オタクの休日の夕方は、一層深みにハマり、さらにマニアックに。
2016・17年度植栽地の「いつ枯れても不思議でないゾーン」を逡巡。
無駄な努力をしない、諦める判断も仕事のうちと思います。
どうしても難しいことの場合、多額を投入すれば解決することもあります。
しかし、何でも手間やお金をかければいいとは、まったく思いません。
森林組合の諸氏も、植えても100%無駄な場所には植えないよう徹底されています。
「ボランティアをタダの労働者と思うな」と佐々木統括からも厳命されています。
きっと今年も、ボランティアにはツルマメとの格闘を託されるでしょう。
去年は100%そうでした。すでに去年同様のボランティア数の見込みです。
「戦力」として受けるからには、無駄な仕事に充てるわけにはいきません。
ただ、去年の努力の甲斐あって、任務が軽く済むこともあるかもしれません。
そういう場合は・・・
逡巡した場所。
そこに仕事見つけてあります。
去年はツルマメに遮られ、辿り着きませんでした。
ですがまだ、幸運なことにマツは生き永らえています。
来月は森林組合も来ます。彼らの意見も聞いてみよう。
盛土を造成した建設会社現場代理人の方とも会う約束をした。
造成設計担当者も、造成工事実行者も考えに考えた、努力の結果を私は知っています。
いまは砂に隠れて見えないある存在の情報を集め、私の策を試す価値があるか検討しよう。
やるなら第1上半期。
戦術検討。私にはイイ休日になりました。
チーム海岸林の根性を示したいと思います。
10年前の林業会社時代は毎日でしたが、いまは1年に1回あるかないか。
足で稼いで必要な情報を集めるのは若い者の仕事。
2014年・15年26haの点検はもう済んでいる。
ということで、2016年・17年34haの点検を。
こちらは木が小さく、防風垣で遮られるので、倍以上足で稼がねばならない。
寒風害の影響は少ないが、頑張れー!と声をかけたくなるものもある。
枯れたものを見つけ、抜いてみて原因を考える。今回も発見があった。

植樹祭の場所で
これは深植え・窒息が原因と見える。一番下の2本の
小さな枝が隠れるほど、植えるではなく、5㎝ほど「埋めていた」
植え方マニュアルを読まず、当日説明も聞いていなかったため、同じ人が何本も同じことをする
伐られたものが刺してある・・・
切口で分かる。イタズラではない。
そういうものを10本ほど見つけました。
誤伐してしまい、恥ずかしく、忍びなくて、「ごめんなさい」と言いながら刺したか。
ここは、腰まで草が生えてきて、しゃがんで刈ると人も草に埋もれてしまう場所。
その中に潜らないと、マツがどこにあるか見えない。草の根元から刈り取らねばならない。
草の合間から見える顔は、汗まみれで、砂まみれ。
昨年、幾人ものボランティアの方、プロで代わる代わる苦戦したことを思い出す。
中国人の方が「すみません!伐っちゃいました!」と自己申告してくれたことも。
真夏、みなさんよく頑張ってくださった。
伐られたマツを見て、感謝の気持ちが湧くというのも変だ。
とにかく、まったく腹は立たない。
真剣にやった結果だ。
ですが、「誤伐した人は刺す」。
今までなかった傾向が、わかりました。今後の参考にします(笑)
2018年の植付は約17haを計画しており、1ヵ月後に始まります。
日本国内で毎年10haも同じ場所で植えるという仕事に出会えることは、
普通に考えれば、もう二度とないでしょう。
これまでの森林史上、この規模の人工盛土で植付を行った経験はないはず。
震災後、長く続いた混乱の中、盛土を設計し資材を確保することがどれほど難しかったか。
また、自然の地盤と違い、人工の地盤。その上での造林の経験は誰もなく、
この先どうなるかは、どこにも知見がないとつくづく思います。
今年も知りたいことを追求し、やりたいようにやろうとは思います。
しかし、そうは言っても、休むのも仕事のうち・・・
だとしても、毎年欠かさずやってきた植栽前の「穴の掘り試し」を、
出張日程の都合からも、いまやってしまいたくて。
18日のオタクの休日は、深さ50㎝の穴掘りを20ヵ所。例年の倍の数を。
3月上旬、3回に分けて合計61㎜が降ったあと、どうかも気になっていた。
(乾燥続きの後の61㎜の様子で安心してもいけないのですが)
今までと違う発見あり。今年はいつも以上に植穴の大きさが肝要と思った。
その理由を森林組合の職人一人一人と共有しなくては。
中途半端な雨の日や、泥濘に突入した時などの、職人さんたちの回し方も、
オプションを2パターン思いついた。現場代理人に参考にしてもらおう。
ということで、メインの用事は済んだ。次は軽く昼寝。
「ヒバリの高鳴き」も始まりました。
ボランティア活動、初参加。
こんにちは、国際協力ボランティアの中山です。
先日3月17日に行われた海岸林再生プロジェクトのボランティアに参加してきました。ボランティア前日に準備等のため事前現場入りをしていたのですが、天候は悪く曇りと強風のため思っていた以上に寒く、ボランティア当日の作業が心配に…。
ボランティア当日。8℃という気温でしたが、暖かい日差しのお陰もありぽかぽか陽気の中でのボランティア作業となりました。
写真で見るクロマツよりも実物は大きかったり、小さかったりとバラつきがありました。同じ時期に植えても土の違いもあり、生育に違いがありました。中には、病気になり枯れてしまったものもありました。一面に広がるクロマツの列の写真を見た印象からクロマツとクロマツとの間はもっと狭いのかと思っていましたが、間が割と空いていたことに驚きました。
ボランティアの活動は、「根踏み」という風によってクロマツが回ったことで根元にできた穴を埋めてしっかりと土で固めていく作業でした。一本、一本、クロマツを揺さぶり、グラグラしてないか確認。動いてしまうクロマツは、「これでもかっ!」とかかとを使い土を踏み固めていきました。
一列に並ぶクロマツを確認⇒土を固める⇒前に進むという地道な作業ではありますが、力を込めて踏み固めたり、クロマツを確認するのに中腰になったりと意外と大変。前へ前へと進んでいく作業で、気づけば周りに人がいないという状態に。前を向けば人がいる、後ろを振り返れば人がいる、でも近くには人がいないという寂しさを感じながらどんどんと根踏みをしていきました。そんな状態だったため、ボランティア参加者と話す時間があまりなかったのが残念でした。
午前・午後ともに「根踏み」をし、予定した範囲を終えたため、「溝切り」作業が追加になりました。水はけが悪い場所に排水するための溝を掘っていきます。この一年、農業を経験し、少しは土を掘ったり、耕したりという作業をして足腰も強くなったつもりでしたが、1時間鍬を握って堅い土、時には石の塊にあたりながら掘る作業は過酷でした。自分の納得のいく溝は残念ながらできませんでした。まだまだ修行が必要です。
初参加の海岸林ボランティア。ボランティア常連者でもあまり経験をしない「根踏み」という作業ができ、体を思いっきり使う「溝切り」作業で見事に静と動が組み合わさったボランティア内容でした。ここ数か月間力仕事と遠ざかっていたこともあり、体を動かしリフレッシュにもなりました。また、ボランティア前には育苗場を見、終了後には今まで植えたクロマツを見ることができ、活動以外にもクロマツと触れ合う一日でした。
ボランティア活動の内容とはずれますが、休憩時に見上げた青い空がとても印象に残っています。空と風景や海や空、星空などを眺めるのが好きなんです。今回は青空と緑のクロマツ。そして、仙台空港が近いということもあり、飛行機が頭上を通過するのを何度も見ることができました。思わずスマートフォンで飛行機と青空とクロマツをパシャリ。ボランティア活動に来ていたIBEXの方々も自社の飛行機が通ると写真を撮ったり、手を振ったりとしていました。空中に低い音が響くと手を止めて空を仰ぐ。そして、よしやるぞ!という気持ちになってクロマツの根踏みを開始。前向きな気持ちでボランティアをできたのはこの日の天候のお陰だったのかもしれません。


おばんです、海外事業部の伊藤です。
私からも、17日(土)に行われたボランティアの日の報告をします。
北海道の襟裳岬では強風に煽られるため、一部の箇所で実施されている根踏み。
仙台は盆地でもともと風が強いのです。
どのくらい風が強いかというと、少し強いと新幹線が止まる。
なお、男子学生はいかに自転車から降りずに自転車をこげるかを競い合います。
また、橋を歩くと風に吹かれて全員漏れなく髪型はオールバックになる、などです。
さらに現場は遮るものがない分、風もかなり強いと思います。
根踏みの現場に向かうボランティア一行。
どのくらい苗木が煽られているのだろうと思い現場に行くと・・・・
根っこが見えているではありませんか。
これは穴を塞がねば、土を固めねばと一同、危機感を持ちます。
隅に配置された松は山からの風に当てられ易いものの、比較的水捌けの助けもあり、生育が良いので持ちこたえていました。
むしろ内側に面した苗木を踏み固めることが多かった気がします。
大きな松は、葉で足元が見えないので土を固めにくい。。。
それでも1本1本の松を想いながらボランティアの皆さんが足で踏み固めていきます。
また、地表のチップを根元に入れて根を腐らせないように鍬でどかします。
午後は溝切りです。
傾斜に逆らわず、水がどこに流れるかを考えて溝を掘っていきます。
こちら、理想の溝切とのこと。これなら雨がすぐに溝に流れそうです。
ちなみに私の溝切。
4本短いのを柵の前後に作りましたが、土の置き場所に困りました。
考えて掘らないと風や雨で土が溝に入ってしまいますので。。。
佐々木勝義さんいわく、本当は深さが2m欲しいとのこと。
2m!!
次は人が入れるくらい深くしてみよう。
広報室の林です。
久しぶりの名取。ボランティアの皆さんとお会いできて、
クロマツの元気な様子を見て、こちらも元気に。
地元ボランティアのある男性が、「先日、ここに来たんだよ、家内を連れて」と
話してくださいました。奥さんが被災地を見たことがないというし、毎月自分が
出掛けているボランティアのことも「何をしてるの?」と聞かれるから連れてきたと。
県内に住んでいても津波の被害を受けたエリアを見たことがない方も多いのだと
思いました。7年経ったからこそ行こうという気持ちになる人もいれば、まだそこに
思い至るには7年という歳月は足らない人もいるのかもしれません。
日頃、東京でお世話になっているある方が「ずっと行きたいといいながら
実現できてなかったけど、今年こそ」と、夏頃、ボランティアに参加しようと
仕事のスケジュール調整に入ったと聞きました。うれしいことです。
冒頭のボランティアさん、奥さんに「一緒にボランティアに行こうか」と
声をかけたけど返事がなかったそうです。一日作業するのはたいへんですからね。
でも、植樹祭ぐらいは一緒に来られたらいいですね。
3月17日(土) ボランティアの日活動レポート 根踏み
根踏みの作業は昨日もお伝えした通り、
このようにクロマツの根元にできてしまった穴を
しっかりとふさぐ作業です。
穴が開いていないか目視、またクロマツを揺らしてみて、グルグルと
回ってしまわないか確認するのですが、見逃されてしまいがちなのは
こんなふうに ↓ 根元が大量の松葉で覆われている場合。松葉をよけると実際は ↓ 穴が!!
穴を土でふさぎ、しっかりと踏み固めます。
ここからは指導員佐々木勝義さんの言葉で解説。
「つま先でチョンチョンって踏んだってダメなんだよね。
憎い男の顔を思い浮かべながら、コノヤローって思いながら
かかとでガンガン踏みつける。やさしく踏んだってダメなんだ」
そして、佐々木勝義さんの解説は続きます。
「クロマツの世話も子育てと同じ。ここでやさしくしたら
ちゃんと育たない。かわいそうだと思わないでしっかり強く踏みつけること」
深いなぁ~。
3月17日(土) ボランティアの日活動レポート
今年最初、今年度最後のボランティアが行われました。
リピーターの方をメインにしながらも、支援企業・団体さんからは
初参加の方も。名取北高校からも1年生が一人で参加してくれ、総勢31名。
今日の作業は住友化学さんにも体験いただいた根踏み。
リピーターさんにとっても初の作業となりました。
ただ歩いているだけのように見えますが、
クロマツの根元を確認しながら前進。
風に吹かれ振り回されるようにして根元にできた穴。
これをふさぎ、しっかりと踏み固めます。
(詳細はまた明日のレポートで)
午後も引き続き根踏み作業を行い、途中からは久しぶりの溝切り。
水はけが悪く、クロマツの成長が悪いエリアに排水の溝を掘ります。
以前は頻繁にやっていたこの作業。体験したことがある方は、
この現場の中でもかなり過酷な作業だと知っているので、
「溝切り」と聞くとちょっと身構えてしまいます。
ひたすらツルマメと闘ってきたリピーターさんの中には、初体験だという方も。
皆さんだいぶ足腰に負担があった様子。
Mさんは汗をかくほど頑張り、リュックを下ろすと背中にはリュック型の汗。
今回は地元企業のIBEXさんが、ビブスを初披露。
頭上を大迫力のサイズで飛んでいくIBEX機の撮影などもしながら、
みんなで頑張ってくれました!
終わりの会もこじんまり。
高校生のO君は「高校生一人で、大人の中で心配だったけど
皆さんが話し掛けてくれて、すぐになじめたし作業も楽しかった。
これから毎回参加します」と。1年生とは思えないしっかりとした働きぶりでした。
個人的に参加してくださっていた宮城県の担当者のHさんは
「植えたい人は多いけれど、その後の保育管理の重要性はなかなか理解されていない。
ここではボランティアの皆さんがこうして保育管理にしっかり取り組んでくださって
クロマツがしっかりと根付いて成長している」とコメントしてくださいました。
最高温度が8℃との予報に身構えていましたが、
案外あたたかい一日となり、気持ちがよかったです。
フキノトウなど、クロマツの根元に隠れていた春の味覚をお土産に
持ち帰った方もいた春の一日となりました。
根踏み&溝切り ~住友化学労組の皆さんと~
「社会産業対策担当者会議」を仙台空港の特別待合室で開催しつつ、
作業もしてくださりました。こういう知恵、ありがたいです。
担当者は4代目。
目的意識、プロジェクトへの関与度、歴代の引継ぎは支援企業群のトップ級。
三沢、筑波、東京、千葉、大阪、愛媛、大分の各拠点の皆様は、
バスを降りたらすでに全員長靴。完全戦闘態勢。面喰いました。
万が一に備え、おにぎり2個先に食べていましたが、
着替えている間に昼飯をと思っていたので。
12時半。予定時刻より30分早めのスタート。
昼前まで雨。
お願いしたのは「根踏み・溝切り」。
溝切りという言葉は私の造語。水切りという言葉はありますが、それと少し違うので。
先日の「枯損の可能性がある3ha」の箇所です。
とくに根踏みには最高の条件と、絶好のタイミング。
まずは初めての方もいますし、育苗場や各年度植栽地視察を1時間半。
その後2時間半、17時まで作業。
根踏みをボランティアに頼むのは初めて。
13人で、8,000㎡、4,080本。@313本/人・90分(3.5本/人・分)
よし!来週17日のボランティアの日で3ha修復の目処は立った。
リピーターばかり、朝からぶっ通しでやれば余裕。
早上がりできる。

この3人はガンガン南下。上の集合写真には入っていません
溝切すべき場所、出来る場所を考えて、自分たちなりに
選んで歩いたから、写真には写らなかった。
最後は水溜まりでちゃんとスコップをお手入れ。
やることが林業会社従業員並み
住友化学労組の皆さん、いいタイミングで来てくれてありがとうございます。
では次は6月。その後どうなったかお見せします。あとは任せてください。
今年も3.11は経済同友会のみなさんと
我々企業が海外進出できたのは、先に国際協力をして友好関係を
作ってくれたからと。僕はそういう話を大先輩から聞いたんだ」
(岡野貞彦常務理事)
オイスカ職員冥利に尽きます。いつもこのくだりを生で聞けるのが私だけで
もったいないのですが、常務はいつも同行した職員に向かって話している。
「今日は時間がたっぷりある。行き先、お任せします!」と岡野常務。
先日の森林総研チームとまったく同じ専門家コース+αで3時間。
経済同友会の視察はいつもと少し趣を変え、海岸林以外の名取の復興、
周辺地域の復興について、多目に触れるよう心掛けている。
ですが、関心はガッツリ海岸林。ガッツリ盛土。
3.11と言っても休日は休日。
ですが、そんなことはお互いにまったく関心外。
今日のこの時間をどう役立てようかということだけ。
私の手帳では、岡野常務は2011年以降、14回も名取の海岸林を視察。
事実上の定点観測(私の解釈ですが)の地に選んでいただいて7年。
毎回、逆に教わること、見習いたいと思うことばかり。