「風台風」と「塩風害」 ~10月1日台風24号の塩風害メモ①~

2018年10月21日( カテゴリー: 本部発 )

10月12日、UAゼンセン大阪府支部の定期大会での寄付金贈呈式に向かう車窓から、
9月30日から10月1日未明の、「風台風」と呼ばれている台風24号(チャーミー)の「塩風害」の様を見た。
通常「塩害地域」とは、太平洋側は海岸から2㎞以内、日本海側は7㎞以内。
雨が少ない風台風の特徴と、その進路の右側は被害が大きいことを痛感した。
車窓からは、神奈川から静岡、豊橋にかけて、山までの竹が枯れ、真っ赤になった杉もある。
充実した海岸防災林を育てるのは、こういう被害を軽減するためと思いたい。
去年10月24日の台風に続き2年連続だが、全国的な「塩風害」は稀とのこと。
後学のために、ネット上の報道を箇条書きしてみた。
・強風で巻き上げられた海水が内陸に及び、塩分を洗い流す雨が降らなかったため。
・電線と電柱の間には、磁器などでつくられた絶縁体の碍子が設置されていて、電気を通す塩分が付着すると、
電線から電柱に電気が流れる漏電が発生し、感電を防ぐために停電する仕組みになっている。火花が出ることもある
・東京・神奈川・千葉・茨城・静岡で電気設備への塩分付着が確認された(読売新聞)
・沖縄から東北で記録的な暴風(日本気象協会)
・沖縄や九州南部をはじめ、夜間は東海で119万戸、関東で50万戸前後の家屋で停電(ウェザーニュース)
・台風24号の4日後の10月5日、京成電鉄では電線からの出火が相次ぎ全線運転見合わせ
JR外房線など8路線や、東武野田線も遅れや運休が出た。(読売新聞)
・10月6日~9日にかけて、静岡県内で電線からの火花発生が300件以上。うち浜松で150件(産経新聞)
・10月7日以降、秋田県内の発火発煙160件(読売新聞)

出典:ウェザーニュース

出典:ウェザーニュース


出典:ウェザーニュース

出典:ウェザーニュース


・千葉県の農業被害は約17億円。最大瞬間風速が42mを観測した銚子市・旭市で大根4億6,000万円、
キャベツ4億5,000万円の被害(日本農業新聞)
・千葉の海岸から内陸12㎞のナシ園でも影響あり。キャベツや大根は2倍~2.5倍に跳ね上がる(FNN)
・「キャベツ・ブロッコリーは2・3月まで影響が続く。施設栽培の大葉も被災した(JAあいち)
・キャベツや大根などの露地野菜が年末年始に品薄となる恐れ。露地野菜の塩害は2年連続。
2年連続の不作で輸入物が定着しかねない。銚子市では内陸5㎞までの圃場に被害が出た(日本農業新聞)
・「全国で何らかの塩害被害があった」(ウェザーニュース)
一方、関西では、その前の台風21号などの「風害」がひどい。
京都の「根返り」の報道は聞いていた。車窓からも片鱗が見えた。
大阪環状線で一周しても、歩いてみても、家々の屋根にビニールシートが掛けられ、
街の木々は「根返り」し、伐倒処理したものが目立つ。硬い地盤を根が伸びることを考慮せず、
穴を掻き起こしせず、そのまま植えた人が悪いとも思えた。
・京都市内では「根返り」と呼ばれる倒木が起きた面積が少なくとも甲子園球場40個分以上(NHK)
・南港倍の産地の和歌山県みなべ市、町内梅畑の4分の1、約500haの梅の葉が通常より2ヵ月早く
落ち始めた。5㎞内陸の山間部まで被害。影響は予想できない。(NHK)

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