植栽地に笹が繁茂?

2014年11月16日( カテゴリー: 広葉樹, 現場レポート )

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海岸林の現場にでてきたササ類 ヤダケ


 今回のボランティア活動の植栽地での作業は蔓のクズの除去がメインであった。広報室長の林久美子さんが笹を見つけてきた。
「先生これ増えてます」。
いい加減なことも言えないので、帰って種類を調べてみると「ヤダケ」であった。
笹か、竹かの見分け方であるが、イネ科の植物の内多年生で茎(稈)が木質化するものをタケ亜科に分類し、一般に木の仲間に入れている。タケ亜科は更に稈鞘(筍の皮)が茎から直ぐ剥がれ落ちるものをタケ類、そのまま茎に残るものササ類として分類する。 ヤダケは名前に竹の字がつくが、稈鞘が長く宿存するのでササの仲間ということになる。
北海道を除く日本全域及び朝鮮半島南部に自生し、低山帯から沿海部にかけて分布する。
稈高は2~5m、径は5~15mmで節は低く、節間が長いので古くから矢柄に利用され、
また神事、日用品、釣竿などにも広く用いられてきた。
一般的な門松は、斜めに切った孟宗竹に松の枝を組み合わせて作るが、
仙台藩では、高さ3mほどの栗の木を柱に笹と松を添えたという。
この門松は、代々藩有林の管理にあたっていた根白石の山守の家で製作し、
献上されていたとのこと。この伝統門松に使った笹の種類は明らかではないが、
材料はすべて地元産を用いたとされているので、
おそらく自生していたこのヤダケかアズマネザサであろうと推測される。
この海岸林にこの低木のササが優先してくるか、ニセアカシアが繁茂してくるのか、
いずれにしてもこの2種は今後危惧される植物であることは間違いない。
 

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