地元のボランティアの三浦隆です。

 名取市の海岸林で観察した生き物、主に野鳥を中心とした情報、話題を発信したいと思います。今回は鳥の渡りや繁殖行動を中心にした、今の時期の期間限定の話題です。ツグミ、カシラダカ等の海岸林で縄張った冬鳥は北の繁殖地に帰り、代わりに日本で繁殖するツバメをはじめとする夏鳥が渡ってくる時期になりました。

その1. 海岸林をルートとした渡り情報

 今回観察できたのは、ヒヨドリ(望遠レンズのため、渡りの一部の写真)、サンショウクイ(声だけでした)です。

 ヒヨドリは1年中同じ地域で見れるため、留鳥と思われがちですが、留鳥タイプ以外に春に北へ、秋に南へ夏鳥と同じ様な渡りをするタイプが見られます。二つのタイプの理由や違いはよく分かりません。植林地の作業道で南を見ているとヒヨドリが、多い時には数100羽単位で鳴き声と共に次々と近づいて来て、黒松頂際を通過し北行する様子は圧巻です。

 4月後半の午前中に多く見られました。移動に疲れたのか、黒松に止まって休憩する様子も見れました。さらにそれを狙うハイタカがアタックして失敗した様子も見れました。渡りの行動は労力に加え、猛禽類の捕食者にも警戒が必要な、命がけの大仕事だと実感した一シーンでした。

 サンショウクイは、セキレイ類位の大きさの鳥で、姿はなかなか見れませんが、飛びながら特徴ある鳴き声を発するのでそれとわかりました。こちらはヒヨドリが群れで移動するのと違い、単独で北行していました。(興味ある方はwebで検索して見て下さい)

 上空から見ると、黒松林は太平洋沿岸に帯状に連なっていますので、鳥の渡りの道の目印になっている様です。さらに捕食者から隠れる場にもなります。雨、風を除ける場にもなります。さらに大きく育つと、もっとたくさんの動植物の生活の場となるはずです。時間はかかりますが、その一翼を担える様、楽しみながら努めたいと思いました。

 次回はその2.繁殖時期のさえずり情報をUPします。

ヒヨドリの渡り
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