こんにちは
海岸林担当の鈴木です。
吉田、浅野とともに千葉県富津市の富津岬海岸林の視察に行ってきました。
富津岬は、東京から東京湾アクアラインを通り、木更津から少し南下し、東京湾口の少し湾にせせり出ている岬で、対岸が横須賀です。
富津市の観光名所といえば ↓↓ この展望台
岬の突端にあり、明治百年を記念して、昭和48年に建設されたもののようです。
この不思議な形、五葉松をかたどっているそうな
幹線道路沿いにあるわけではないこの展望台ですが、滞在10分ほどの間に観光と思われる人たち30人ほどに出会いました。空気の澄んだ日には対岸の横須賀、富士山もきれいに見えるようですから、ぜひ行ってみてください。ただし、真冬の風の強い日は避けた方がいいかと・・・
岬の突端から少し離れたところに島が見えました。
この人工島は、富津岬から横須賀の観音崎を結ぶ東京湾口に首都防衛を目的として建設されました。展望塔の上からは、第一海堡、第二海堡を見ることができました。写真の海堡は9年間、その奥は25年間の歳月を費やして建設され、当時は、アメリカから技術提供を求められたほど、注目された技術だったそうです。
展望塔からもう一つ見えるもの
最前線の場所は風や潮の影響があまりにも強く、植物が成育するにはとても厳しい環境のため、おそらく何度も植え替えをしているのだろうと思います。
防潮堤が波の威力で壊れてしまうくらいですから、台風や高潮の時には相当なダメージを受ける場所なのだろうと思います。
上から見ると何も植えられていないように見えるのですが、近くに寄ってみると、クロマツと広葉樹が、1m間隔で半分ずつ植えてあり、展望塔に一番近いところは9割が枯れてしまっているように見えました。
クロマツがことごとく枯れている中で、マサキとトベラという広葉樹は少し持ちこたえているようでした。
マサキの表面には塩の結晶がついているほどの最前線の場所でも成育できるように進化してきたのだろうと思いますが、それでも植物の強さに脱帽です。
この場所での植栽を何度も繰り返した結果の樹種の選定とクロマツとの比率なのでしょう。
とはいえ、この場所で植物を育てるのは並大抵の努力ではないはずです。