7月18日(土)ボランティア報告 その2 休憩編
7月18日(土)ボランティア報告 その1 作業編
台風の影響で天気が心配されましたが、パラパラっと降ったぐらいで
作業にはまったく問題ありませんでした。強力な晴れ男・晴れ女がいるのでしょう。
今日も午前は草取り、午後は溝切りも体験してもらいました。
まずは吉田から“つぼ刈り”を説明。
どうしても雑草を全部やっつけたくなるのですが、私たちが草刈りをしなければならない現場は26ha(もちろん来年以降どんどん増えていきます)あります。几帳面に全部刈っていく余裕もその必要もありません。
まずポイントとなるのは、マツに注ぐ太陽を遮ってしまう雑草を刈るということ。その範囲はマツの枝から30㎝ほど(鎌の柄の部分ぐらい)。
背が低く広範囲に生えているクローバーなどは、地温の上昇や飛砂を防ぐ効果もありますからあまり神経質に刈り取らなくても大丈夫。
皆さん吉田の説明通り作業をしてくださいました。

午後は、作業の前に東北学院大学大学院の菊池先生の講義を受けました。
20分でわかる防災林の歴史。
これまで知らなかった海岸林の歴史など興味深いお話がたくさん!!
一番驚いたのは、マツは食用としても重宝されていたということ。皮を剥いで餅などに混ぜて食べるそうで、天保の飢饉の際には多くのマツが食用とするために皮を剥がれ、劣化してしまったのだそう。
ほかにも興味深いお話がたくさんありましたので別の機会にまたあらためてご報告します。
初の試みでしたが、マツの木の下の青空教室はなんだかちょっぴり楽しい気分でした。

講義のあとは溝切り作業。
畑を耕して畝を作っているようにも見えますが、これは、水はけの悪いところの排水路を作る作業です。
畑仕事に慣れている方はすぐに分かります。もちろん慣れていない方も。
午前中の草刈りもハードだと思っていたのに、溝切りが始まると草刈りはウォーミングアップだったことが分かります。
「いろんなボランティアに参加してきましたが、今回はかなり大変でした」とおっしゃる方も……。
おかげさまで雑草もだいぶきれいになりました。
またすぐに伸びてくる草との闘いは続きますが、引き続きよろしくお願いします。
皆さんおつかれさまでした。
夏のボランティアの仕事シリーズ③ 「溝切り」(根腐れ防止)~明日はこれです~
名取は7月16・17日と大雨。現場には無数の水溜りが出来ています。
平成26年度植栽地は、昨年徹底して「溝切り」をやりましたが、
今年の現場はまだ緒に就いたばかりです。
明日7月18日(土)のボランティアの日は、最優先でこれをやります。
8月も9月もやるでしょう。
昨年、気休め程度、半信半疑に思いながら、北海道の襟裳岬で排水の重要性を共に学んだ森林組合の現場代理人、佐々木秀義君と、二人で少しづつ「溝切り」を始めました。
雨が降るとずっと水たまりになる場所は決まっています。
その排水をして、根腐れ防止にならないかと。
それが案外効果があることが分かってきました。
佐々木統括からもGoサインが出ました。
どうせやるなら徹底してやろうと、昨年8月の「ボランティアの日」、真剣に始めました。この日は市長も参加していました。
林野庁が設計し、ユンボで掘った大きな排水路に向かって、水溜りから最短距離を唐鍬で掘り進め、雨水を落とし込みます。
クロマツとクロマツの植栽木の中間を通さないとクロマツが流れてしまいます。
ボランティアの皆さんには、「最初から100点を目指さなくていい。まずは水が通るきっかけを作ればいい。
大雨が降ってたくさん水が溜まったら、その水が、人の手による溝を自然に流れて、自然に相応しい溝が出来る。次に来たボランティアが、その溝を補修して、さらに機能させる。3段階でいい溝が出来る」と指示しています。
自分では難しい場所に当たったら、
①近くにいる人に助け舟を求める(まず騒ぐ)
②次のボランティアや、オイスカ職員に託す(諦める)
このように指示しています。我々も諦める場所もありますから。
ですが、これが案外おもしろい。
子どものころ、公園で遊んだ時のようです。
上手に溝を作ると、面白いように水が流れる。調子に乗ってやっていると止められない。私、雨の休日に、一人でハマってしまったことがあり、最後には握力がなくなっていました。
やると決めたら徹底してやって、また来年、効果を確認したいと思います。
基本的に、前年しっかりやった場所は、翌年はやる必要はないと考えています。
夏のボランティアの仕事シリーズ② 小さなつる草の抜き取り
「葛」もつる草ですが、この他に昨年は4種類。
管理面積が16haから26haに増え、盛土完成から
約2年経った今年は、草の出方も変わり、つる草も6種類に増えました。
目の敵にしているのは、我々が「1区」「8区」と呼ぶゾーンに、特に集中的に出ている小さなつる草。佐々木統括が「音を立てて種が飛び散る」と言いました。育苗場の水道の脇にもあります。
すべて抜き取るつもりで、ボランティアの皆さんが何度抜いても、
抜き忘れもあるし、また発芽してきます。
プロは草刈機で仕事します。
根が残ってしまいます。
抜き取りは、ボランティアならでは。
これにはプロはかないません。
今年は「徹底した抜き取り」を方針としました。
前の人が見落としても、次の人が抜き取る。
「自分がクロマツになったつもりで、つる草を抜いてほしい」といつも言っています。
「除草剤を使わないのですか?」
これもよく聞かれる質問です。
どんな間違いがあるかもしれません。
恐ろしくてとても出来ません。
夏のボランティアの仕事シリーズ① 「葛刈り」
「葛ってどれだか判別できる人は手を挙げてくださ~い」
毎年夏は、毎回この質問を繰り返します。
手を挙げる人はごく少数です。
ですが、名取の葛刈りを味わい、空き地などで何気なく見ていたたものが「葛」だったことを知りふとした時に改めて名取の海岸林を思い出して下さっていることでしょう。
名取に来た皆さんは、クロマツだけでなく、いくつかの植物を覚えていただきます。
「葛もち」「葛根湯」など人とのかかわりも多い植物ですが、林業の者からすれば、植栽した木に絡みつき、木は曲り、日照を遮ります。
しかも、強烈な繁殖力の、多年草。
「1日1m伸びると思え」佐々木統括はそう言います。
冬場には長さ1m×20cmの「葛芋」が出来、よく夏に溜め込んだ栄養を爆発的に使い、
四方八方に、根もつるも伸ばします。伸びたつるも、あちこちに着地点を作り、またそこに
根をおろし、そこから四方につるを伸ばします。
「山芋理論」と佐々木統括は言います。
爆発的に養分を使って、疲れている夏こそ、集中的に刈り取るタイミング。
ボランティアの皆さんには、「芽が出たての小さなモノを見逃さないで」と指示します。
長く伸びたつるは、根元を手繰り寄せて探し出し、やり残しなく根元で刈り取るか、雨上がりなど地面が柔らかいときは、抜くことにも挑戦していただきます。
1点から数本のつるが出ます。
見落として、刈り残さないことが注意点です。
仕留めた葛は、防風柵などに引っかけたり、作業道の真ん中に置いて、次のボランティアに、「ここ、葛出るよ」とサインを残していただきます。
まだ、薬剤で枯死させることは考えていません。
巨大組織のトップも草と格闘
2011年以降、企業・団体・行政など組織のトップマネジメントの方にも随分来ていただきました。
名取市長は昨年半年で6回も来訪。大雨の中、ボランティアの日には「溝切り」もお願いしました。
経済同友会の長谷川閑史前代表幹事は4回も視察。
昨年はボーイング・ジャパンのジョージ・マフェオ社長が奥さんと共に終日作業。
先日の植樹祭でも、林野庁、宮城県庁、名取市役所の幹部の方も、市民と共に実質1時間半で30本前後(1本あたり3分)植栽していただきました。
7月3日、組合員150万人を有する産別労組「UAゼンセン」逢見直人会長以下27名が、
びっちり8時間作業をしていただきました。
翌日は産別労組「JR連合」も松岡裕次会長以下35名が現場に。
加盟する単組を率いるトップの方は、もちろん大勢来ていただいています。
両組織は、長年のオイスカ法人会員であり、海岸林以外のプロジェクトにも多くのご支援をいただいています。
海岸林は、オイスカ内のどのプロジェクトよりも手加減をしません。
しかも、作業内容・順番も、最終的には当日朝に選択しますので、明確に予告しません。
ただでさえ手荒なので、申し訳ない気持ちもあるにはあるのですが、これがオイスカなので諦めてもらうしかありません。
ですが、リーダー中のリーダーに来ていただき、本当に光栄に思っていますし、現場で格闘する皆さんを見て、惚れ惚れします。
今年度は3か月で、早くも1,100人のボランティアが、戦力として頑張って下さりました。
昨年1年で1,400人なので、今年は2,000人程になると思います。
70歳代後半の方もお見えになっています。
今後もケガなどないよう、緊張感をもって臨みたいと思います。
思い切り仕事し、五感で何かを感じてほしい一心です。
宮城県産抵抗性クロマツの挿し木1,000本実施
7月7日、宮城県山林種苗農業協同組合からのご依頼で、
宮城県林業技術総合センター採穂園の
「マツノザイセンチュウ抵抗性クロマツ挿し木」1,000本を、
我々の第一育苗場でも試験的にコンテナ移植しました。
既に先月、種苗組合の挿し木苗講習会もありました。
採穂は2014年2月とのこと。以来1年半、センターのビニールハウス内の挿し床に
電熱線を入れ、スプリンクラーで散水して育てられています。
抵抗性クロマツ種子が不作続きで、何とかして増産したいという研究・実践の一環です。
挿し木は当然、親と同じものができます。従って、抵抗性の親なら抵抗性。しかし、松の挿し木はスギなどよりも難しいと聞いています。
我々にとって、クロマツの挿し木は初めてです。早朝から太田清蔵組合長のご指導のもと、再生の会は6人工。
組合長は、月1回ぐらい我々の圃場に巡回に来ますので、その都度、諸事助言いただいています。
今日は佐々木統括も人数に加わり、作業は1日で何とか終わらせました。
採穂からおよそ3年の育苗を要します。
この1,000本は、早くて来年秋以降の植栽が可能のようです。
「名取市海岸林再生の会」総会 番外編 星形キュウリ
「名取市海岸林再生の会」総会 その2 特別な苗
総会には仙台森林管理署の小澤署長、宮城県農林水産部森林整備課の髙橋課長と技師の志野さん、名取市生活経済部の熊谷部長、宮城県農林種苗農業協同組合の小山専務理事、宮城中央森林組合の佐々木さんが来賓として出席くださいました。
来賓の方からのご挨拶で印象的だったのは、宮城中央森林組合の佐々木さんのお話でした。
「現場で植栽を担当させてもらいましたが、「名取市海岸林再生の会」の皆さんが作られた苗木は根切りがしてあって、伸び過ぎなどのサイズの問題もありませんでした。根切りなど手もかかると思いますが、それをやってもらってるからこそ植える者からしたら作業はしやすいし、活着率を高めることにつながっているのだと思います。
他の業者から購入した苗を使うこともありましたが、植える際に不安を感じました。
“この苗はちゃんと根付き、育ってくれるのだろうか”と。
再生の会の皆さんの苗木は本当に丁寧に手をかけて育ててある、
いい苗木だと、その時に実感しました」

配布資料にはカラーコピーされた育苗場の写真が添付されていました。
一面に青々と育っているクロマツの苗があまりにも見事で再生の会のKさんに「すごいですね~」と声をかけると「これさ、青々と見えるように緑のスプレーかけたのさ」と、いつものようにふざけていました。
せっかく植え手である佐々木さんがあんなふうに苗木をほめてくれたのに・・・・・・。
でも、心の底から嬉しかったはず。私もとても嬉しかったです。
再生の会の皆さんが育てているのは
コミュニティを再生させようという思いのこもった特別な苗なのだと思います。
いい加減な商売としてやっているのではなく、
心の底からいいものを作ろうとして2年間手をかけてきた特別な苗なのです。

















