育苗場のいま
2019年5月11日( カテゴリー: 現場レポート )
樹液が完全に動き始める3月中旬以降、再生の会の動きは多忙に。
優良苗の生産者ゆえ、2年前、県から種苗組合に払い下げられた種子が、
再生の会には多目に配分され、以来2年育てた苗は公共工事植栽から
アテにされ、100本単位の細かな注文を含む出荷が連日続きました。
出荷ですから、朝早く、植える現場まで配達するところまでが仕事です。
その注文は直接販売ではなく、種苗組合を通じて行うのが原則。
手数料6%を引かれますが、再生の会の収入になり、当プロジェクトの
経費削減にあてられるという名取独自の「仕組み」です。
もちろん、計画時点で、本当に「収入」が生まれるとまで計算していた
訳ではありません。理屈はわかっていましたが。
ですが、多目にタネを配分されたのに、実際に2年後になると、
「植える場所はないですね…」ということは往々にしてあります。
需要がなく、こそっと焼却処分したところ、「ゴミを燃やした」と通報され、
罰金を払ったという笑い話を、2011年に組合長から聞いたことがあります。
去年の秋までは、余るんじゃないかと本当にヒヤヒヤしていました。
私も「いい苗ありますよ」と情報を流すお手伝いをしたり。
今春の宮城県内公共工事の植栽はピーク。100ha近い植付。
おかげさまで、再生の会の2年生圃場は、名取用6,000本を残して空っぽ。
再生の会の皆さんは、名取以外にも貢献できたねと考えています。
残っている来年用の苗木は、すべて名取行きで、25,000本ほど。
育苗場は寂しくなりました。閉鎖する準備もコツコツ始めています。
育苗がいかに重要であったか、来年は色々な角度で総括し、
今後の財産にしたいと思います。