青森県三沢市で、少し珍しい現場を見ました。
津波によって海水が滞水し、徐々に枯れていった松林で、
枯れなかったマツが「疎林化」し、種子を林床に大量に飛ばし、
たくさん光を受けたことで、無数の実生苗となっていました。
青森県庁はそれを「天然下種更新」施業として活かそうとしていました。
施業していた上北森林組合の看板が出ていましたので、電話して聞いてみました。
「林齢は20年程度で、立ったままの枯損木とともに、見込みのない細い松は、
選んで伐採している」と。2011年の津波の後、実生苗は2012~2017年発芽に見えました。
徐々に枯損が進み、林床の光環境がかわり、種子の豊作にうまく当たったのかもしれません。
津波の滞水もそうですが、松くい被害クロマツ林でも考えられることです。
愛知県田原町の伊良湖海岸林で、日本海岸林学会の吉崎会長(東京都市大学副学長)が
試験しているのを見たことがあります。100,000本/haの実生と表示板に記載されていました。
こういう仕事に出くわしたら、それはそれでとても面白いなと思いました。
我々も、海側と内陸側両方の幅30mの生物多様性保護ゾーンに種が自然のチカラで
拡散されて、林帯幅が広がることを期待していますので。
いい学習になりました。