあります。
どれも昨年播種したマツです。
肥料の偏りなども成長に差が出る原因ですが、もともと種子が持っている力の差もあるようです。
どの苗も海岸で立派に育ってもらいたいものです。

春の準備

2014年3月19日( カテゴリー: 本部発 )

広報の林です。
突然ですが、皆さんは冬物をいつしまいますか。
セーターなどしまってからまた寒さが戻ってきて
「あ~しまわなければよかった」
なんて経験ありませんか??
私は寒がりなので、暖かくなってもまたいつ寒さが戻るか分からなくて
いつも5月ぐらいまでなかなか冬物がしまえないままでいます。
先日マツが厚着をしているとお伝えしました。
3月16日に育苗場に行くと、寒い間、頂芽に白いモコモコをまとって
冬眠していたマツが起き始めていました!
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この前まで真っ白だったのに。
白いモコモコを脱いで茶色になっていました。
これから成長が始まります。
でも、もしまた寒くなると大変。
人間と同じように「しまった! 脱ぐんじゃなかった」と後悔することに。
人間はセーターをまた引っぱり出して来ればいいのですが
マツはそういうわけにはいかないようです。
このまま春になってくれるといいのですが・・・。

誘導灯

2014年3月18日( カテゴリー: 本部発 )

CIMG4136「海岸林再生プロジェクト」の視察に来られた方の多くはこの誘導灯を見れば「ああ、あそこね。行った、行った」と思うことでしょう。今は、盛り土を見てもらうポイントですが、かつてはなぎ倒されたクロマツがそのままになっていたため、被災状況を理解してもらうために必ず見てもらうポイントでした。

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2012年9月の踏破ツアーの時、
まだクロマツはそのままでした


 
 
 
 
 
 
 

ここにいるとたくさんの飛行機が頭上を飛んでいきます。

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2012年3月に撮影

いつか、これから植林が始まるこのエリアを
飛行機から見てみたいなぁと思っていたところ、
そのチャンスが到来しました!
愛知出張から名取の現場に行くことになり、セントレアから仙台へ。
運よく窓側が予約できたため、楽しみにしていました。
機内では「富士山が右側に見えます」「猪苗代湖が右後方にご覧いただけます」と
景色を楽しむためのアナウンスがあり、
まったく地理がダメな私も今どのあたりを飛んでいるのかがよくわかりました。

そしていざ、誘導灯へ・・・・・・というときはすでに夕方6時を回っていました。
外は薄暗く、盛り土は見えるのだろうかと心配していましたが、見えました!
北釜にぽつんと一軒ある鈴木英二会長の自宅も!(写真がなくてすみません)
一瞬ではありましたが、地上から見るのとは違うスケールで
盛り土が広がっているのが分かりました。

次は明るい時に見たいなぁ・・・。
次回も名取へは地方出張の後に行くことにしよう。

西日本研修センターの芝田です。
3月4~5日、農業コース11名と家政科コース1名の計12名の研修生が宮城県を訪問し、プロジェクトを視察しました。

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海岸林再生の会の鈴木英二会長のお話


初日は海岸林再生の会の鈴木英二会長のご自宅を訪問し、震災当時の状況や現在離散してしまったコミュニティについて、またふるさと復興への思いを、写真や実際津波の被害にあったご自宅を前にお話しいただきました。研修生は震災の事や大津波、またそれが及ぼした被害について、インターネットやニュース、また訪日後は研修センターでの視察前学習である程度勉強はしていたが、実際現場に立ち、また被災された方から直接お話を聞くことで津波の恐ろしさ、被害の深刻さ、何より被災された地域の方々の思いを肌で感じたようで「震災や津波は恐ろしい」「被災地に対して何か私たちにできることはないか?何か協力したい」と言っていました。また、インドンネシアやフィリピンの研修生は大地震や台風などで自国も被害を受けているため、震災時苦労した点や津波が来た場合どうすべきか?家族は?コミュニティは?など、深く関心を持って質問していました。
再生の会の森さんと

再生の会の森さんと


2日目は農家の方々のハウスで作業をお手伝いしながら震災当時の畑の状況や復興するまでの過程など色々とお話をうかがいました。
帰国前最後の視察研修となった今回、実際に自国で災害を経験した研修生やこれから現地で植林プロジェクトを行う者などがいる中で、一人ひとり多くのことを勉強できました。そして、被災された方々との交流の中で、それぞれが口を揃えて言ったことは「決して諦めないという強い心に私たちが元気をもらった」「そのことが本当に素晴らしい」ということでした。
彼らはふるさとに帰ります。さまざまな困難な状況がある中、ふるさとや家族への思い、そしてどんな状況でも「あきらめない」この言葉を一人一人がしっかりと心に刻み、「一緒に頑張りましょう!」と皆さんとお別れした時の気持ちを忘れず、元気に何事にも前向きに頑張ってもらいたいと思います。
担当者よりプロジェクトの説明を受ける

担当者よりプロジェクトの説明を受ける

お茶と松

2014年3月14日( カテゴリー: 本部発 )

広報の林です。
「海岸林再生プロジェクト」に携わるようになり、“松”と聞くと反応してしまう私。
数年前からお茶を習っているのですが、
お茶の世界にも時々松が登場します。
風情があるなぁと思うのは、“松風”。
お釜に入ったお湯がしゅんしゅんと煮える音を“松林に風が吹く音”だというのです。
私の地元、浜松市には浜松城のすぐ下に“松韻亭”という
松林に囲まれたお茶室がありました。

私の棗
(抹茶を入れる容器)


                                                           ←お菓子やお道具の文様(柄?)には“敷き松葉”が出てきます。
敷き松葉というのは、日本庭園などで見かける冬支度で、苔を霜から守るため、苔の上に松葉を敷くそうです。
お茶の世界というより、日本の文化・生活の中に松が根付いているということですね。
 

MVP発表!

2014年3月13日( カテゴリー: 本部発 )

国際協力ボランティアの木村です。
だいぶ前の話になりますが・・・。
2月22日の第一回定期活動報告会と23日の視察ツアーにご参加いただいた皆さま
そして会の開催にご尽力していただいた関係者の皆様、本当にありがとうございました。

無事終了したものの、多くの反省点がたくさんありました。
初めてこのような大きな会を体験した私は多くの失敗をしました。
しかし、その失敗をカバーしてくださるたくさんの協力者がいたことに感謝の気持ちでいっぱいです。

誠に勝手ながら、「私が選ぶ貢献MVP in 第一回定期活動報告会」はおふたりいらっしゃいます。
1人目は四国支部、事務局次長の池田さんです。
彼は香川県から夜行バスと格安飛行機で、0泊3日で駆けつけてくれました。
当日はご来賓の対応など積極的にしていただきました。

受付対応、みんなで がんばりました

受付対応、みんなでがんばりました


2人目は本部でボランティアをしてくださっている徳田さん(写真左)です。
(当日の感想などオイスカのブログで綴ってくださっています)
徳田さんには、事前準備の段階で、参加申込書の取りまとめ、受付用の名簿の作成などをしていただき、本当に助けられました。そして、いつも「木村さん、何か他にお手伝いすることはないでしょう か」と私を気遣いながら積極的に作業を進めてくださいました。
自分の力不足を痛感するとともに、それを補おうとサポートして下さる先輩たちの存在の大きさを感じました。皆さま、本当にどうもありがとうございました。
写真展で説明をする 再生の会のメンバー

写真展で説明をする
再生の会のメンバー

前回の宮城出張

2014年3月12日( カテゴリー: 現場レポート )

遅くなりましたが、先週の報告です。
4日ぶりに東京に戻ると机の上には、届いた書類と伝票、決済の山、
部のみんなの報告・相談が待っていました。
騒がしいオヤジが帰ってくることへの申し訳なさも少々。
日曜日。
宮城県庁自然保護課からのご依頼で、
新しく森林インストラクターに認定された方に活動を紹介。
パソコンの操作が上手くいかなくて冷や汗。
映像処理の事を若い衆にもっと教わらねば。

月曜日。
仙台での資金獲得回りと、名取事務所での事務。
植栽現場も少々歩く。佐々木統括の帰宅の車に乗り込み、
車中、諸処話をしながら松島経由で仙台のホテルに宿泊。
火曜日。
DSC_0072宮城テレビ放送での打ち合わせ後、オイスカ西日本研修センターで11ヵ月間の農業研修を終えた研修生12名と合流し、
海岸林再生プロジェクトの現場説明と、名取市海岸林再生の会の鈴木会長からの説明。第一育苗場の農家の皆さんが、自分の農業ハウスを増設している現場にも。
夜は、松島海岸駅近くの湯ノ原温泉(知る人ぞ知る熱湯)で、地元オイスカ会員との交流会。宿泊費が安く、食事もおいしい。客でもなんでもビシバシくる女将さんとは3年のお付き合い。久しぶりに会話ができて、ちょっと嬉しい。
水曜日。
第二育苗場の方たちの農場で、小松菜収穫後のハウス内除草をお手伝いしながら「農業」の話を。
やっぱりオイスカの研修生はたった一言の指示で機敏に動ける。
除草と言っても、安心して受け入れてもらえる。雨降りのため、足元の泥濘が半端なく。
私は途中で離脱し、オイスカ宮城県支部の亀井昭伍会長、小野事務局長とともに、
フィリピン台風復興のためにご寄附をくださったロータリークラブのガバナーを訪問し、
感謝状を贈呈。
夕方は、駅から10分の宮城県支部事務所で事務。

IMG_20140305_184920-1 smallIMG_20140305_191037 small帰京前に、お決まりのラーメン屋へ。
1件目は既に行列のため、経済同友会のFさんに教えてもらった店に。一杯だけ生ビールを飲んで。
 
 
 
 
IMG_20140306_125622 small帰宅すると、高校に合格した長男はスマホを買い、娘からは「足が臭い」と言われ、4歳の息子は初めての似顔絵をくれました。ないはずの髪の毛が描かれていたのですが、なぜか赤毛。あまりにもひっどい顔だったので、家族全員が腹を抱えて爆笑。
数日おいてまた宮城に来ています。今回は7日間。震災から71回目。年間何日宮城にいるのか、自己管理の上で把握しておかねば。
 
 
 
 
 

「あきるぅ~~~~!!!」

2014年3月11日( カテゴリー: 現場レポート )

広報室の林です。
2週間ぶりに訪れた名取では学校や地域で追悼式典が行われていました。
私も震災の翌年から2時46分には宮城県で黙とうを捧げています。

この日も再生の会のメンバー3名が育苗場でコンテナ苗の
草取り作業に来てくださっていました。
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外からハウスの中を覗いて声を掛けると
「あれ~久しぶりぃ~・・・じゃないか。この前も会ったねぇ・・・」と
いつもの調子で迎えてくださいました。

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外は寒いけど、ハウスの中はぽかぽか。
私も早速仲間に入れてもらうと女性2人が「小さいけど、マツ痛いから。素手じゃダメダメ」と。確かにちくちく攻撃されます。「いいや~大丈夫だよ~。この人の手は男とかわんねぇ、ごっつい手なんだからぁ」といじわるなMさん。そういえばMさんも素手で作業をしています。
ちくちくマツに攻撃されながら、草と一緒に小さなマツが抜けないように気を付けながら丁寧に丁寧に草を取っていると、Mさんが突然大きな声で「あ~~~あきるぅ~~~~~!!!年寄りはすぐ飽きるんだぁ」と。
草取りは重労働ではないものの、単調な作業ですから、朝からただただ草と格闘していればMさんでなくても誰でも飽きてしまいます。夏にもSさんが言ってました。「草取りはホント飽きる。でも終わった時きれいになると嬉しいんだよなぁ」と。
 

Mさんも「ほら、オレがきれいにしたところ、写真撮って」と。

こちらが草の生えたコンテナ

こちらが草の生えたコンテナ


こちらがきれいになったコンテナです

こちらがきれいになったコンテナです


 
 

→→→→

 
 
 

 Mさん、いつも作業おつかれさまです。
今度おそろいの軍手を買ってプレゼントしようかなぁ・・・。
冷やかすおばさんたちの様子が目に浮かびます(笑)。

足跡

2014年3月10日( カテゴリー: 現場レポート )

IMG_20140303_145302-1 smallこの足跡はなんでしょうか?まだ、調べる余裕はありません。
車のライトを点けると、タヌキの目が光る時があります。
それに加えて、何種類かのもう少し小型の動物がここにも戻ってきたのでしょう。
朝はキジの鳴き声がたくさん聞こえます。しかし、震災から3年。ヘビは今年も見ませんでした。野良猫や野良犬は全くいません。
いずれも海から1.4kmの第一育苗場内です。
周りに人家はなく、復旧工事が進む畑と、不耕作地や元の宅地に震災後、急激に増えた、農業の大敵の外来種セイタカアワダチソウなどが生い茂るヤブ。
動物にとって隠れるところには困りません。
 
例のコブハクチョウは、農地の復旧工事がこの地でも本格化したため、
どこかに行ってしまいました。広浦あたりで悠々と暮らしているでしょう。
日没後は空港の光しかありません。
先日、育苗場の地主さんの焼却炉が盗まれ、物騒です。(我々もセコムします)
泥棒もしっかり足跡を残してくれるといいのですが。
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