ミャンマーからの寄附に思うこと

2013年7月8日( カテゴリー: 本部発 )

センター前

センター前


ミャンマーから非常に大きな支援をいただきました。
世界最貧国と言われることもある国からの支援で、現地の貨幣価値として、100万円を越える大金です。
金額もさることながら、この協力の背景をご紹介させていただきます。
1995年に着工した研修センターに、当時私は経団連自然保護協議会ミッションの随行員としてヤンゴンから丸2日かけてたどり着きました。一面の「土漠」でした。
 ミャンマー農林業研修センター
国柄・人柄がとてもよく、すぐに「ビルきち」(ビルマが大好きな人)になりました。
あの国からと思うと、心から嬉しく。
駐在代表の藤井啓介氏(東京農大卒、駐在歴7年)からのメール、 ほぼ原文を使用しました。
彼の文末の言葉、とくに読んでいただきたいと思います。
オイスカミャンマー農林業研修センターが長い時間をかけて集めた寄附金をレートが良くなった今、
訪日農業研修生4名に託しました。 ここに至った経緯を紹介します。
センター内での体操風景

センター内での体操風景


 
協力してくれたのは、センタースタッフ、研修センター卒業生、イエサジョ郡の村々からの寄付(普段オイスカ・ミャンマーが事業で対象としている村々の人達)、パコックやイエサジョの市街地にあるオイスカの商品を
扱っている商店、政府関係者等からでした。そして、今回の寄附金を集めるのに最も重要な役割を果たしたのは、他でも無い我々のセンターのスタッフでした。
3月11日のニュースは、ミャンマーでも発生直後から大きく取り上げられ、自分も日本人だからという事で、スタッフや地元の知り合い等から、自分の家族や知り合い、そしてオイスカ関係者の安否を心配する声を連日掛けられました。
その後私自身も日本人として胸が張り裂けそうな思いでいる時、あるスタッフが私に今回の災害に対して何か自分達にもできないだろうかという話をしてきました。
その日の夜の定例ミーティングの場で私は彼らに以下の様な話をしました。
センター付近の風景

センター付近の風景


「今、日本で大変な災害が起きた事は皆さんも承知していると思います。今回は、自然災害の多い日本でも未曽有の大災害と言える規模になるのは確実でしょう。皆さんの第2のふるさととも言える日本の事だから皆さんが
心配してくれているのは私もとても有り難く思います。そして、皆さんはあの2008年のサイクロン・ナルギスの被害で多くの善意を日本からも受け取ったのを覚えていると思います。その時の恩返しという意味で、今回の災害に対して皆さんが何ができるかと私は聞かれたが、私からは具体的に何をしなさいという指示はしたくないです。ただ、皆さんの想いが、そして何らかの行動が被害に遭われた多くの日本人を必ず励ます事になると思います。被害に遭われた方々にとって、今必要な支援は多岐に渡ると思われます。その方達の緊急、そして復興に確実に活かされる支援であれば、その額や量が多い少ないは問題では無いのです。何ができるかと考えているよりも、皆さんの想いを今からすぐに行動に繋げたらどうだろうか」
その後、彼らが自分達で自主的に寄付を集めはじめました。
スタッフ自身からの寄付のみならず、普段私達が支援をしている周辺の村にも支援を呼びかけていったのです。普段は支援される側の村人達が、スタッフの呼びかけに応じそれぞれが少ないながらも善意の寄付をしてくれました。
そして、村人以外の普段オイスカと関係のある人達、そして今はセンター外に住んでいる研修生OB達も続々と寄付の呼びかけに応じてくれました。
また、2008年に私達がサイクロン支援活動をした地域の人がわざわざ遠いセンターまで寄付金を持って来てくれた事もありました。
「あの時にオイスカ、そして日本の方から受けた恩を忘れた事は今まで無い。
今回は自分達に支援を届けてくれた日本が大変だと聞いて、どうしても届けたいと思って持ってきたんだ」
と言って、皆で集めた寄付金を大事に持って来てくれました。
上記の様な額が、それも他国の災害に対する寄附金として集まったというのは、ここミャンマーでも恐らく異例の事だと思います。
ミャンマー

ミャンマー


今回の出来事を通じ、これまでの私達の活動の意義が 実はここにあるのではという思いを強くしました。
つまり、私達が取り組んでいる国際協力活動とは、一方通行のやり取りでは無く、双方向の絆を深めるのに大事な役割があるのだと思ったのです。すぐに目に見える成果と言えないかもしれないが、もっと大事な精神的な繋がり、お互いを思いやる関係を私達オイスカとミャンマーの人達はこれまでの取り組みを通じて築いてこれたのだと思いました。
これからも、私達オイスカ・ミャンマー事業はこの大事な絆をより多くのミャンマー人と築き、そして深めていく事ができればと思っています。
 
毎年の洪水

毎年の洪水

2013年7月
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
293031  
月別アーカイブ

ページトップへ