ミャンマー出張と風邪
広報室の林です。
「海岸林再生プロジェクト」とは関係がないのですが、
11月20日から26日にかけてミャンマーに出張してきました。
出発前日は今年度最後のボランティアの日。
実に個人的な話で恐縮ですが……。
寒いのが苦手な私は出発前日に作業をして風邪をひいてしまったら大変だから、
できることなら作業をしないで済ませたいとずっと思っていました……10月末までは。
しかし、私の気持ちを変えたのは大阪マラソンのママさんランナー。
Mさんがフルマラソンを走った翌日にミャンマーに出張すると聞き、
私なんてマラソン走るわけじゃないんだからいつも通りやらなくちゃと思ったのです。
それなのにヘタレな私は、現場に行ってもいないのに
11月の頭に風邪をひいてしまい、
なかなか治らず、仕方なく病院で薬をもらい、
医者からは「効き目が薄れるからお酒は飲まないように」と言われ、
できるだけ外出も控えつつ(私なりに)大人しく過ごしていました。
16日の横浜での活動報告会もどうしようかなぁと思いつつ
大好きな大槻さんも来られるし、懇親会は失礼したとしても
報告会だけは行こうと決め、出かけたところ、
やっぱり意志が弱いのですね、ちゃ~んと懇親会にも出てしまいました。
このような不摂生も原因してか、なかなか完治しない風邪。
そして、ボランティア当日。
寒いだけではなく雨まで降ってきた……。
何とか風邪を悪化させないようにと願いながらの作業。
みんなでカッパを着てモニタリング。
私は記録係なので、記録用紙が濡れぬよう傘をさして。
自分も濡れないよう気を付けながら。
先日も報告した通り、チームワークのよい仙台トヨペット
男子3名のおかげで大雨になる前に作業終了。
たいして濡れることなく事務所に戻り、
屋根のある場所での作業に取り掛かることができました。
午後の作業も早めに切り上げて、リピーターの皆さんとの
意見交換の場を設けました。小さな事務所に大勢が集まり、
しかも石油ストーブを焚いてあったかい!!
風邪が悪化しなかったのをいいことに、
この日の懇親会(忘年会)にもちゃっかり参加。
途中で失礼しましたが、家に着いたのは日付が変わるころ。

4つぐらいのグループに分かれて大盛り上がり。このテーブルには「名取市海岸林再生の会」メンバーとチーム草加、ニコン、アイベックスエアラインズ、個人で東京から参加してくれているIさん、そして一番左にいるのが私です
4時間ほどの睡眠時間。風邪も完治せず。
でも、飛行機でゆっくり寝られるし(フライトは8時間)、
向こうに行けば暖かいからと前向きな気持ちで出発!
予定のスケジュールを終え、無事に帰ってきました。
(報告はオイスカのスタッフブログに掲載中。
よろしければこちらもあわせてご覧ください)
不思議なものですね。
ミャンマーにいる間には少しも出なかった風邪の症状が
帰国した途端、喉に鼻に現れました。
向こうでは私を気遣って風邪が大人しくしてくれていたのか、
日本の寒さにまた風邪がぶり返してきたのか。
これからは忘年会シーズン。
またまた不摂生も続きます。
しばらくこの風邪と仲良く付き合っていくしかないのかも。
皆さんも風邪&飲みすぎにご注意ください!
福島県相馬市松川浦から北上して実踏
年に1・2度は県内・県外の復旧工事全体の進捗を見に行きます。
少し前、福島県庁の森林整備課長さんの熱いプレゼンを聞く機会があり、
相馬市松川浦まで足を延ばして見に行きたいと思っていました。
アドバイザーの小林省太さんも、「行くなら僕も」と言ってくれたので、
名取市民の大槻さんも誘って3人で。
持ち物は、国有林などの図面と、相馬市・新地町・山元町~名取市までの復興工事全体計画図。
福島県のプレゼン資料や海岸林再生ガイドラインも。
松川浦は2011年8月以来、3回目。
まさに工事真っ盛り。防潮堤と海岸林が同時進行で進む。
海岸林植栽盛土工事の近くで、公共工事の植栽もガンガン行われている。
2時間近く何度も何度も車を乗り降りし、たくさん歩いた。
公共工事にあたっている現場代理人の方ともじっくり情報交換できた。
職人さんたちも好意的で、別れ際に笑顔で手を振ってくれたり(笑)
福島県は、震災前の林帯幅が狭かったという反省に基づき、
平均200m幅、総面積を200haから3倍の600ha、10,000本/haという計画が本格的に進む。
新地町の釣師浜漁港、12月に再開するJR常磐線「坂元駅」の新しい駅舎も見ました。
常磐線がつながるというのもとても明るく、大きな出来事だと思います。
山元町・岩沼市の海岸林では、緑の防潮堤の存在も見てきたが、海岸林の公共工事では
「12月26日までに7ha、35,000本植える」と川崎森林組合の現場代理人の方から聞いた。
こういう人たちとは長話はしないが、すごく短い時間で思い切り情報交換できる。
どこの職人さんたちも仕事は過酷だ。ああいうの見ると、俺も負けずに頑張るぞ!と思いますね。
今日は県を跨ぎ、各市町を総覧的に見て、大まかに比較する実踏を目的にしたが、
様々な違いや気付きがあった。また、同行いただいたお二人の視点や会話があったおかげで
一人で見るのとまったく違った。
とにかく、怒涛のように仕事が進められている。
ただ、それにしても苗の質が様々。排水対策や仕事の手順の課題も見かけた。
帰京後、東京大学名誉教授の太田猛彦先生に電話して情報交換。
「一律にすべてが素晴らしい出来なんてことはないよね。仕上がりが悪い個所が
出てくるだろうね。限られた条件で人がやることなんだし。後に続く人が先輩のした仕事を
フォローするしかないんだよね」と。
小林さんも所見をブログで書いてくれると思います。
珍しく今日は写真をたくさん撮っていた大槻さんは、
「今日は勉強になった。ボランティアリピーターの視察研修やろうよ!」と。
来春、やりましょう!
11月24日、JICAによる海外6ヵ国政府職員の森林等生態系を活用した防災・減災
(ECO-DRR)研修を現場で受け入れました。
概略は、オイスカスタッフブログに。
対する我々は、5年間、かれこれ30回ぐらい来てもらっている二人。
フィリピン人職員のグラゼンさんと、元フォーリンプレスセンター職員で
ボランティアの鈴木昭さん。なんだか、私はかなり楽させていただいた。
海外対応できる人が二人もいるなんて、ありがたい話だ。とても誇らしく思いました。
(まだ他にもいます。プロの清藤先生や、本部海岸林女子全員)
佐々木統括が少しおかしい。「吉田がテキトーな説明していないか監視してやる」
とか言って、来てくれることになった。
オイスカフィリピンのサイクロン復旧、海岸林造林にあたる現地の方への研修以来、
海外の方にも思い切り説明してくれるようになった(笑)ほとんどノリノリ。
「おい、吉田。これからもっとプロも呼べ」。
今回改めて思いましたが、日本の治山、森林保全は世界に誇れる技術がある。
オイスカは特に海外で、住民を巻き込む手法が優れている。
技術者だけでは仕事ができず、コーディネーターだけでも仕事はできない。
企業で言えば、製造と営業のようにぶつかりながら「組む」ことが大事だ。
名取で言えば、「佐々木イズム」のキモを理解する人を増やすことで、
国内外でもっと役に立てる。今日も「技術者であり、経営者であれ」という熱弁でした。
マラウイ政府:「NGOはたくさんあるが成果が悪い。システマティックさ、
コストパフォーマンスに感心した。」
マケドニア政府:「種苗法という法律はわが国にはない。火事がないことが羨ましい。
オイスカの組織に関心を持った。HPをもっとよく見てみたい」
マレーシア政府:「政府はNGOにお金を出しているだけ。種苗法の保護システムに
関心がある。我が国に種苗のライセンスはない。針葉樹だけ対象というのは驚いた。
フィリピン政府:「コミュニティを巻き込む手法に関心があった。帰国したら
オイスカのプロジェクトを訪問したい。我が国はただ植えるだけ。だからコストが安い」
ミャンマー政府:「他の人と同じ」
パプアニューギニア政府:「前の人と同じ」(笑)
森林総研坂本先生:「このプロジェクトは私が推薦させていただいた。ココには苗畑がある。
最初から管理計画もあり、地元の雇用もあり、再生を長期的かつトータルで考えている。
今後の海岸林は本数調整伐が重要になるが、そこまで頭に置いている。
何十年先か、再びみなさんが見に来た時、ここは立派な森になっていると思う。
各国の皆さんは、私が申し上げたかったこと以上に、プロジェクトの社会的なつながり
という事まで、ここで学んでくれたようだ。」
先生からの熱いエールに応えられるように頑張ります。
11月22日、6時の地震で、7時には津波が来始めた。
私は東京の自宅。朝、オイスカミャンマー農林業研修センター開設20周年式典に
参加して現地に行っている、名取市海岸林再生の会会長のご子息で、三英駐車場専務と
連絡を取り合い、いざという時はライトメールで連絡を取り合うことを確認。
海に最も近い会社だ。
引率で現地に行っている林広報室長などにメールで第1報を送信。
以降はNHKの報道などを注視した。
8時には注意報が津波警報に変わった。
専務からはこれから社員を避難させるという情報を確認。
JR中央線で外回り先に直行する車内、携帯で状況を確認していると、
10時前には警報が解除され、安心した。車内で携帯を見ている人の画面は、多くがゲーム。
空港も再開に向けて動き出し、コチラにも状況が見えた。
必死の対応となっているだろう。ANAやIBEX社員の顔が浮かんだ。
夕方落ち着いた頃に、各方面に状況を聞いてみた。
「空港は避難する人で相当ピリピリした。会社は昼から通常業務に戻った」と鈴木専務。
「心配してくれてありがとう。また連絡します」とパシフィックの鈴木社長からメール。
「漁港に浸水被害はない」と市役所。閖上の3haのクロマツも大丈夫だろう。
「海岸林の被害はない。目下、山崩れ等がないか調査中」と県庁。
「逃げなかったんだ。あのぐらいじゃ来ないから。庭の工事を業者とやっていた」と言う人も。
警報は相当なっていたが、各自いつでも避難できる体制を取りつつ、敢えて逃げなかった人は多い。
経験からいい意味で学習している。再生の会事務局も昼から通常勤務。
翌日現地入りした。
報道などでは、避難などの不備は報じられていない。
「学習効果がある」というコメントが目立った。
私たちも来年度は、リピーター研修として「避難訓練」をやりたいと思っている。
当プロジェクトは端から端まで距離がある。仕事している場所によって逃げる場所が違う。
新しい建物も建つし、工事で道も変わる。大型バスと自家用車では入れる道も違う。
その他、実戦型救急講習や、宮城県南部の海岸林造成地視察研修も。
24日朝も地震で起きた。
先日、吉田の大阪マラソン出場の記事が大きな写真と共に 河北新報に掲載されました。
(使われていたのはこの写真→→→→)
ベストチャリティランナー賞をいただいたこと、時間内に完走したことなどが書かれていました。
「名取市海岸林再生の会」など、プロジェクトにかかわる人たちだけではなく、お店のおじさんやタクシーの運転手さんまで「見たよ!」と声をかけてくれたのには驚きました。
「寄附をする」とか「ボランティアに参加する」とか具体的なアクションはなくても、たくさんの市民の方たちがプロジェクトに目を向けてくれているんだなと感じることができました。
こんなふうに名取で顔が割れている吉田、悪いことはできません。
昨年24時間テレビからこの車両の寄贈を受けた時も、「名取市海岸林再生の会」のメンバーたちは、「こんなに大きくロゴが入ってて、公益財団法人オイスカって書いてあるのに、吉田君が何かしたらすぐに分かっちゃう」と心配をしてくれ、「ビバホーム(近くのホームセンター)に大きなマグネットのシート売ってるの見た」「吉田君が外出する時はそれを貼っといたらいいね」と真剣に話し合っていたのだとか(笑)
(実際にはマグネットシートは貼られていません)
そこいら辺でおしっこをしたり、お酒を飲んで騒ぎすぎたりしないよう、“ベストチャリティランナー” にふさわしいかどうか、名取市の皆さんがしっかり見守ってくれていると思うと心強いです。
11月19日 ボランティアの日レポート ちゃんと働いています!
広報室の林です。
普段はボランティア活動の写真を撮る側で、 作業をしている自分(左の水色の帽子をかぶっているちびっこい奴です) の写真を目にすることが少ないので貴重な一枚を見つけ、 ちゃんと作業をしている証拠写真があった! と、ちょっとうれしく思いました。
この日は4人でモニタリングをすることになっており、 ちょうど3人で参加していた仙台トヨペットの若者たちを自分のチームに入れました。
というのも、この日新入社員2人を引率してきたSさんは、すでに何度か ボランティアに参加していてモニタリング経験者であることもちゃ~んと知っていたから。
「経験者がいれば楽ができる!」と思ったのです、私は。
この日は、土壌調査用の40㎝×40㎝の穴を掘る作業もあったので
そちらをSさんに任せ、私は新入社員君たちとモニタリング。
早く作業を済ませたSさんに写真撮影をお願いしたため
私が作業をしている貴重な写真が撮影できたのです。
(Sさん、ありがとう!!)
やっぱりリピーターは動きが違います。
クロマツの根元の太さを測る担当の新入社員君が、
マツの根元に生えている雑草がジャマで手間取っていたため、
Sさんが先回りしてマツの周辺の雑草をよけておいてくれました。
おかげでスムーズに作業が進み、ほかのチームよりも早く終了しました!
(やっぱりリピーターがいる仙台トヨペットチームを選んで正解でした!)
Sさんも初めは引率されて参加していたのに
今は新入社員を引率してきてくれるようになっています。
高校生が大学生になったり、大学生が社会人になったりする
若きボランティアさんたちの成長を見られるのもうれしいこと。
この日初参加で頑張ってくれた新入社員君たちも何年かしたら
引率する立場で来てくれるようになるのかなぁ……。
楽しみにしています!
11月19日 ボランティアの日レポート チーム草加のすごいところ
先月活動報告会の開催にご尽力くださったチーム草加のみなさん。
いつものように夜中に草加を出発しボランティアに来てくださいました。
9時集合なのに8時には到着されていました。
いつものメンバーIさんはお嬢さんの結婚式とのことで今日はお休み。
(おめでとうございます! そしておせんべいありがとうございました)
チーム草加のすごいのは、自分たちにできることは何でもするという姿勢。
朝ごはん中に失礼すると、Fさんがもっていた生茶のペットボトルに目が行きました。
実はオイスカではベルマークを集めて海外の子供たちの森づくりである 「子供の森」計画の支援につなげており、私には、ベルマーク付きの商品を 手にしている人を見ると誰彼かまわずに声をかける習性があります。この日も 「生茶についているベルマークください」と声をかけると、別の方が オイスカでベルマークを集めているのを知った日からため続けたという ベルマークを400点も持参してくださっていたのです!
Fさんが生茶を購入されたのもベルマーク付きだと知っていたから。 しかも食べていたのはこれまたベルマーク付き商品であるファミリーマートのおにぎり。 (これはご存じなかったそうですが)この朝食だけで10点ゲット! 本当にありがたいです。
来年もチーム草加の元気なメンバーのみなさんと一緒に活動できるのを楽しみにしています。
11月19日 ボランティアの日レポート おそろい
11月22日の地震津波に関し、関係者の無事を確認しております
今朝の地震では、福島・宮城沿岸部に「津波警報」「避難指示」まで発令されましたが、当プロジェクトおよび関係者に被害は出ておりません。 ご安心頂きたいと存じます。 ご心配下さったことと推察しておりますが、関係者の無事は早々に確認。10時前には津波注意報に戻り、昼には警報解除、オイスカ名取事務所も昼から通常通りの業務を行っております。 早朝、海から近い場所の関係者とは携帯不通に備え、朝、ショートメールなどでのやり取りを再確認し、 以降も「これから避難する」などの状況をシェア下さりました。 行政当局からも閖上港などにも浸水は確認されていないことなど、情報交換いたしました。今日、私自身は東京におりますが、明日名取に入ります。 今回の避難状況・被害状況などを情報収集し、緊急対応など今後の業務の参考にしたいと思っております。
11月19日 ボランティアの日活動レポート モニタリング
前出のボランティアの日レポートにもあったように今年最後のボランティアの日は雨でした…
雨女がいたのか、雨男がいたのか…
晴男のケンちゃんが午後から来てくれて小雨にはなったものの
外での活動だった午前は10:30から土砂降り…。
そんな中、ボランティアさんたちにやってもらったのは今年ラストのモニタリング。
このモニタリング、楽そうに見えて実はそんなに楽じゃないんですよ。
根元を測るにはしゃがまなくてはいけない…そう、調査本数分、スクワットをしなくてはいけないのです。
今回は6班に分かれての調査でした。
クロマツ19プロット、広葉樹1プロットの計20プロット。
調査の計測内容は
①根元径(根元の太さ)、
②樹高(頂芽の先端までの高さ)
1プロットは50本ずつなので、950本のマツと50本の広葉樹調査するということですね。
広葉樹の調査については吉田部長が書いてるので、私はマツの調査について…。
単にクロマツといってもすべてが同じわけではありません。
①苗の生産地(オイスカ第一育苗場、第二、購入苗)
②生産方法(コンテナ苗、裸苗)
③マツノザイセンチュウ抵抗性の有無
④植栽時期(年度、春植え・秋植え)
など、異なる要素だらけのマツなのです。
なので、それぞれの場所をしっかりと調査します。
7月のモニタリングの際は、土壌の物理性調査も併せて行ったのですが、
今回は雨のため、穴を掘っておくだけになりました。(7月の調査の際も雨だったので晴れの時のデータがほしいのです)
すると、生育の悪いプロットの土は粘土質だったり、水を多量に含んでいたり、といわゆる悪い土でした。
同じ時期に植えられた同じ生産地、生産方法のマツに生育の差が出てくるのは土のせいでもあるんだなぁ…と改めて実感しました。
今年の調査結果は後日、清藤先生がまとめてくれたものをアップ予定ですので、しばしお待ちを…。