タブ VS クロマツ

2020年7月2日( カテゴリー: 広葉樹, 現場レポート )

広報室の林です。

先日、大日本山林会発行の会報『山林』の6月号に
東京大学名誉教授の太田猛彦先生が
「平成時代における治山事業の変遷」を
寄稿されているのを拝見しました。

http://www.sanrinkai.or.jp/bulletin/ (目次のみ)

治山事業における専門家の見解の違いから勃発した
バトル(笑)を太田先生らしい切り口で紹介しており、また、当プロジェクトを
評価してくださっている先生の言葉にも強く励まされました。

そのバトルの一つが東日本大震災後の海岸林再生における
樹種の選定でした。現在編集中の「よみがえれ!海岸林 Vol.12」
の中でも小林省太さんが触れていますが、当時は、「タブノキ」を
推す声があり、国の方針に則り、クロマツを植える準備をしていた
オイスカにもずいぶんいろいろな質問や意見が寄せられました。
(と、柔らかく表現しましたが、吉田は夢に見るほどストレスだったようです)
吉田も当時のことを、「振り返りブログ」に記録しています。
http://www.oisca.org/kaiganrin/blog/?p=2796

別にタブノキが悪いわけではないのですが、
私たちはやはり海岸にまず植えるのはクロマツと思っています。
オイスカでは、いずれクロマツが成長し、海岸林となったら
内陸側に広葉樹が自生することを想定し、その母樹となるよう
一部だけ広葉樹を植栽していています。

先日、ボランティアさんに草刈りをしてもらう前の下見の際、
吉田がこんなものを発見!!

 広葉樹植栽エリアのタブノキの根元からクロマツが
ニョキニョキと伸びてきているのです!

CIMG0652
 

もっと近づくと……

CIMG0653

タブノキの根元に落ちた
クロマツの種子が伸びてきたのですね。

『山林』や『よみがえれ! 海岸林』でタブノキ論争を思い出していた
タイミングだったので、思わず浮かんだのが

「タブ VS クロマツ」対決

繰り返しますが、タブが悪いわけでも憎いわけでもありません。
ただ、「クロマツがんばれ~~~!」と
心の中で思っているのはなぜだろう(笑)

2本がどんな成長をしていくのか楽しみです。

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