サウジ勤務 住友化学 山崎さんより
OISCA 吉田様
大変ご無沙汰しております。
以前に住友化学労働組合で勤務しておりました山崎龍太です。
OISCA、そして再生の会の皆様はお元気にされておられますでしょうか。
さて、私は現在、サウジアラビア中西部・紅海沿岸のRabigh(ラービグ)という町で働いております。
イスラム教の2大聖地と呼ばれるメッカとメディナの丁度中間あたりにある町です。
ここには、サウジ・アラムコ社と住友化学の共同出資により設立された「Rabigh Refining & Petrochemical Company通称:ペトロラービグ」という石油精製・石油化学製品製造会社があります。
サウジアラビアと聞かれると容易に想像できると思いますが、夏場は激暑です。
今年も50℃を上回る日がありました。
また、外国人であってもイスラム教の文化・慣習に従う必要があるので、お酒・豚肉はご法度です(涙)
そんな過酷な環境下ですが、ここペトロラービグ社では、サウジ人と日本人とだけではなく、様々な国・地域からのきた技術者、運転員が働いています。
そして、そんな多国籍な人材を抱えるペトロラービグ社の真骨頂は、こうした多くの国・地域出身の人々が、人種、民族、文化、習慣等を越えて、“力と心を合わせて”化学の技術の粋を結集した製品を創っているということです。
世界最大級の石油精製・石油化学の統合プラントであり、その運転には最新の技術と、並々ならぬ努力・経験が必要なだけに、みんなで日々大汗を流しております(暑いからも知れませんが)。
また、サウジ人と力を合わせ、単に住友化学の技術・技能を伝えるだけではなく、サウジアラビアの雇用拡大に貢献し、延いてはサウジアラビアの産業基盤を育成していくという壮大な社会貢献を目指して日々頑張っております。
この地に赴任して約3年が経ちますが、この3年を振り返って気付くことは、こうした多様な人々が集まり、力と心を合わせて頑張るという体制・形態が、まさに『海岸林再生プロジェクト』との共通点であるということです。
海岸林再生プロジェクトにおいても、地域の皆さん、関係企業の皆さん、関係官庁の皆さん、経済団体の皆さん、そして労働組合の皆さん等数多くの人々が、一日も早い東北の復興を願い、力と心を合わせておられます。
こうした共通点を持ちつつも海岸林再生プロジェクトがさらに素晴らしいと感じる点は、プロジェクトを通じて交流、つながり、絆、友情が芽生え、人と人がより強く結びつく、つまりは継続・発展した取組みになっているというところです。
私がサウジアラビアに赴任する前、ある尊敬すべき方に「サウジ人と日本人の間に橋を架けてきてほしい」と言われました。
一瞬“そんなこと私にはできない”と思いましたが、その時に脳裏に浮かんだのは、東日本大震災直後に“海岸林の再生をやらなければ”と立ち上がった吉田さんの姿です。
10年間で100ha の植栽、50万本の苗木生産を計画、必要資金は10億円という文字通り“壮大なプロジェクト”でしたが、“誰かがやらねば”と立ち上がり、OISCA内を説得され、コンセンサスをつくり上げ、多くの方々を巻き込んでいかれた“リーダー吉田俊通”の姿でした。
花はなくとも真っ直ぐで、海からの風や潮を受止め、時には波の前にも立ちはだかる、まさにクロマツのような吉田さんの姿に勇気づけられ、なんやかんやでサウジアラビア勤務を継続しております。
引き続き、ここサウジアラビアで、人と人をより強く結びつけられるよう、心と心に橋が架けられるよう、微力ながら頑張っていきたいと考えております。
ところで、先日、社内の方とのメールのやり取りの中で、海岸林再生プロジェクトの話になり、その話の流れで「(相変わらず?)吉田さんは元気です」と伺いました。
お元気でなりより、という気持ち半分、やっぱり吉田さんは強いなぁ、という気持ち半分で受け止めましたが、本当に嬉しい限りです。
また別のところで残念なnewsを耳にしました。「スナック団十郎」が閉店したことです。もう一度、ここで吉田さんと飲みたいと思っていただけに。。。
今でも、海岸林再生プロジェクトのブログを拝見するときには、頭の中では「ああ宮城県」が流れています。
最後になりますが、いろいろな思いが詰まった「海岸林再生プロジェクト」のますます発展と、海岸林クロマツの着実な成長を、遠い地からではありますが祈念しております。
引き続きよろしくお願いします。
山崎龍太