2023年12月7日

40年以上前にバングラデシュの発展のために奔走してくれた感謝を伝えに来日

  • バングラデシュ
  • 研修生OB・OG
  • 中部日本研修センター
  • 国内スタッフ
  • バングラデシュの活動のサポートをしている小杉辰雄です。

    年に2ヵ月ほどバングラデシュに滞在し、プロジェクトの運営管理を担っています。

    少し前のことになりますが、9月23~27日の5日間、バングラデシュOB会の会長フセインさんと事務局長のキスモットさんがオイスカ中部日本研修センターに滞在しました。

    中部センター訪問
    30年以上前に研修生として過ごした中部日本研修センターで数日間を過ごす。感謝のお土産です。フセイン会長(左)、キスモット事務局長(右)、中部センター所長の小杉裕一郎(中央)

    2人は中部日本研修センターのOBで、フセイン会長は1986年から1年間養鶏を学び、キスモット事務局長は91~92年まで野菜や米の栽培方法などを学びました。

    現在、フセインさんとキスモットさんはアパート経営をしており、現在の自分たちがあるのは、センターや委託研修先の農家さん、ホームステイ先、日本語の先生のおかげだと、感謝の意を伝えたく、はるばるバングラデシュから来日しました。

    現在のオイスカ・バングラデシュの活動拠点となる研修センターの建設にあたり、愛知県西尾市の当時、オイスカ西尾支局の会長を務めていた株式会社ドミー(愛知県を中心にスーパーマーケットを展開)会長(当時)の故・梶川晃平さまが尽力してくださいました。10ヘクタールの土地の購入と2階建ての研修施設建設のための資金として、オイスカ会員の皆さんから4千万円の寄附を集めてくださいました。資金提供のみではなく、会員の皆さん自身もバングラデシュでセンターの建設に携わり、1981年の開所式にはオイスカ西尾支局の大勢の方々にご参加いただき、現在の活動につながっています。

    当時、建設委員長として奔走され、多額の資金を集めてくださった梶川晃平さまと現地で研修施設建設の采配を執られた石川農機株式会社の元社長の石川昭英さまの霊前に手を合わせ、現在の礎を築いてくださったことへの感謝を故人に語りかけることもOB会代表としての来日の目的のひとつでした。

     

    墓参3
    故・梶川晃平さまのご家族と中部日本研修センター元所長の杉浦氏のご家族と共に墓参しました

    2人の来日した感想を紹介します。

    <会長 フセインさん>

    1987年に研修を終えて、38年ぶりの訪日をとても楽しみにしていました。研修した時にとてもお世話になった会員さんやホームステイ先の人たちにも会えて嬉しかったです。今の自分の地位があるのは、オイスカで勉強したおかげです。オイスカは家族であり、父であり、母です。

    これからもオイスカの活動を一生懸命やっていきたいと思います。

     <事務局長 キスモットさん>

    1996年に研修を終えて帰国し、道路建設などの韓国企業で働き、その後、農業などをしてきました。今回の来日で、バスや電車の車窓から見た日本人の様子や、研修センターで朝から夜遅くまで研修や研修生への生活指導をしているスタッフの姿から、日本人の勤勉さやモラル、規律を見ることができました。

    1996年当時の私は、とても貧乏でしたが、今は家も車もあり、家族もいます。本当に感謝しています。これからもオイスカの活動を頑張っていきます。

    オイスカでの来日研修の経験があるからこそ、今の地位があると、2人とも、とても感謝しておられました。今回の訪日で、日本との絆をあらためて認識し、バングラデシュでの活動がますます盛んになることを願っています。

    バングラデシュ事務所にて
    バングラデシュ研修センター事務所にて(左からキスモット事務局長/サボニさん(センター運営担当/四国研修センター研修生OB)/フセイン会長)
    市長表敬訪問
    オイスカ西尾推進協議会の会長と事務局と共に西尾市長を表敬訪問

     バングラデシュでのオイスカの活動の成り立ちを簡単に紹介します。

    <1974年>
    1971年にパキスタンから独立後、各分野での人材育成が急がれ、1974年に第一期生として4人の研修生が来日し、当時、西尾市にあった研修センターで2年間の農業研修を受け、1976年に帰国。
    そのうちの1人、シェイク氏は地元のラッシャイ県に150人規模の農業私塾を建設。

    <1977年>
    帰国後の調査のため、梶川様はじめ16人がバングラデシュを訪問。研修生OBのシェイク氏らから研修センター建設の要望を受け、梶川様が建設委員長に就任し、「手弁当の国際協力」として建設にむけて募金活動を開始。

    <1981年>
    バングラデシュ男子研修センターの開所式に梶川様をはじめとするオイスカ会員48人が参加。

    <1984年>
    バングラデシュ男子研修センター3周年と女性研修センター開所式に梶川様をはじめとする会員24人が参加。

    <1991年>
    4月下旬にチッタゴン地方にサイクロンが上陸。
    犠牲者数が14万人を超え、300万人が避難するなどの大きな被害があった。地元出身の研修生OBのチョウドリ―氏なども被害を受け財産を失う。

    <1992年>
    沿岸地域の人々をサイクロンから守るため、チョウドリ―氏の働きかけにより、マングローブ植林プロジェクトがスタート。1996年、UIゼンセン同盟(現UAゼンセン)が参画を開始し、「600ha 緑の防波堤」を作るプロジェクトが本格始動。

     <2012年>
    東京海上日動火災保険株式会社がマングローブ植林プロジェクト支援を開始。
    また、オイスカ西尾推進協議会と株式会社エムアイシーグループも継続的にご支援くださっています。

    プロジェクトでは現在までに、約980ha、800万本を植林し、今年もモヘシカリ郡にて約43haの植林を地元に人たちとともに行いました。
    マングローブ植林プロジェクトについては、あらためて報告いたします。

    住民の生活と地球環境を守る活動をこれからも継続していきます。

    1月20日まで「2023オイスカ冬募金」を実施しています。住民の生活と地球環境を守るオイスカの活動をぜひ応援してください。(画像クリックで冬募金ぺージに遷移します)

    サムネイル

    アーカイブ