2011年12月6日

養蚕研修修了

  • 本部スタッフ
  • 本部・人材育成部の小林です。
    ネグロス養蚕普及プロジェクトの一環として、同地から派遣されていた研修生3名が、 山梨県・群馬県の養蚕農家での研修を終えて帰国しました。

    修了証が授与されました

    この中のひとり、ドンドン(写真右)を紹介します。
    ◆家族が大切がゆえに、離れて暮らす 山梨で研修を受けたドンドンは、奥さんと3歳になる娘さんを置いてフィリピンから来日しました。 「自分の暮らす地域が豊かになることが家族の幸せに繋がる」と考えた彼には 日本でより高度な研修を受け、地域にそれを普及させんとする強い決意がありました。 国内での単身赴任とは訳が違い言葉、食事、習慣、気候などの違った環境で勉強することは 並々ならぬ覚悟が必要です。家族とは電話でしか話すことができません。 そんな中でも、ただひたすら、純粋に技術の向上を目指した彼は、今では蚕の状態を一目 見ただけで桑を欲しがっているのか、病気なのか等の判断ができるまでになりました。 これには研修先のご主人も「覚えが早くて教え甲斐がある」と褒めてくださっていました。
    ◆偉人 10年以上も養蚕研修生を受け入れていただいている山梨県の芦澤さん。 先代は養蚕で日本の近代化に重要な役割を果たし、 当代は開発途上国の発展のために養蚕の技術指導をしてくださっています。 日本では養蚕のみで生活することが難しくなった今、冬には干し柿を作ってその足しにするなど、 厳しい状況の中でも研修生の食事と住む所を提供してくださっています。 さらには、何度もネグロスに赴き、現地でも指導をしてくださっている芦澤さん、まさにプロフェッショナル! ◆別れの日

    左からドンドン、芦沢さん、お母さん、息子さん

    全ての研修が終了したその日。 まるで自分の息子のように可愛いがってくれた芦澤さんとお母さんは涙が止まらず 「ここはアナタの家です。いつでも帰っておいで」と送り出してくれました。 ドンドンも目に涙を溜めて「アリガットゴザイマシタ」と何度も口にしていました。 国境を越え高い志を持った者同士が出会い、師弟関係以上の強い絆で繋がれました。 10ヵ月という研修期間は本人や周りはあっという間かもしれませんが、母国で待つ家族には長い時間だったことでしょう。 彼の積み上げた経験や技術は地域発展のための大切な礎となります。 ドンドン一家に明るい未来が待っていることを願い、彼の今後の活躍に期待しています。 研修中お世話してくださった皆さん、ありがとうございました。

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