2014年3月19日

最後のお稽古

  • 本部スタッフ
  • 本部・広報室の林です。

    よく「オイスカは“環境団体”ですか」と聞かれます。
    森づくりに取り組み、環境保全活動をしていますから 間違いではありませんが私たちが柱としているのは“人材育成”です。
    オイスカの人材育成の拠点は国内外にいくつかありますが、 その中の一つ、中部日本研修センターに行ってきました。

    ちょうど今の時期がこれまで研修に取り組んできた研修生の卒業の時。 センターでは6名の研修生の修了式に出席してきました。 CIMG4920 修了式開始2時間前。 会場には2年間の家政科研修を修了したフィリピンのカテリンさんがいました。 CIMG4847調理や栄養、洋裁や生け花など多くのことを学んできた彼女の最後の生け花のお稽古。
    これまでご指導くださった先生が修了式のためにお花を用意してくださいました。サクラやコデマリなど枝ものは先生が、そしてこの日のメインとなるお花をカテリンさんが生けていきます。
    修了式後の懇親会会場テーブル用に小さなお花も生けていきます。これは後輩たちと一緒。柔らかな日が差し込むホールでベトナムとフィリピンから来た女性たちが日本語でおしゃべりをしながら楽しそうにお花を生けているその様子に心があたたかくなりました。 hana

    この時、食堂では技能実習生たちが懇親会用のお料理の準備をしていました。 全員男性。
    普段は養鶏や養豚、花卉栽培の実習に取り組んでいるインドネシア、 マレーシア、フィリピンから来ている青年たちです。
    この日はエプロンをつけて肉団子やサンドイッチづくり。 CIMG4841これもまた実に楽しそう。

    オイスカの理念には 「すべての人々が、国籍、民族、言語、宗教、文化の違いを乗り越えて共存し、地球上のあらゆる生命の基盤を守り、育てようとする世界を理想とする」 という一節があります。 言葉にすると難しいのですが、彼らが国籍の違いなどないかのように一つの作業を共有している様子は理念に向かう姿そのものだろうと感じました。

    オイスカの人材育成は、農業などの技術習得が目的ですが、それ以上に研修生同士が、地球を共通のふるさととして共に生きる仲間だと強く認識し、友情以上の何か(説明が難しいのですが、理念に向かう連帯感と説明したら間違いではないと思います)を育んでいることに価値があるとあらためて気づかされた修了式でした。  

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