心強い支援者 オイスカ豊田推進協議会
愛知県のオイスカ豊田推進協議会(以下、豊田推協)は、
オイスカ会員の方々からなる会で、長い間オイスカを支援してくれています。
この海岸林プロジェクトが始まってからは、
こちらにも目を向けて支援してくれていて
会としてだけではなく、会員さん個人でも色々な活動で支援して下さってます。
その豊田推協が6月5・6日の2日間、ボランティアに来てくれました。
今回参加してくれたのは光岡会長をはじめ、20名。
6月5日(木)
12時に仙台空港到着。
空港を出発し、鈴木英二会長の旧宅を視察。
会長自ら説明をしていただきました。
防潮堤を見学した後、活動場所へ。
この日の活動は、根踏み・チップの根元寄せ。
年齢層が高く、中には80歳以上の方もいましたが、
そんなこと微塵も感じさせないくらい
集中して作業に取り組んでいただきました。
その後、育苗場へ移り、草取りを行いました。
農業経験のある方が多いので、草取りも速い!
約30分でほぼ1畝という速さでした。
夜は、鈴木英二会長・オイスカ宮城県支部の小野事務局長も参加しての夕食会を行いました。
6月6日(金)
午前中に閖上地区など被災地を視察しました。
日和山や閖上中学校などを視察し、
改めて津波の被害の大きさを実感した様子でした。
午後は苗場で草取りの続きをしました。
皆さん、地味な作業でも何一つ文句を言わず、
むしろ楽しんで作業をしているように見えました。
1回休憩をとった以外は、途中で雨がぱらついても
誰も手を止めることなく作業をしてくれていました。
16時に作業を終え、夕食会場へ。
夕食後、帰路に就きました。
全体を通して、豊田推協の方々はお客さんではなく
自ら進んで手伝いたい!という気持ちを持ってきてくれている
という印象を受け、光岡会長をはじめ、参加された一人ひとりが
真剣にこのプロジェクトに向き合ってくれているということを強く感じました。
参加された皆さんから、
学ぶことがあり非常に充実したツアーだった
これからも出来る限りの支援を続けていきたいとの声をいただきました。
梅雨入りして、名取も大雨に見舞われています。
土曜日半日、事務所でゆっくりし、昼前から現場に向かいました。
植栽後の保育作業として、今日も施肥が10人工で続行されていましたが、
土曜日だし、午後は早上がりになりました。
多雨・長雨は、根腐れにつながります。
水捌けの悪い箇所とその対策を、宮城中央森林組合作業班と情報交換し、
私は全体を実踏。4月28日の最初の植栽地から、5月28日の最後の現場までじっくり歩き、
雨の日こそ、水捌けの悪い場所を把握して、その対策を打つために。
歩きながら考えると、直後の対策だけでなく、来年以降のアイデアも浮かびました。
一晩中、強い雨が続きました。
そして海からの強風も。
雨風で2度も目が覚めました。
潮風が思い切り苗に吹き付けているはずです。
海から1.4kmの名取事務所では、トイレのために表に出ると
波の轟音が聞こえてきます。
震災前は、風も砂のみならず、波音も松林が静めていたと思います。
海外のマングローブの現場で、一夜で全滅という話は幾度も聞きましたが、
そういうことが現実的にあると思いました。
タイ東北部の乾燥・洪水の繰り返しの場所のことも思い出しました。
日本の山ではそういう心配はしなかったですね。
先は長い。心配しすぎても仕方ない。
よし、東京に帰ろう。また来週来るのだから。
心強い支援者 井上さん その2
昨日の続きです。
【植樹祭当日の感想】
空港から参加者用の無料バスにのりました。
名取市の職員の方々の誘導がにこやかでとても気持ちよい出発でした。
ただ、バス到着地から植樹祭入口までのダンプ道の歩行誘導は
前日打ち合わせのようにはいかず、多くの人は道の真ん中や左側を歩きました。
バスの中で案内が必要でした。私が案内してもよかったのにと反省しています。
快晴・無風。
飛砂で肌が痛いとか、表土に撒いた木材チップがなくなっているといった名取特有の強風がまったく想像できない絶好の気象条件でした。どなたかがおっしゃった「名取の気候をなめてしまいそう」の言葉が印象に残りました。
植樹祭参加者が、支援企業代表以外は宮城県民とくに名取市民だったことに「将来のメンテナンス担当者は地元の人たち」の考えが貫かれていると思いました。産直の会や農協婦人部の女性のみなさんの参加は将来を考えると心強く思いました。この方々のリードで、海岸林の保育の活動にご主人や子どもさん、お孫さんの参加が得られるのではないかと。
「名取市海岸林再生の会」の鈴木会長のお孫さんの参加があり、小さな子でも立派に植えていました。リード次第なのだと思いました。海岸林の保育の将来の担い手を意識した、地元の子ども達の植栽や保育への参加イベントが必要と思いました。そのためには地元の子ども達をリードするボランティアリーダーの育成が求められます。今回参加した大学の学生さん達はその候補生ではないかと思いました。
「もう一回やって!動画撮りたい」と森林組合の人に思わず声をかけました。木材チップをどけて、唐鍬を一発で首元まで突き立て、柄を前方に押して手前の土 を起こし、左手で苗袋から苗をとり、右手で柄を手前にひいて地面に隙間をあけ、苗を挿しこみ、鍬を抜くと同時に両足で土を踏み、木材チップを寄せて植栽完 了。1分かかったかどうか。「1日6時間の作業時間で300本植える人がいる。」と聞きましたが、本当なのだと納得した瞬間でした。「この日までの6万本 は全て活着。植え直し用の苗が不要」と聞きました。スピードと確実性、プロのすごさを実感しました。
森林組合の事後点検の結果、植え直しがゼロだったと聞きました。
森林組合の方々のリードがよかったおかげであり、前日のミーティングが活きたと思いました。
心強い支援者 井上さん その1
かわさき市民アカデミー・川崎市早野聖地公園里山ボランティアの井上文雄さんが
「植樹祭に参加して」と題した感想文を寄せてくださいました。
抜粋してご紹介します。
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撮影要員として植樹祭に参加させていただきました。
すでに、その模様を、写真6枚のA4版ニュースにまとめて、
かわさき市民アカデミーの受講生に見てもらっています。
私は、植樹祭前日に名取に入り、植栽地の広葉樹の活着状況、
根元直径・丈の調査に同行、前日合同ミーティングと
植樹祭記念柱を立てる作業にも参加させていただきました。
【植樹祭前日の感想】
植栽盛土の条件の厳しさを知りました。
盛土のノリ面に雨水が造った崩壊とも見える流れの跡、植栽地を十文字に走る排水路。盛土断面の露頭には岩や石がごろごろ見え、「月面のガレ場に植えるようだ。」と太田先生がおっしゃったことがよくわかりました。
また、ノリ面の排水管がまだ設置してないところがあり、水はけの悪さは想定外だったのではないかと思えました。ただ、水はけの悪さは、山砂の保水力の発揮ということでもあり、苗木の活着には有利に働くとも思いましたが、長期的にはどうなのでしょうか。
前日ミーティングで「植樹祭は遊びではやらない。」発言を聞きました。担当の吉田さんが「工事車両の通行を妨げてはならない。ダンプカーが優先だ」と言い切ったのは、私にとっては耳新しく「地域全体の復興」を第一に考える姿勢が貫かれていると感心しました。また「事故があっては、2年以上かけてつくってきた苗に申し訳ない。」の言葉に気持ちがひきしまる思いがしました。
植樹祭当日の感想はまた明日ご紹介します。
エルニーニョと名取の植栽現場
本題と異なりますが、NHK Worldのホームページで、
5月29日放映の動画をご覧いただけます。→→→コチラ
英語版。4分間。ぜひご覧ください。日本語版は再編集を経て後日放映。
今年は5年ぶりのエルニーニョ現象がすでに始まっているとの報道は、すでにどの新聞でも出ており、
名取事務所でもたびたび話題になっています。
5月11日の読売新聞「晴考雨読」によれば
「(エルニーニョとは)スペイン語で「特別な男の子」、つまり神の子であるイエス・キリストを意味している。
(中略)クリスマスの頃から始まる現象なので、キリストの名を使った」とのこと。
「(日本では)大雨が頻発する夏になりやすい。
最近では2009年夏にエルニーニョ現象が起き、(中略)
中国地方や北陸、東北では、梅雨明けの特定しにくい夏となった。
天候不順で農産物の生育が遅れ、野菜の価格が一時的に急騰」
「7月は集中豪雨が多発する恐れがあり(中略)夏の気温が平年よりも低い冷夏になる可能性もあります」
海岸林の事だけ考えれば、冷夏は、クロマツの成長には◎。
多雨は、水はけの悪い名取の現場に関しては根腐れの恐れ大。
今年の春は、心配していた「二つのカンプウ(寒風・乾風)」が去年ほどではなく、3月下旬から延々続いた乾燥注意報のなか、もはや限度と思い、4月28日より植栽を開始。
その直後に、文字通り「穀雨」が、中1週間程度の間隔で降ってくれました。
現在の非常に良い括着率は、植栽間際までの工夫と丁寧な仕事などの努力以外に、この様な幸運も背景にあると思っています。
ANA、マイルでプロジェクト支援を!
これまでにも多くのご支援をいただいているANAさん
マイレージポイントのご寄附
寄附金つき商品の販売
チャリティオークション収益の一部のご寄附
全機内のテレビにて乗客向けに本プロジェクトへの協力呼びかけ
海岸林視察ツアー(2011年10月)時にはボーイング787型機就航記念として
特別に成田-仙台間をフライトし、160席をツアー参加者用に無償提供してくださいました。
多くのご支援に感謝です!
そして今回は、6月環境月間として当月限定で「東北海岸林再生マイル」をご寄附くださいます。
【申込み期間】 2014年6月2日(月)10:00~6月30日(月)23:59<日本時間>まで
と期間限定ですので、ぜひこの機会にANAマイレージのご寄附をよろしくお願いします!
詳しくはコチラ
テレビでも、ネットでも…
テレビでも、ネットでも、日本でも、世界でも
海岸林プロジェクトの様子が分かるチャンスです!!
NHK Worldで5月29日に放映されたものがホームページに掲載されました。
4分間の放送です。6月いっぱいご覧いただけます。
ホームページはこちら
もう1つ…
日本語 再編集版の放送日が決まりました!
6月5日(木)『てれまさむね』(18:10~19:00)にて放送されます!
放映後7日間は『てれまさむね』ホームページの
ピックアップ動画から見られます。
てれまさむねホームページ
どちらも植樹祭の様子とともに
名取市海岸林再生の会の第一育苗場班長の大友英雄さんが紹介されています。
テレビでも、ネットでも・・・ぜひご覧ください!!
5月28日、15haの植栽すべて完了
今年度計画した15haの植林は、
おかげさまで無事完了しました。
それも多くの方のご尽力のおかげです。
心から御礼を申し上げます。
「海岸林再生プロジェクト10ヵ年計画」の
大きな特徴の一つは、育苗~植栽~育林の一貫施業。
一手に引き受ける林業会社は全国的に見ても極めて稀だと思います。
震災復興の現場で、100ha再生の規模の規模で取り組むのは唯一の存在です。
プロジェクトは、育苗班:名取市海岸林再生の会と、
造林班:宮城中央森林組合が車の両輪として担います。
オイスカは運転手。コーディネーターです。
公的資金をいただかず、震災復興計画そのものに民間として協力し、
復興の一端を担う覚悟で文字通り一体となって取り組んでいます。
植栽の本格的準備は、3月17日に開始しました。
2年間丹精を込めて育ててきた苗を「トラクターによる根切り」から始まり、
掘り取り→選別→人力による根切り→本数管理→仮植を延々継続。
4月21日 造林講習会
4月28日 植栽開始
5月28日 15ha、75,000本の植栽完了
育苗班は毎朝7:00、
仮植床から苗を掘り取り、正確に本数管理した上で、
タップリ水に浸し、200本ずつ藁に包み、森林組合の車両に積み込みます。
これを「出荷作業」といいます。
それに加えて、来年植栽用の苗の世話、再来年植栽用の種播きが加わります。
そして造林班は一日300本/人目標に、休憩や植栽準備・後片付け等を除き
実質6時間植栽作業を行いました。山の植栽よりもキツイです。
平らだから。斜面で植えるのは植栽穴が近いので、平らな所より楽です。
腰に来ます。普通の人だと午前中でダウンするでしょう。
それを毎日ですから。
本当にチーム一丸になって、必死で働きました。
取材対応、行政等の視察も相次ぎました。
この3ヵ月で1,000人近い人が現場に来ました。
4・5月のボランティアの日等で200名以上に、大いに働いていただききました。
私自身、現在は東京の自宅に帰ってリセット。
また今週後半に出直します。
これからは昨年以上の往復の日々になります。
林業労働者の若い人に言われました。
「歴史的な大事業に自分が加われたことは本当に誇りです。
これからも僕らを使ってください!」
「誇り」という言葉を彼らから直接聞くことができるのは、
まさに担当者冥利そのものです。
「おあそびの植樹祭はやらない」~植樹祭前日ミーティング~
植樹祭の前日(5月23日)夕方1時間、オイスカ、再生の会、宮城中央森林組合、名取市役所との
4者合同ミーティングを行いました。
誤解を恐れず申し上げますと、林業関係者全般に「植樹祭はお遊び」という気持ちが少なからずあるように思います。
参加者側もイベント感覚の人がいると思います(服装を見るとわかります。上着のチャックをせず、はだけて、しまりがない等)。
まずは、植付を指導する人、再生の会メンバー、行政、オイスカなどの裏方から、イベント意識・気の緩みを一掃し、しっかりした植付指導、安全管理に務めたいと考えました。
植付方法の再確認、歩行時の危険箇所(植栽現場付近は、復旧工事が休みなく続いていて、大型工事車両が行き交っています。ダンプカーとの接触の危険回避はもちろん、横断のために停車させることのないよう
工事車両優先の原則を確認)、参加者同士のよくある怪我などを「具体的」におさらいし、
「お遊びのような仕事に絶対しない」
「けが人を出さない」
「指導が悪ければ枯れる」
「もし指示を聞かずに勝手なことをする人がいれば、遠慮は無用。厳重注意する」と指示。
まず、森林組合の人たち、再生の会メンバーの表情が一気に変わりました。
当日は、指導者としての目的を明確に持って、粛々と分担を担っていただきました。
終了後、1ha5,000本を全員で点検した結果、
植え直しは1本もなし!
名取の人は道具の扱いが上手。しかも早い。JA名取岩沼の女性部、産直グループ、農業委員会の方が大勢いましたし。
加えて、指導者の指示や説明をしっかり聞いていただいたのだと思います。
「植樹祭の後は、やりなおし」という話を宮城以外の各地でも何度も聞いています。
そんな現場に関わることは、プロとしての誇りを汚されると私は思います。
そして、汗水垂らして苗木を育ててきた人たちに対し、何よりも失礼なこと。
目的をもってボランティアを受け入れ、ボランティアが再生への一端を担ったと
プロからも評価される姿を目指します。
植樹祭が終わる時には二重の虹の祝福もうけて、会心の出来でした。
参加者のみなさん、裏方の皆さん、ありがとうございました。
心強い支援者 仙台トヨペット
仙台トヨペットは、「海岸林再生プロジェクト」が始まる前から
オイスカの活動に支援を続けてくださっている企業さんです。
東日本大震災では自分たちも店舗などがその被害に遭いながら
「自動車整備など本業を通じて地域の復興に貢献しよう」と
力を注いでこられました。完全に復旧するまでの約1年、
その過程では、全国からたくさんの支援を受けたのだそうです。
毎月プロジェクトに寄附をしてくださっているほか、仙台市内で開催の写真展の会場に、現場でのボランティア経験豊富な社員さんが終日説明に立ってくださったり、毎月開催されるボランティア活動には新入社員の皆さんが参加してくださったりと取り組みはさまざま。
印象的なのは、日頃事務をしているという女性新入社員の皆さん。この春高校を卒業したばかり! という若者もいて現場は華やかに!
4月のボランティアでは、すぐに砂埃で真っ白になってしまうプロジェクトの車両を隅々まできれいにしてくださいましたし(まだ寒い時期。冷たい水での洗車は大変なことなのです!)、5月のボランティアでも鍬を手に、ひたすら慣れない作業に没頭していただきました。
作業終了後、疲れは隠せないものの「楽しかった」と皆さん口にしてくださいます。他部署の社員と普段と違うことに集中して取り組み、それが海岸林の再生につながっているということへの喜びを素直に語ってくださる皆さん。 若者の力がプロジェクトの大きな力になっています。