今回のテーマは森林土木 ~10月17日ボランティアの日の122名~
昨年1年間でボランティア1,402人。今年は10月末現在で1,598人。
11月にあと100人が来てくださいます(ご視察は含みません)。
今年も今のところ、病気や怪我人などもなく。
「9月の彼岸までに」の一心で草と闘いました。
異常乾燥を心配したり、多雨・多湿による根腐れを回避すべく溝切りなども。
夏場は人が足らず、ギリギリでしたが、やれることを存分にやり遂げました。
植えた苗木は抜群の生育。
2年連続、植えたクロマツは99%以上の活着。
来年初夏までにドーンと伸びるでしょう。
多くの皆さまのおかげです。心から御礼を申し上げます。
10月17日(土)ボランティアの日。
毎月来てくださる三菱UFJニコスを中心とするMUFG、UAゼンセン、仙台トヨペット、
ニコングループ、名取市役所のほか、東京海上日動火災保険の仙台支店自動車営業部、
高島屋&労組、アサヒビールHD、第一三共、オイスカ長野県支部が団体参加し、
個人参加も含め、122人が8時間従事してくださいました。
今回の業務のテーマは「森林土木」。
宮城中央森林組合の作業班6名と、松島森林総合の佐々木さんのプロの指導体制のもと、
これまでのボランティア受入でも、トップ5に入る厳しい仕事。
当日の仕事内容は
・コンテナの除草(約30,000本分)
・広葉樹300本補植 *土壌が非常に硬く70人で実質5時間を要した。
(バーク堆肥と培養土の撹拌、水・土・苗運び、40cm四方の穴掘り、植栽)
・広葉樹植栽地周辺0.8haの溝切り(排水作業。20cm掘り)
・クロマツ秋植え0.3ha・1,500本の植栽箇所マーキング、植栽地の礫除去
・約20haの葛刈り(最終点検で2.5km歩く)
初めて来訪された方が多く、このボリュームを回せるか、こなせるか、納得・満足いただけるか、いつものように緊張しましたが、無事、全て終わりました。
詳細はこれからブログでレポートします。
いつもの事ですが、慣れない仕事、過酷な仕事、さまざまな不自由に耐えてご尽力いただきました。
本当にありがとうございました。
広報室の林です。
明日のボランティア受け入れに向けた準備のため
いつもより一日早く名取入りし、朝から吉田と現場を回りました。
先月のボランティアの日に風邪をこじらせ、シルバーウィークを寝て過ごしたのですが、その風邪にいつまでもしつこくつきまとわれ、体は重だるく咳も出ます。不安なまま現場入りしました(めずらしく前日のビールをガマンしたほど)。
マスクをしてちょっとだるい体でなんとか動いていましたが、吉田はそんなことお構いなし。「気のせい、気のせい」と階段の修繕に向かいます。雨の水と一緒に流れてきた砂が階段下に堆積してしまうので、この砂で土のうを作り、砂の流れを止めるのです。
ゼイゼイ、ハァハァいいながら土のうを作り、上に担ぎ上げていきます。ほんの数袋の作業でしたが疲労困憊。明日のボランティアの受け入れ、大丈夫だろうかと不安が募ります。
そして車で移動。
植栽地の盛土の工事をしている現場のおじさんたちが休憩しているのを見て、吉田は「ちょっと適当にしてて」と私に告げ、車を降りてあいさつに向かいました。
いわれた通り、周辺のマツの生育状況などを見ながら、適当にしていたのですが、“ちょっと”では戻ってきそうにありません。私もおじさんたちにあいさつをして会話が聞こえる程度の距離から撮影をさせてもらいました。
会話を聞いていると、おじさんたちは工事をしながら、なぜ植栽地に溝を掘るのか、
何のためにこのようなもの(今座っているもの)を置くのかよく理解していなかったようで
自分たちのやっていることは無駄なのではないかと思うこともあったのだそう。
排水のために溝が必要なこと、座っているものは防風柵で、
適度に風を通すことで防風効果を高めていることなどを説明すると
「なんでも一つひとつ意味があるんだな」と納得し、
次から次へと疑問に思っていたことを質問し始めたのです。
「(盛土の表面に敷いてある)この木のクズなんかもきっと意味があるんだね」「なんで海岸端のマツは大きくならないの?」等々。
吉田がじっくり質問に答えていくと「次から魂入れて作業すっから」と。
無駄かも知れないと思いながら作業をするのではなく、すべてクロマツがよく育つように考えられたその意味を理解して、魂を入れてくれるとおっしゃってくださったのが本当に嬉しかった。
おじさんたちはクロマツにとても愛着を感じてくださっていることも分かりました。
枯れている苗を見ると「まだ生きてるかな、また青々とした芽を伸ばすかな」と
そっと見守ってくださっているのだそうです。
以前吉田が盛土工事を担当する責任者の方が植樹祭に参加してくださったことを
ブログで紹介していました。こちら→http://www.oisca.org/kaiganrin/blog/?p=10695
工事に関わる方、苗を育てる「名取市海岸林再生の会」、その苗を植える森林組合、
その苗のお世話をしてくださるボランティアの皆さん。みんながクロマツのためを思って
お互いの仕事を尊重し合い、ベストを尽くしていくことがプロジェクトの成功につながるのだと
この日改めて感じました。そのためにはいろいろな方としっかりコミュニケーションをとること。
おじさんたちからは「ホント、勉強になったわ、ありがとう」とおっしゃっていただきました。
この日一番の大仕事、無事終了!
【ボランティア参加の皆さま】服装にご注意を!
今さらですが。
先月のボランティアの日の前日のこと。
半袖で作業をしていたスタッフが蚊の大群に襲われ、こんなことに・・・・・・。暑いからといって半袖はいけませんね。
次回のボランティアの日は乾燥した砂埃が舞う可能性も。暑くても風が吹くと寒く感じたり、飛んできた砂が肌に当たると痛かったり。
いろいろなことが想定されます。長袖長ズボンでご参加くださいね。
砂埃が舞うときは花粉症対策のゴーグルなんかが役に立つそうです。100円ショップでも売っているとの情報も。
今一度服装や注意事項などご確認ください!
http://www.oisca.org/kaiganrin/2424
10月17日(土)【予告】ボランティアの日の仕事候補
ありがたいことに、10月のボランティアの日は満員御礼でなく「満員札止め」状態。
140人。宮城県内の、初めての方が多いかなという印象です。
ボランティアの日の仕事内容は、再生の会や森林組合の会話をよく聞いておき、
候補だけは目一杯考えておきます。
そして、指導者やリピーターの数、年齢層、男女比、
企業担当の現場経験度合などの人的要因を頭に入れます。
当日直前、もうすでに森林組合や再生の会が終えてしまったことは省きます。
その残ったものの中から、優先順位や天候などを考え、佐々木統括と話し合った上で
当日を迎えます。
10月17日の仕事のテーマは「森林土木」になるでしょう。
150本ある唐鍬はすべて使うことになるでしょう。
つる草など雑草との戦いは今年も無事やり遂げました。
もうあとは来年です。
大掛かりな仕事の候補は、
・溝切り、とどめは20cm掘り目標。対象は26ha全域(笑うしかない規模)
・H27植栽地補植250本(そのための培養土と堆肥を混ぜる。植栽穴掘りは重労働)
・雑木のニセアカシア抜根(トゲに注意しながら、根っこごと豪快に引き抜く)
その他細かい候補は
・クロマツ秋植えマーキング1,500本、階段1か所の補修(土のう詰め少々)
・広葉樹苗250本のポット植え替え(30cm近く掘ります)
・広葉樹H26年植栽地毎木調査422本
・育苗場コンテナ苗の除草
・現場管理用の小さな看板の取り外し
・寄附者銘板の名前確認
業務多数。どれを選ぶか。
誰が何をするかは、コチラで決めさせていただきます。
皆さんにいろいろな仕事をやっていただけるように
よーく考えておきます。楽な仕事はないと思います。ご覚悟を。
リピーターボランティア、企業担当者の力を借りるところ多し。
指導体制を充実のため、森林組合、再生の会も数名だけ助っ人に入ります。
みなさんよろしくお願いします。
だいぶ前ですが、9月12日仙台空港の民営化について発表があり、
東急グループと、このプロジェクトを支援いただいている前田建設工業などに決まりました。
http://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201509/20150912_12007.html (9月12日河北新報)
http://www.sankei.com/politics/news/150912/plt1509120010-n2.html (9月12日産経ニュース)
空港の運営だけでなく、周辺地域の活性化も念頭に事業者選定をしたようです。
チャンスをいただいて、ぜひその事業者の方たちにも海岸林のことを知っていただき、将来多くの人に知っていただき、足を運んでいただける海岸林になるよう努力します。
この夏から「海岸林の将来ビジョン形成調査」を始めました。
ポスト2020。将来、名取の海岸林を海岸防災林としてどのように維持し、
どうやって市民に親しまれてゆくか、その運営方法、将来コストの試算など、行政当局の皆さんとの話し合いのための
たたき台づくりを2・3年かけてコツコツ進めます。
来月には、佐賀県唐津市の虹ノ松原で聞き取り調査を行います。
あそこは協議会があります。「アダプト方式」で知られています。
まず年度内に名取市に第1次提言書を出し、3月12日(土)には活動報告会を兼ねて将来を考えるシンポジウムを名取市文化会館で開催します。
会場確保はもう済ませ、まずはお尻を決め、第一次の結果を出す覚悟を決めました。
10月6日、森林組合による下刈・除伐の施工後確認で、
今年度植栽地10haを2時間以上かけて歩きました。
昨年の植栽地16haは、ボランティアの奮闘のおかげで草に勝ったようなので、
森林組合の力は仰ぎませんでした。
あーやっぱり・・・「誤伐」
佐々木統括からも聞いていました。
全体から見ればごく少数。こういうことも覚悟して大目に植えてあるし、
完全切断に至っていないのが大半。補植には及ばない。
ですが、森林組合の現場代理人から反省と改善策を聞かねばならない。
ボランティアのつぼ刈りも詰めが甘かった個所があった。
森林組合諸氏も、自分が苦労して植え、植樹祭では参加者に指導した現場。
ボランティアの働きっぷりも知っている。ですから、愛情をもって刈払機をふるったはずです。
もちろん私も下刈の経験はありますので、伐られ方を見れば、どう刈払機を使ったか想像できます。
彼らは正直。
誤伐してしまったクロマツを隠したりせず、我々が一目で分かるようにしてありました。
一緒に歩いた松島森林総合の佐々木勝義さんは「やっぱり悲しいよな~」と。
息子が森林組合の現場代理人。
「吉田ちゃん~、兄貴(佐々木統括)と一緒に、厳しく追及してよね。
若い職人、若い現場代理人を育てるのも、このプロジェクトだからこそ。
ヒデ(現場代理人)はボロカス言われて凍りつくだろうけど、そういうものなんだ。
ボランティアがつぼ刈りしてくれたのに、このザマじゃね」
怒鳴ることはないですが、彼らと真正面から向き合って、反省をしようと思います。
永い付き合いになるだろう仲間ですから。
この前ブログで紹介していただいた浅野です。
いわゆる出戻りですが、頑張ります!
さて、今日は嬉しいことがあったので紹介させてもらいます。
現在宇宙ステーションで約5ヵ月間のミッションに取り組んでいる
宇宙飛行士の油井亀美也(ゆいきみや)さんがツイッターに載せた写真が
まさに名取の現場だったのです!!
ミッションも折り返し地点。ここでどうしても紹介したかったのが、仙台です。震災後、私が宇宙飛行士になったばかりの頃に、訪問させて頂きました。その時、困難に負けず、復興に挑んでいる皆様方から沢山の勇気を頂きました。そのお礼がしたいのです。 pic.twitter.com/x8V8hMksUI
— 油井 亀美也 Kimiya.Yui (@Astro_Kimiya) 2015, 10月 6

名取現場の拡大写真
たまたまでこんなにドンピシャの写真が載るなんて…
びっくりしましたけど、宇宙からでもこんなにきれいに見えるですね!
油井さんのツイッターアカウントです。
↓ ↓ ↓
油井 亀美也 Kimiya.Yui @Astro_Kimiya
https://twitter.com/Astro_Kimiya
秋の繁忙期に入りました
10月4日、育苗場の最寄り「美田園」駅に降り立つと、公園にたくさんの人が集まっているのが見えました。
災害公営住宅の「街びらき」で、再生の会の大友淑子さんや高橋学さんも出席していたそうです。
マグロの解体があったけど、一瞬でなくなって、ほとんど食べれなかったとか。
http://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201510/20151005_13020.html
(河北新報10月5日朝刊)
たくさんの目的がある出張ですが、今回はまず、山形県遊佐市・酒田市・鶴岡市の沿岸全長30kmに
幾重にも存在する庄内平野海岸林の「万里の松原に親しむ会」30名(平成13年設立、会員約100名)と、
神奈川県「川崎市民アカデミー」の太田猛彦学長(東大名誉教授・オイスカ顧問)一行27名の
研修視察のご案内をまず行いました。
それ以外もほとんどの時間、植栽現場の現場管理。毎日10,000歩以上歩きました。
これから3週間、名取事務所は大忙しです。再生の会もたくさん来ます。
第3週のボランティアの日は100名。予定オーバーも甚だしく(笑)
段取り組むのに真剣万剣。これ幸いとマジになってます。
業務内容候補は近々予告します。
育苗場の仕事は、
コンテナ苗の除草、消毒、散水、2年生苗の空中断根終了・移動、1年生苗の移動。
2週間後には移動することによって0.7haの圃場全域にコンテナが広がります。
加えて、内陸防風林補植1,000本の掘り取り出荷、海岸林秋植え(新植)の掘り取り出荷、
来年植栽用の広葉樹苗約300本のお世話。
下刈が終了した26haの植栽地では、
内陸防風林測量、補植、宮城県森林整備課職員研修による海岸林秋植え、看板・階段など設置。
西風「蔵王おろし」が吹き始めました。
名取事務所では朝晩は暖房を使うようになりました。
石巻の市場には「カキ」が初出荷を迎えました。
夕方、南に渡る直前の無数の燕が事務所の上をどんどん飛んでゆきます。
もうすぐ冬ですね。
9月18日、クロマツのモニタリング調査と合わせて、
H27年植栽広葉樹304本の毎木調査(1本づつ調査)を実施。
2015年5月17日植栽304本 / 52本(生育率17%)
ヤマザクラ 植栽202本 / 生存38本 (19%)
クリ 植栽 40本 / 生存 2本 (5%) *去年も成績が悪かった。
コナラ 植栽 40本 / 生存 9本 (23%)
ケヤキ 植栽 22本 / 生存 3本 (13%)
植栽の時点で、大きな穴を掘り、腐葉土をたっぷり入れ、
クロマツと同様、乾燥対策の給水ポリマーと液肥の泥つき苗の状態で植栽した。
樹種剪定は、昨年ヤマザクラの成績が良かった事を考慮した。
植栽後、梅雨入り前に有機化成肥料の施肥も実施した。
今年は、蔵王おろしの西風はほとんど吹かず、乾風・寒風害ではなく、
植栽直後の3週間連続降雨なしをはじめ、8月10日まで極端な乾燥が続いた。
調査は6月、7月、9月の3回行ったが、植栽後1か月の時点で生育率41%に落ち込み、
7月には19%となった。このことから今年は、植栽直後の乾燥が枯損の要因だったと思われる。
海岸林の後背地で自生しているウワミズザクラなども、葉の縁が枯れる現象が見られた。
枯れた場所には、有機化成肥料や腐葉土があり、降雨が始まった8月10日以降
胸丈ほどまで雑草が茂り、滞水がひどい場所にボウフラが沸き、ヤブ蚊が大発生。
調査中は蚊に取り巻かれてひどい目にあった・・・
片や、今年植栽のクロマツ50,000本は、その乾燥にも耐え、ほぼ100%生育中。
今月中に、252本補植します。
極端に滞水する場所があるので、一部ヤマハンノキを購入することも検討しています。
東京本部も最強の布陣が整いました
オイスカ職員を一度退職し、昨年4月から半年、東京本部で海岸林関連業務のアルバイトをした上で、アフリカを中心に1年間世界各国で滞在経験を積んだ浅野奈々穂さんが、晴れて正職員として復職しました。
所属先は東京本部啓発普及部。海岸林を中心に従事することになります。
元オイスカ職員で男3人分以上働く最強のパートの鈴木和代さん、
広報室長と海岸林を兼務する林久美子さん、東京本部も念願の布陣が整いました。
オイスカはNPO業界でほぼ「例外的」に男性比率が5割と高いのですが、東京本部海岸林は女子が実務の中心を占めます。自主性に長け、胸を張って紹介したい3人です。
皆さんにお世話になりますが、どうぞよろしくお願いします。