苦境で迎えたJR名取駅での写真展
JR名取駅の無料市民ギャラリーを3月30日まで1ヵ月お借りして写真展を開催。
市内在住で、毎月ボランティアに来て下さっている大槻さんが朝から手伝いに来てくれた。
設置している時は市民から少しは声もかけられる。「苗は2年も育てるの~、大変だね~」
一方、「残念だけど、ホント関心ないんだよね~うちの市民は。」
海岸林に関わる名取市民からよく聞く言葉。その原因は複合的と私は思っている。
12時前、のんびり歩く50人のうち、立ち止まってくれたのは1人。
20時前、通勤の波もかなり落ち着いた時、15分間で2人。
それでも、この場所はこれ以上ない最高の場所。
写真パネルではなく、カラーコピーでも、年に2回開催するに足るだろう。
クロマツのモニタリングの様に、カウンターをもってデータを取ってみよう。
2001年、タイ東部スリン県から植林への感謝として子象2頭を上野動物園に寄贈される前年、
植林20年を記念して、1年間で26回、126日間、神奈川県内東部で写真展を開催し続けた。
横浜駅東口の最高の立地でカウンターを持った。
結果、立ち止まって2~3枚でも見てくれる人は200人に1人だった。
しっかり見てくれる人は……。
広報啓発は、資金獲得より難しい。
だから、オイスカの仕事の中で指折りの醍醐味があると今も昔も思う。
あの時は、嫌になってしまって、ちゃんと計測するのを止めてしまった。
今回はちゃんとデータをとろう。日を変え、時間を変え。
やっぱり数字は語る。
名取駅の20時前の15分、食い入るように見てくれた2人は、若い女性と、中年の男性。
カップルではない。嬉しくなって、声をかけられなかった。
鋭意募集中の、3月12日・13日の名取での行事は、集客が極めて悪い。
その先読みもあって、安定して名取市民が通るこの場所を確保していた。
集客の奥の手の一つとして。
「至誠をもって動かざる者は 未だ之あらざるなり」
苦しくても、最後まであきらめず、最善を尽くしてから、今年も3.11を迎えよう。
かつてオイスカの活動全体に極めて強い不信感を持ってしまったオイスカ神奈川支部会長
(大企業の会長でもあった)の評価を、あの2001年の過酷な連続写真展をきっかけに、
180度覆した経験が僕にはある。
私にとって、今もよく思い出す幾つもの薫陶を受けた、忘れ得ぬ方だ。