本部の吉田です。
東日本大震災の津波で壊滅した、宮城県名取市の海岸防災林全長5㎞・100haの再生を目指す「海岸林再生プロジェクト」を立ち上げて16年目。これまでプロ(林業者)約1万1,000人、ボランティア約1万6,000人が、一日8時間の育林作業に従事してくださいました。皆が本気で来てくださっているからだと思いますが、おかげさまでこれまで無事故です。どう考えても、日本で最も大勢の人に育てられながら、最強の防災林への道を順調に歩んでいる、幸せな森ではないかと思います。
ですがその一方、2025年度は「マツ材線虫病(通称:松くい虫)」がとうとう侵入し、2度目の「ボヤ騒ぎ」も起きてしまいました。ゴミの投棄も相変わらずです。また、メディアでの活動紹介はコンスタントに続いていますが、地元での認知度は極めて低いままです。
震災の年、地元の警察官から聞いた海岸林の印象は「ボヤと自殺」の発生場所でしかないとのことでした。昭和30年代までは、子どもたちは学校のストーブの燃料のために「松ぼっくり」を拾って学校に持って行くなど、人との生活に密着した森で、よく手入れされていたそうです。しかしそうした需要もなくなり、近年は海岸林の存在理由が顧みられることがなくなっていたのかもしれません。震災後、海から数㎞は居住禁止区域となりました。一層近寄りがたい場所になっていると感じます。
この16年を振り返ると、分岐点ではいつも女性の助けがありましたが、今回もそういう気がしています。
(「海岸林再生プロジェクト」ブログ 2012年6月26日 担当者の振り返り 「曲がり角でいつも女性が立っていた」)
「最強の防災林だったとしても、地元から愛され、親しまれる森とは程遠い」という我々の悩みを感じ取ったのが、ずっと一緒に歩んできた一人、名取市閖上出身のイラストレーターico.さん(https://gateway.guide/art/1011a-2/)です。今年の3月14日に仙台で行われた仙台防災未来フォーラムにも登壇くださいました。そのフォーラム後、彼女から提案されたのが、市民参加で「絵本」をつくる取り組みでした。11月には絵本を完成させ、「読み聞かせ会」などを長く続けながら、一人でも多くの地元の人たちに知ってもらう活動をしたいと、クラウドファンディングに挑戦中です。
右から2人目がico.さん、3人目は真っ先に取り上げてくださった東北放送ラジオの大久保アナウンサー
ico.さん
県立名取北高校1年生の「探究活動」で、絵本制作の参加を呼びかけ
「絵本制作プロジェクト」のクラファンページ(https://readyfor.jp/projects/2011-2026)をぜひご覧ください。ico.さんの想いが詳しく書かれています。クラファン終了は8月末。できるだけ大勢から少しづつ。そういう考え方で達成を目指しています。ぜひ力を貸してください。よろしくお願いします。